マツダ CX-60 「20km/L超えの燃費は素晴らしい」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

工藤 貴宏
工藤 貴宏(著者の記事一覧
自動車ジャーナリスト
評価

5

デザイン
3
走行性能
5
乗り心地
3
積載性
4
燃費
5
価格
4

20km/L超えの燃費は素晴らしい

2022.11.22

年式
2022年9月〜モデル
総評
結論からいって、クルマ好きならいま買って乗っておくべきクルマです。これからモーター化が必須となり、モーターのサイズがどんどん大きくなることが確実視される今、大排気量ディーゼルを新車で買って乗れる猶予はそう長くないかもしれません。つまり、この味を楽しめるのは今だけってことです。いいですよ、6気筒ディーゼルは。いっぽう、4気筒ガソリンのベーシックグレードは、その価格でこれだけのクオリティのSUVが買えることが素晴らしいですね。
満足している点
縦置き6気筒エンジン+後輪駆動ベースのプラットフォームという身近な国産SUVでは絶滅しかかったジャンルの復活。クルマ好きとしてうれしい限りです。そして、ディーゼルというハイブリッドだけに留まらない低燃費モデルの選択肢を用意してくれたこと。さらに、6気筒ディーゼルという贅沢なパワーユニットをちょっと手を伸ばせば買えることがうれしいですね。
不満な点
車体サイズの割には後席や荷室が広くないことは購入時に覚えておきたいところ。といってもCX-5よりは広いので、CX-5からの乗り換えなら問題ないでしょう。ちなみにディーゼルというと煤問題を気にする人もいますが、4年間CX-5に乗ってほぼ街乗りの短距離移動ばかりしている筆者には、その問題は無縁でした。極度に恐れる必要はないと思うし、CX-60ではさらに対策が進んでいます。
デザイン

3

デザインはあくまで好みの問題で「いい」か「好みではない」かのどちらかです。そしてCX-60のスタイリングを語るのにプロポーションの話は避けて通れないと思います。いわゆる“ロングノーズ・ショートデッキ”の古典的なFRスタイルが好みであれば、CX-60のプロポーションは好みに合うのではないでしょうか。いっぽうでキャビンフォワードのスタイルが好みなら、受け入れにくいかもしれませんね。買った自分が言うのもなんですが、個人的にはあまり好みではありません(買ったからこそ好きなだけ言える)。この後登場する予定のロングボディ版「CX-80」ならもっとバランスが良くなるのでしょうね。いずれにしろデザインは好み次第ということで。
走行性能

5

走る歓びに満ち溢れていますよ。現時点で試乗したのはディーゼルエンジンのマイルドハイブリッドモデルだけなのでその印象になりますが、とにかくディーゼルエンジンのトルク感が素敵。トルクが極太だから加速の勢いが凄いし、6気筒だから滑らか。しかもガソリンエンジンかと思うくらい加速の“伸び感”が持続するのがいいですね。いっぽうでハイブリッド感はほぼありません。発進はかならずエンジンで一歩を踏み出すし、ハイブリッドらしいのはアクセルオフやほんの僅かだけ踏んでいる状況で気が付けばエンジンが止まっていることがある程度です。ハイブリッド感と絶対的な加速を求めるならPHEVモデルを選ぶのがいいでしょう(国産PHEV最速の加速力を持つ)。そうそう、コーナリングも高速走行の安定感もすごく良いです。特に峠道では、ひとまわり以上車体が小さくて軽いクルマに乗っているような気分になってきますよ。心地よいです。
乗り心地

3

全体的には悪くないのですが……低速域で路面の悪い状況(段差を越えたときなど)では下から突き上げるような感覚がありますね。それは否めません。ただ、世の中には「気にならない」という人も多いようなので、実際に試乗して確認するのがおすすめです。
積載性

4

最初に伝えておくと、過剰な期待は禁物です。たしかに車体はCX-5よりもワンサイズ大きいので荷室もそれなりに期待してしまいますが、実際には“CX-5+α”ほど。床上の荷室容量はCX-5に対して+10Lの477Lです。床の奥行も30mm伸びた程度なので、劇的な差はありません。DセグメントSUVとして狭いほうではありませんが、CX-5と同程度に考えるといいでしょう。広さを求めるなら3列目を倒したCX-8のほうがマッチしますね。
燃費

5

ディーゼルに関しては凄いとしか言いようがないですよね。車両重量2トンに迫り排気量3.3Lの6気筒エンジンを積むSUVのWLTCモード燃費が20km/Lオーバーとは眉唾とすら思える成績ですが、もちろんごまかしではありません。先日もマイルドハイブリッドのディーゼルで100km/hで高速道路巡行をしてみたら、約22km/Lに到達。モーターなしでもその1割落ちくらいに届きそうな感触です。理由はエンジン。大排気量はパワーのためではなく燃費向上(&排ガス浄化性能向上)のためであり、排気量のわりにパワーが少ないけれどその分燃費がいいように設計されているのです。驚くしかありません。
価格

4

マイルドハイブリッドモデルはボトムが500万円オーバー。残念ながら手が届きやすいとは言えませんし、プラグインハイブリッドも同様です。しかし、モーターなしのディーゼルであれば値段は300万円強からとグッと身近に。4気筒のガソリンエンジン車に目を向ければなんとアンダー300万円。内容を考えればかなりの高コスパです。
工藤 貴宏
工藤 貴宏
自動車ジャーナリスト
1976年生まれ。クルマ好きが高じ、大学在学中に自動車雑誌の編集部でアルバイトしたことをきっかけに、そのまま就職。そして編集プロダクションを経てフリーランスの自動車ライターに。日々新車を試乗し、日夜レポートを書く日々も気がつけば10年以上。そろそろ、家族に内緒でスポーツカーを買う癖はなんとかしないと。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員日本自動車ジャーナリスト協会会員
マツダ CX-60 新型・現行モデル

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