ダイハツ タント 「包容力たっぷりの万能軽！」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

包容力たっぷりの万能軽！

2021.3.3

年式

2019年7月〜モデル

総評

クルマがピラーレスになっており、車内をウォークスルーできたり、様々な可能性を感じるタント。クルマを見ただけで、「色々なことができそう」と気持ちが膨らむモデルだと思うが、所有したとしてもその思いが裏切られないクルマになるはずだ。特におすすめできるのは、ファミリーユースを前提に考えていて、お子さんがまだ小さい家庭。もしくは、高齢のご家族がいて、病院への通院など、頻繁にクルマを使用することが多い家庭にもぴったりだと思う。また、タントは、元々車両価格が抑えられているので、そういう家族がいる方は、安全装備の「スマートアシスト」をフルセットで装着することをおすすめしたい。

満足している点

軽自動車という枠組みを最大限利用しながら、クルマとしてもしっかりした走行性能を持っており、たくさんの人や荷物を載せられて、燃費や価格も良い。クルマを作り上げる全体の技術が高く、それがバランスよく両立している。ただ単に大きくて便利な軽ワゴンというだけではなく、クルマとしてきちんと作られているところが好印象。

不満な点

優等生なタントには、ほとんど不満な点は見つからない。強いて言うなら、ノーマルモデルではなく「カスタム」のデザインの派手さが気になるところ。こういったデザインを好む人が一定数いるのは理解できるが、ノーマルモデルがシンプルでまとまったデザインになっているので、それを活かしたカスタムのデザインも見てみたい。

デザイン

4

これまでは、大きな特徴がないコンサバなデザインだったが、4代目からはヘッドライトまわりが細くなったり、あまり余計な装飾がなくなったりと、シンプルでより洗練されたイメージになった。これまではファミリーカーのイメージが強かったが、より幅広い層のユーザーに受け入れられるようになったと思う。

走行性能

4

ダイハツのプラットフォームDNGAを採用しているので、ボディ剛性も高く、これだけ背の高いスーパーハイトワゴンにも関わらず、思いの外しっかりと走らせることができる。しかもロール量が抑えられているから、カーブなどでぐらつくこともないので安心。スーパーハイトワゴンの中では、もっとも走らせやすく、運転していて安心を感じるモデルになっていると思う。

乗り心地

4

ダイハツのクルマは往々にして足回りがしっかり作られているので、乗り心地は少々硬めな印象。タントもそれに則って作られているので、少しコツコツとした突き上げを感じることもある。ただ、現行モデルではそれが改良されているので、誰かを乗せる時に不安になったり、乗り心地に不快感を覚える人も少ないのではないかと思う。個人的にはスーパーハイトワゴンの中で走行性能と乗り心地のバランスが優れているのはタントだと思う。

積載性

5

タントの伝統である、助手席側がピラーレスになっていて、助手席とその後席が大きく開く「ミラクルオープンドア」は、やはりとても便利。単に大きく開くだけではなく、フロアが低床なので乗り降りもしやすく、車内移動も簡単にできるところが◎。小さいお子さんや年配の方に合わせて、乗り降り用のグリップが豊富に設定されていたり、オートステップのオプションも用意されているなど、どんな人でも使いやすいクルマになっているところもポイント。福祉車両としての機能性も高く、リアゲートから車椅子をそのまま押して収納できるスローパーや助手席が回転するウェルカルムシートなど、様々な用途に合わせて使うことができる。

燃費

4

背の高いモデルなので、「空気抵抗が増えて燃費も悪化するのかな？」と思っていたが、WLTCモードで18.8〜27.2km/Lと好燃費！　リアゲートの形状などにこだわって、空気の流れを整えているというが、一般的な軽自動車と同等、もしくはそれ以上の燃費を叩き出しているのはすごいの一言。

価格

4

近年の軽自動車の価格から見ると、グレードによってはかなりお買い得モデルも。スタンダードなモデルではなく、それなりの装備を追加しようと思うと、それなりの値段にはなると思うが、このサイズ感で、この燃費で、この使い勝手で、この価格はお買い得！ホンダN-BOXに次いで、日本でもっとも売れているクルマというのは納得。