BYD ATTO3 「バッテリー性能に自信ありの装備充実EV」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

バッテリー性能に自信ありの装備充実EV

2023.12.21

年式

2023年1月〜モデル

総評

カーデザイン界の巨匠を擁し、先進的でダイナミックなSUVスタイルをコンパクトサイズで実現し、インテリアも遊び心がいっぱい。そしてバッテリーは鉄壁の安全テストで信頼性が高く、航続距離が長いわりに価格は控えめ。走ってみれば爽快な加速フィールと上質な乗り心地を手にしている、バリューの高い1台です。

満足している点

ドアを開けると、まず驚くのが独創的なインテリア。テーマがスポーツジム×音楽ということで、ダンベルをイメージしたエアコンルーバーや、マラソンマシンのトレッドミルのようなアームレスト、ハンドグリップのようなドアノブなどがあり、筋肉を想起させるマッスルストリームラインのパネルなどがアクティブな雰囲気を演出。ドアにはギターの弦のような装飾もあり、仕立ての良い上質さと遊び心が融合した、ほかにはないデザインだと感じます。31色がそろうイルミネーションは、音や気温に連動しているというのも面白いですね。

不満な点

歩行者に気づいてもらうため、安全を考慮した車両接近通報装置による音を出すことは義務化されていますが、ATTO3は少々室内にも大きめに入ってきます。音色も独特なので、好き嫌いが分かれるかもしれません。

デザイン

5

先進的でかっこいいだけでなく、自社製品による長寿命のLEDヘッドライトを採用していたり、ドアパネルには日本の金型技術が生かされていたり、品質にも申し分のないこだわりが見え隠れするところが素晴らしいです。Dピラーに彫られた造形も凝ったもので、満足度の高い飽きさせないデザインだと思います。

走行性能

5

ことさらにモーターの俊敏さを誇張したりせず、あくまでガソリン車から乗り換えても違和感のない、とても扱いやすい走りが好印象。ウインカーレバーが右になっていて操作もしやすく、スイッチひとつで縦にも横にも回転する大型ディスプレイでさまざまな情報がわかりやすくなっています。軽快感と上質感、静粛性が見事にバランスした走りです。

乗り心地

5

少しくらいの路面のギャップも上手にいなし、不快な振動が少ない上質な乗り心地を実感。EV専用に開発した「e-platform3.0」というプラットフォームや、ブレードバッテリーと8つのモジュールを集約したコンパクトな「8in1 電動パワートレーン」の恩恵で、ロングホイールベースで低重心かつフラットな床面となっていることが、乗り心地の良さにも効いていると感じます。

積載性

5

5人乗車時のラゲッジ容量は440Lと十分な広さを確保。開口部の横幅が広く取られていることや、壁面に出っ張りが少ない形状で、積みやすさも実現しています。小物が入る床下収納もあります。後席は6:4分割で倒してフラットにでき、容量は最大1340Lに拡大するので使いやすいと思います。

燃費

5

もともとバッテリーメーカーでノウハウの蓄積があることや、独自の技術を追求していることから、とにかくバッテリー管理能力には自信を持っているのがBYD。徹底して温度と容量を管理することで、一般的には80％程度充電されると急激に電気が入る速度が遅くなるところを、最後までスムーズに入るように管理しているため、同じ30分の充電でも入る量が多くなるところが秀逸。距離を延ばすほどに他社のバッテリーとの違いが明らかになってくると語っていたのが印象的でした。

価格

5

モノグレードで、パノラミックサンルーフやパワーバックゲート、NFCカードキーなど先進装備がてんこ盛りで装備されて、440万円という価格はもう信じられないバーゲンプライス。ロングホイールベースなのに小回り性能も高く、V2Hにも対応しているパーフェクトな1台です。