最新F1のタイヤ交換時間とエンジンの熱効率が凄かった
掲載 更新 carview! 文:清水 和夫
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さて、F1マシンの速さはどうか。レースがつまらなくなるほどメルセデスのエンジンが強いが、最近はフェラーリやルノーも健闘している。そしてホンダも復活の兆しが見えてきた。
1.6リッター・V6ターボとハイブリッドを使う現在のF1エンジンは驚くほど新技術が満載だ。ホンダの八郷社長は「F1はエンジンの研究には絶好のチャレンジです」と語っている。そのホンダは今年になってエンジンが大幅に進化、予選ではベスト10に入ることができるようになり、トップを走るメルセデスの後ろ姿が視界に入ってきた。
メルセデスのエンジンは1.6リッター・V6ターボで約900馬力を発生すると言われているが、実はパワーだけでなく、エンジンの本質である“熱効率”が優れているということがわかってきた。エンジンは燃料が燃えたときの熱エネルギーを機械エネルギーに変換する装置なので、その変換効率=熱効率が高いことが理想だ。1ccの燃料からどのくらいの動力が得られるのか? 排熱や機械的な損失で失われてしまうため、乗用車のエンジンは非ハイブリッドの場合で30%前後と言われている。
ところが、メルセデスのF1エンジンは熱効率が45~47%前後に達しているのではないかとホンダのエンジニアは予測する。どうやら小さな副燃焼室で部分的にディーゼルのような自己着火を起こし、プラグ点火と合わせてハイブリッド燃焼をさせているらしい。その昔、CVCCエンジンで副燃焼室を採用したホンダは、それを聞いて俄然燃えているのだ。
エンジン本来の熱効率の戦いがF1パワー競争の裏側でヒートしている。八郷社長はF1で鍛えた技術は市販車に生かされるし、市販車で培ったハイブリッド技術はすでにF1に応用されていると述べている。
モータースポーツの頂点で起きているタイヤ交換という人間の技の戦いと、エンジンの熱効率というテクノロジーの戦いが面白いと思った。
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