新型BMW 1シリーズはFFの定義を変えるほどのダイナミック性能でライバルに挑む
掲載 更新 carview! 文:木村 好宏/写真:Kimura Office
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今年の秋にドイツ市場ではコンパクトセグメント・セダンの三つ巴の戦いが勃発する。すなわち昨年発表されたメルセデス・ベンツAクラスに続いて、BMWが三世代目の1シリーズを、そして真打にはフォルクスワーゲン・ゴルフVIIIが登場するのだ。中でも注目すべきはBMW 1シリーズで、これまで頑固にFRで通してきたレイアウトをついにFFへと大転換を行う。
1シリーズは2004年に登場した初代(E87)、そして二代目(F20)とFRに固執、キャビンが狭くトランク容量もF20は360-1220リッターで、このクラスの優等生ゴルフ(380-1270リッター)と比べると明らかに小さい。にも関わらず、高い人気でこのFFライバルたちと張り合っているのはやはり後輪駆動ならではのスッキリしたステアフィールとスロットルでクルマの向きを変えるという、BMWらしいアクティブ・ドライブを提供してきたからである。これをBMW社内ではUSP(ユニーク・セールス・ポイント)と呼んでいる。
ところがやはり、時代は変わりBMWグループ内でもミニ、そして同じブランド内でも2シリーズ・アクティブ・ツアラーなどが誕生し、前者はスポーティなハンドリング、後者はスペースユーティリティをそれぞれ売りにしている。そこで、BMWのニュー1シリーズ開発チームに与えられた使命は「FF車としては、これまでになかったレベルのハンドリングおよびドライビング・ダイナミクスを達成する」。また当然ながら「後輪駆動であった旧モデルに対してFFを採用したことによる十分な居住空間や軽量化を達成する」というものだった。
そして今回、正式発表に先立ってBMWは1シリーズ・プリドライブ(事前試乗)を開催、ニュー1シリーズのダイナミック性能を垣間見るチャンスを与えてくれた。場所は南フランスにあるミラマ(Miramas)BMWプルービング・グラウンドで、アジェンダは実車を前に新しいシャーシとそこに採用された新システムについてのレクチャー、そしてその後、敷地内のダイナミックとウエットの2つのコース、そして周辺道路でダイナミックパフォーマンス・チェックであった。
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