早くも追われる立場になったテスラ。EVの進化から目が離せない
掲載 更新 carview! 文:塩見 智
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速さのみならず、使い勝手(航続距離や充電場所、所要時間、料金などを含む)、快適性、安全性、自動運転機能など、総合的にテスラを上回るのはすぐには難しいと思いますが、テスラもつい最近まで、既存の高級車のシェアを奪うのは難しいと言われていましたから、FF社にも可能性がないわけではないでしょう。
実際、ポルシェ ミッションE、アウディ e-tronクワトロ、メルセデス・ベンツ ジェネレーションEQ、そしてジャガー I-PACEと、プレミアムブランドがコンセプトEVを相次いで発表しています。どれも市販前提の現実的なモデルばかり。伝統ある老舗がテスラを意識しまくり、反応しまくっているわけです。
つまり、つい最近まで戦いを挑む立場だったテスラですが、気づけばいつの間にかFF社のような新たなベンチャーの挑発を受け、老舗ブランドの電化の波に備えなくてはならない立場になったわけです。展開が早くないですか。だってテスラの設立は2003年ですよ。最初にクルマを市販したのは08年です。09年だったと思いますが、テスラ・ロードスターをガリバーインターナショナル(現在のIDOM)が輸入してメディアに貸し出した際、思いっきり懐疑的な気持ちで試乗したらちゃんとしてて驚いたのを覚えています。
わずか十数年の間に、できないと言われたことをいろいろやって自動車業界をかき乱し、早くも守りの立場になるなんて。このスピード感自体、テスラが持ち込んだもののひとつですが。ただ、テスラはモデルXをもってEVの高性能は証明できたとして、今度は低価格のほうへ舵を切ると同時に、自動運転技術をさらなるレベルへと引き上げようとしています。彼らに守りの意識はないのかもしれません。
FF社の映像をたまたま見て、テスラの歩みを思い出しました。ともあれ、EV全体の進化のためにも、FF社にはうまくやってテスラの直接的ライバルに成長してもらいたいです。メルセデス・ベンツにはBMWが、フェラーリにはランボルギーニが、文春には新潮が、ガッキーには長澤まさみが必要なのです、多分。というわけで、2017年以降も引き続きEVウォッチを続けていきたいと思います。
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