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スバル 新型インプレッサ 見えてきた実像をたっぷり考察 動画あり

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スバル 新型インプレッサ 見えてきた実像をたっぷり考察 動画あり

2016年7月26日、スバルは今秋に発売を予定している日本仕様の新型インプレッサを初公開した。新型インプレッサはこれまで、北米仕様だけが公開されていたが、いよいよ日本国内仕様の姿が見えてきた。

アメリカでは新型インプレッサはすでに2017年モデルとして発表されているが、日本では7月26日からWEBで特設ティザーサイトをオープン。8月上旬から全国で先行展示イベントを開始し、次いで9月から販売店で先行予約受注を開始する計画だ。発売は10月が想定されている。

新型インプレッサの開発コンセプトも、7月26日にメディア向け先行公開の場で公表された。新世代プラットフォーム(SGP)を採用した新型インプレッサは次世代スバルのクルマ造りのテーマ「人を中心としたクルマづくりを極める」を前提に、新次元の安心と愉しさを提供することが追求されたという。

インプレッサの開発責任者である阿部一博プロジェクトジェネラルマネージャー(PGM)によれば、具体的には、世界トップクラスの総合安全性能と、見て触れて運転して感じられる感動的な質感の両立で、「愛でつくるクルマがある」がコンセプトワードとなっている。なお新型インプレッサの開発は2013年3月にキックオフしたという。

■スバル・グローバル・プラットフォーム(SGP)
新型インプレッサから採用される新世代プラットフォーム「SGP」は、インプレッサを皮切りに、他のモデルにも展開される計画だ。このプラットフォームの特徴は、様々な車種に適合するフレキシブル・プラットフォームであるが、従来よりはるかに高い曲げ、ねじり剛性を実現し、低重心化されている。

またプラットフォーム、アッパーボディ全体で、車体剛性が均一化され、特定の部分にひずみが生じにくく、サスペンションメンバーなども剛性が大幅に高められている。その代表例が、フロントのサブフレームで、従来の4点止めから大型の三角形状のブレースを追加し、フロントのサスペンションメンバーの取り付け剛性は格段に向上。

前後のハブキャリアは軽量化のためにアルミ鋳造製とし、フロアパネルの厚板化、シートポジションの低下などにより、ボディ自体で低重心化させていることも注目される。

またAピラーとフロントサイドメンバーを結合する部材も一体化。骨格の負荷の大きい部分にはホットスタンプ材も配置。これは工場に新たにホットスタンプ材加工設備を導入した結果実現しているのだ。またBピラーは、北米仕様は可変差厚鋼板(テーラーロール・ブランク)を採用しているが、日本仕様には導入されていない。

■デザイン
デザイン面では、「ダイナミック&ソリッド」という新たなテーマを掲げている。新プラットフォームの採用に合わせ、プロポーション、スタンスといったクルマ全体でのたたずまいを重視した基本デザインとし、今後のスバル車のデザイン基調となるダイナミック&ソリッド、つまり塊り感とシャープなダイナミック感を盛り込んだアスリートのようなデザインとしているわけだ。

ただし、ボディ全体のフォルムは、これまでのインプレッサやWRX系と大きく変わっているわけではなく、前進したAピラー、ビッグキャビン構成というフォルムに変化はない。ただセダンのG4はより伸びやかなアーチ状のルーフラインとしてまとめられ。一方、ハッチバックのSportは従来モデルと大きな変化は感じられない。

このデザイン・コンセプトを実現するためにホイールベースは従来より25mm伸ばされ、ボディ全幅は35mm拡大された。全幅の片側17.5mm分はボディサイドの動的なキャラターラインのデザインなどに使用されている。このためボディ全幅は1775mmと、ついにグローバルCセグメントのサイズとなっているが、左右のミラー間の距離や最小回転半径は従来モデルと変わっていないという。

エクステリアのパネル間の隙間は4.5mmまで縮小し、見栄え品質を高めている。またヘッドライトのテーマである「イーグル・アイ」形状、ライト内のコの字形のLED発光、左右のライトのコの字とフロントグリル内のラインによって、水平対向エンジンのピストンとコンロッドを意味するデザインを採りいれている。なおオプションでアクティブ・ヘッドライトも設定されている。

インテリアは、今回の新型インプレッサの開発よりもっと以前のインテリア先行デザイン案を採用し、伸びやかさにインスツルメントパネルとドア部に回り込む一体感のあるデザインとしている。また開発当初から企画されていた8インチサイズの大型センターディスプレイを採用。さらにトリム類など、仕上げ、質感の向上がテーマとなっている。インスツルメントパネルやドアトリムなどはすべてソフト素材を採用し、さらにステッチを追加することでクラスの常識を破った高い質感を訴求している。

■歩行者保護エアバッグを標準装備
衝突安全性能では、従来より一段と高められた。今後10年間に各国で追加されると想定される衝突安全基準をすべてクリアできるようにしているという。そのため、キャビンを支える骨格はより強固になり、衝突時の衝撃エネルギー吸収能力は従来型の1.4倍と大幅に向上。またアメリカで行なわれるスモール・オフセット試験や、ルーフ圧壊試験に対応できるように、Aピラーの強度はより高められている。

その一方で、他国に比べ日本だけは対歩行者事故が多く、より強固になったAピラーは歩行者に対する攻撃性が高まることもあって、新型インプレッサは日本初となる全モデルが歩行者保護エアバッグを標準装備化している。歩行者保護エアバッグは、すでにボルボ、ランドローバーでも採用されているが、スバルは独自に開発しており、今回満を持しての採用だという。ボルボやランドローバーの歩行者保護エアバッグは、歩行者と衝突し、エアバッグが作動する時にはボンネット基部を火薬で跳ね上げる機構を備えているが、スバルはボンネットとフロントガラスの隙間からエアバッグを展開させるというよりシンプルな方式を採用している。

エアバッグ本体はタカタ製。フロントバンパー全周に配置される歩行者衝突検知センサーはボッシュ製、エアバッグを展開させるインフレーター(火薬)はAutoliv(オートリブ:スウェーデンのメーカー)製で、スバルが作動システムを構築している。またこの歩行者保護エアバッグの特徴はAピラー上部までカバーできるようになっており、長身の歩行者でもAピラーとの衝突にによる傷害を大幅に低減できるようになっている。



これ以外にアイサイトver3を全車標準装備とし、新世代のスバル車のテーマである世界トップレベルの総合安全性能を訴求している。

■開発テーマは「感動の質感」
見て、触れて、運転して、同乗者も含め、心揺るがす感動の質感が新型インプレッサの大きな開発テーマとされている。ここでいう質感とは、五感で感じる心地よさ、気持ちよい運動性能や乗り心地、ドライビングプレジャーなど多くの意味を含んでいるが、言葉として表現するのはなかなか難しい領域だ。

あえて言葉で表現すれば、動き出した瞬間から体感できる気持ちよさ、優れたコントロール性、振動やノイズの少ないフラットな乗り心地といったことだろうか。

こうした感覚性能は、新世代プラットフォームの採用に加えて、長年追求してきた感覚性能の工学的な追求から成り立っているという。

こうした五感の感覚に訴える質感は、グローバル市場ではCセグメントでトップレベルであることの証明となり、日本市場においてはそもそも日本製のCセグメントの存在感が薄いので、輸入車Cセグメント購入層に強くアピールする狙いがあるのだろう。


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