■幅は1.2m!
県道といえばクルマが走れるイメージがありますが、どう見てもそれが無理な道が、大分県に存在します。
徒歩2分で踏破可能 「日本一短い国道」187m、なぜ生まれた?
それは津久見市の保戸島にある、県道612号「長目中の島線」です。開通分部の全長は256m、幅は最も狭いところで1.2mしかありません。
家々の間をぬう裏路地のような印象ですが、路面には「県道612号」とラバーペイントで表示されています。この道を管理する大分県臼杵土木事務所に話を聞きました。
――県道612号は県が整備したのでしょうか?
1973(昭和48)年に県道として認定されていますが、道ができた経緯は不明です。県道は県が整備したものだけでなく、国や自治体が整備し、県に移管されるケースもありますので、おそらくはそのひとつでしょう。
――これほど狭いのは、やはり日本一なのでしょうか?
それはわかりません。たとえば県道に認定されていても未整備あるいは未改良の区間はたくさんあります。ここよりも狭いところがどこかにあるかもしれません。
――県道612号は今後、拡幅や延伸をする予定はありますか?
特にありません。
※ ※ ※
この道路ができた経緯については、津久見市役所でも「以前に調べましたが、結局わからなかった」といいます。
■ここ県道!? 島民も驚いたワケ
臼杵土木事務所がこの道に、「県道612号」の表示をしたのは3年ほど前で、管理者が県であると明示する目的だったといいます。津久見市役所保戸島支所の職員によると、この表示が当時、島民のあいだで話題になったそうです。
「この道は県道であることを島民はほとんど知らず、表示を見たときはわたしもびっくりしました。地元では、集落のなかの路地であることから“中道(なかみち)”と呼ばれている生活道路です」(津久見市役所保戸島支所)
同支所によると、クルマはおろかバイクすら通らない道だそうですが、この表示がされて以降、珍しがって写真を撮る観光客も増えたといいます。なお、クルマはおもに、集落の東側にある山のなかの市道を通るそうです。
ちなみに、大分県本土の四浦半島から海を隔てて100mほどのところに浮かぶ保戸島には、本土との架橋を望む声があるそうです。津久見市によると「具体的な計画はまだ策定されていない」そうですが、もしかしたら将来、四浦半島の突端部に通じている県道611号と、この612号が橋を介してつながるかもしれません。
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