クルマの情報を取り出し診断が可能なシステム
OBDを使った後付けメーターなどもあって、メンテ好き、メカ好きでなくても最近よく耳にするのがOBDという言葉。OBDとは「オン・ボード・ダイアイグノシス」の略で、訳せば車上診断ということになる。
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専用の診断機をクルマにつなげると、さまざまな情報が得られ、不具合がないかを見ることができるシステムを指す。もちろんこれはクルマそのものがコンピュータ制御化されたのを受けて登場してきたもの。アナログ時代なら、診断といえば五感だった。
OBDというのはアメリカ発の規格というか、名称で、1990年頃に登場してきた。この頃はコンセプトは同じでも、メーカー間では共通化されておらず、それぞれ独自の機器が必要だった。それが1995年頃に登場したOBDIIになると、コネクターや基本部分が共通化された。現在はこのOBDIIとなる。
ただ、基本部分は同じでも、メーカー毎に独自の部分があり、メーカーに対応したソフトを用意する必要はあるが、機器は共通して使えるので、さまざまなクルマをメンテする街の修理工場では利便性が上がっている。
使い方自体は簡単でインパネの下側に付いているコネクターに差して、診断機をつなげるだけ。そうすると、各部の診断を行なって、エラーが出ていないかなどを見てくれる。修理の際はまずこの診断をするのが現代流で、該当個所をさらに追っていくことになる。ただ、データはあくまでもデータに過ぎず、逆に混乱することもあるが……。
OBDを利用した後付けメーターやアプリと連携するアイテムも
最近では診断するだけでなく、さまざまなコマンドを発信する機能もある。たとえば、プリウスのブレーキフルード交換は、足でスコスコ踏むという昔ながらの方法ではなく、OBDIIの診断機にあるボタンを押すだけで、自動で交換されていく。つまり、最近のクルマの修理はOBDIIの診断機がないと話しにならないといっていい。ただ、肝心の診断機は社外品で10万円を切っているので、買いやすくはなっている。
また故障診断ではなく、情報を取りだして、表示させる後付けメーターも各社から登場しているし、汎用の発信器をコネクターに付けてWi-Fiで飛ばして、スマホに表示できるアプリなんていうのも登場してきた。
OBDIIの情報には回転数や速度だけでなく、吸気温度/水温/油音/ブースト圧など、さまざまなものが含まれ、リアルタイムで取り出せる。これらをメーターにしてやれば簡単に後付けメーターができるわけだ。
今や実用車でも各部にコンピュータが30個ぐらい付いているのは当たり前の時代。しかもそれらは通信で繋がっているので、OBDの機能向上や依存道はますます増すばかりだろう。もうOBDがないとメンテや修理もなにもできない時代といっていいだろう。
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