デザイン性や配光性にアドバンテージあり
いま確実にLEDヘッドライトが増えている。かつての多数派(いまでは少数派)になったハロゲンヘッドライトに対して発光部分での発熱を大幅に抑えたことで省電力につながる技術だ。
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というのも、ヘッドライトなどの電装系はバッテリーが蓄えた電気を使っているわけではなく、常にエンジンでジェネレーターを回して発電した電気を使っているから。電力消費が減れば、エンジンの負荷も下がるというわけ。
また電気自動車については電力消費を抑えることは航続距離を伸ばす様子であり、いずれにしても電装系の省電力化は重要な技術進化のポイントになる。とはいえ、発熱を抑えた(回路部分が熱を持つ)ことで、雪道ではヘッドライト表面に付着した氷が溶けないといった問題も出てくるが、もともと不要な季節には熱として放出していたので、そこはウォッシャーなどで対策するのもやむなしというところだろう。
しかしながら、ハロゲンタイプよりは省電力といっても、HID(ディスチャージヘッドライト)と、同等の明るさで比べると大差ないという面もある。とはいえ、LEDの進化は着実に進んでいるため、いまやHIDに対して7割程度の消費電力に抑えることも可能となっている。
※ホンダのディスチャージヘッドライト(HID)
ただし、このところの新型車がLEDヘッドライトを採用しているのは、消費電力の問題だけではない。もっとも大きいのはデザイン性だろう。複数のLEDを組み合わせるヘッドライトは形状の自由度が高いばかりか、先進的なイメージを与えることができる。ハロゲンヘッドライトの感覚では「こんなに薄目でちゃんと照射できるのか」と不安になるくらいの形状も可能になっているのだ。
さらに複数のLEDを組み合わせることで、配光性についての自由度もあがっている。たとえばマツダが採用している「アダプティブ・LED・ヘッドライト」は、ハイビームを4つのブロックにわけることで、対向車を照らすエリアだけを消灯、それ以外のエリアはハイビーム状態で照らすといったワザも可能としている。※マツダのアダプティブ・LED・ヘッドライト説明図
また、1つの光源を切り替えることでロー/ハイを照らし分けるタイプもあり、コストやデザインで使い分けているというのが現状。しばらくはLEDヘッドライトが主流になるといえそうだ。
(文:山本晋也)
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