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コンチ・バイキング・コンタクト6試乗レポート 申し分のない高速スタビリティとスノーグリップ

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コンチ・バイキング・コンタクト6試乗レポート 申し分のない高速スタビリティとスノーグリップ

非降雪エリアでもそろそろスタッドレスタイヤが必要になるタイミング。2016年11月24日に東京都心では観測史上初の積雪があり、変わりつつ環境変化を身近に感じるようになった。降雪エリアではスタッドレスへの履き替えは常識となっているものの、太平洋側、大都会などの非降雪エリアでは一年を通して夏タイヤのユーザーが圧倒的に多い。だが、突然の気象変化にもスタッドレスを装着していれば安心だ。
<レポート:高橋 明/Akira Takahashi>

■おすすめユーザー
今回試乗テストしたスタッドレスは「コンチネンタルのコンチ・バイキング・コンタクト6」というタイヤ。欧州プレミアムブランドタイヤのコンチが発売する、スタッドレスで乗用車用とSUV用を持つブランドだ。

スタッドレスに求められる性能は雪、氷上でのグリップ、制動性能はもちろんだが、このコンチ・バイキング・コンタクト6は欧州生まれだけあって、ドライの高速性能にも高い性能を持っている。

そのため、高速移動の多いユーザーにはお勧めのスタッドレスだ。北海道など、夏でも冬でも高速道路は制限速度の80~100km/hで走るのは当たり前というエリアや、北東北あたりも同様で、圧雪路を走り慣れたドライバーは、高速走行時のスタビリティへの要求を持っていることだろう。

また、東京のような非降雪地帯やスキー、スノーボードなど都心から降雪エリアに行くユーザーはドライの高速走行をする機会が多い。そうしたユーザーにもぴったりのタイヤなのだ。

■3分割構造でがっちり
では早速その構造をみてみよう。トレッドを見ると、一目瞭然でトレッドが3つのブロックに分割され、それぞれの路面状況で、効果を発揮する設計になっていることが分かる。それをコンチネンタルではDTT(Divided Tread Technology:分割されたトレッド技術)と呼んでいる。

そのためこのコンチ・バイキング・コンタクト6は回転方向の指定はないものの、インサイド、アウトサイドの指定がある。つまり、内側と外側がしっかりあり、路面状況に合わせて役割分担が決まっているのが特徴だ。この構造だとクロスでのローテーションが可能で、タイヤライフにおいても有利なポイントとなる。

さて、雪上トラクションは、トレッド内側のブロックにサイピングを数多く刻み、同時にブロック間の溝の底部に突起を設けることで雪上グリップ性能を発揮している。また、このサイプにはコンチのノウハウが投入され、雪とのコンタクト部でフリクションを作り、雪をしっかり噛む効果を生み出す。そのため駆動力もしっかりと雪面に伝わるのだ。

そしてトレッドセンター部は、氷に効く効果を狙った構造となっている。独自の3Dサイプテクノロジーが投入され、驚異のアイスグリップを発揮する。ブラックアイスなど凍結路面は北海道では定番の状況。ゴムタイヤを使ってみんなで路面を磨くことになるので、ツルツルな路面へと変化してしまう現象だ。そうなると氷上表面の水膜に乗って滑るということになる。ハイドロプレーン現象と似たようなことが低速時に起こっているわけだ。

コンチ・バイキング・コンタクト6はミクロの世界で液体層を減少させ、ワイパー効果を発揮する。また、ブロックのたわみを抑制し、有効接地エリアを確保してアイスグリップ性能を高めているのだ。このワイピング効果と有効接地面積が最大となるサイプエッジ数をバランスさせることで、凍結路での安全性を確保しているわけだ。

タイヤ外側はドライ時の性能だ。ジグソーパズルのピースのようにブロック同士が隣り合い、ドライでのコーナリング時にはブロックが接合し、横方向の剛性を確保する。そのため高いロードホールディングとコーナリンググリップ性能を発揮する。

こうしたことからもかつてスノータイヤ時代に言われた「雪道はトレッドが狭いほうがグリップする」という話は、もはや過去の話で、現代のタイヤはトレッド面積が広いほうがグリップ力は相対的に高いことが分かると思う。選択するサイズとしては標準装着する夏タイヤと同サイズがベストサイズだ。

■ESC対応のスタッドレス
もうひとつコンチ・バイキング・コンタクト6の特徴にESC対応タイヤというのを謳っている。横滑り防止装置とか、車両安定装置とか、日本語では説明されている装置だ。国内では、2018年には軽自動車を含む、新車乗用車には搭載が義務付けられている安全装置だ。

これは急なハンドル操作や滑りやすい路面を走行中に、車両の横滑りを感知するとコンピュータからの信号により、4輪に状況に合わせた制動力の信号が送られ、車両の安定性、進行方向の修正、維持をする装置。

この装置を作っているのは、同じコンチネンタルグループのオートモーティブ部門であり、ESCシステムはコンチネンタル、ボッシュ、TRWなどが世界的なサプライヤーなのだ。したがって同じグループが開発した制御システムにマッチするタイヤを開発したということは、納得の材料でもある。

■高性能である証拠
さて、コンチ・バイキング・コンタクト6は、こうしたトレッド設計だけにとどまらず、タイヤそのものを高性能、高速対応としていることも特徴だ。つまり、ロードインデックスや使用可能速度域の設定がかなり高いことがあげられる。

テスト車はスバル・レヴォーグSTIで225/45-18を履く。今回はレヴォーグの標準サイズに合わせるため、インチダウンをして215/50-17サイズを装着した。コンチ・バイキング・コンタクト6はそもそもXL(エキストラロード)規格であることも特徴で、タイヤ内部の構造を強化することでSTD(スタンダード)規格より空気圧を高めに設定できる。そのため、STDよりも高い耐荷重能力を持っているのだ。

このロードインデックス(タイヤ荷重指数)はこのサイズであれば、指数91のタイヤが多いが、このコンチ・バイキング・コンタクト6は指数95になっている。そして速度域はT指定で190km/hという高速。通常のスタッドレスはQ指定の160km/hが多い。

この意味するところは、欧州の重量級の乗用車が冬でも高速移動することに耐える性能を持たせているということだ。テスト車両のレヴォーグもSTI仕様であるため、STIの標準サイズである225/45-18はロードインデックスがこの17インチと同等であり、設定空気圧も指定どおりに設定でき、ベストサイズのチョイスと言える。

■試乗インプレッション
試乗してみると、この速度記号とロードインデックスが示すとおり、ドライの高速道路では夏タイヤとの違いを特に感じることがないほどスタビリティが高い印象だ。スタッドレスタイヤに履き替えると、高速でのふらつきやブレーキング時の頼りなさを感じたことがある人もいるだろう。そうした点では夏用のラジアルタイヤと同等の印象があるのだ。もちろんSTIのスタンダードで履く225/45-18よりはスタビリティはソフトになるが、反面乗り心地が丸くなり、逆に一年を通して履いても問題ないと感じるほどなのだ。

今回の試乗では圧雪路の高速走行はできなかった。雪道はスキー場に向かうワインディングレベルで、シャーベットから次第に圧雪路へと変化するワインディングだった。雪でのグリップは申し分なく、40km/hていどの速度であればそれほど神経質になる必要はない。馴れてくればリラックスして走行できる。

残念ながら氷上、ブラックアイスでのグリップがテストできなかった。制動だけは試してみないと分からないが、国産スタッドレスとの差があるようにも思えない印象だ。機会があれば極悪条件でも試してみたいと思う。それほど安心感があるスタッドレスだ。

最後にテスト後の印象として、やはり、高速走行のスタビリティの高さが強く印象に残り、文頭に書いたエリアである北海道、そして非降雪エリアから高速移動で降雪エリアに移動するユーザーにベストチョイスだと感じる試乗テストだった。

取材協力:矢東タイヤ 王子店
http://www.yatoh.co.jp/group/tokyo/ohpht-2.html
住所:〒115-0043 東京都北区神谷3-44-13
電話:03-5249-0810


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