現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 新しいMモデルの方向を示すBMWのスポーツモデル「M3 コンペティション Mツーリング」

ここから本文です

新しいMモデルの方向を示すBMWのスポーツモデル「M3 コンペティション Mツーリング」

掲載 2
新しいMモデルの方向を示すBMWのスポーツモデル「M3 コンペティション Mツーリング」

BMWのプレミアムコンパクトスポーツモデルを代表するモデルである、3シリーズは2022年9月に現行型へと進化した。その「3シリーズ」のツーリング(ステーションワゴン)にサーキット走行も可能なMハイパフォーマンスモデルが2023年1月に加わった。

一定条件下でハンドルからの手離し走行が可能に

アウディの電気自動車販売台数が前年比で44.3%増、パンデミックでも世界的な需要は上昇傾向

 この「M3 コンペティション Mツーリング」は、サーキット走行を可能にしながら、高性能3眼カメラと高性能プロセッサーによる解析能力の高い運転支援システムを標準で装備。高速道路での渋滞時でのハンズオフ機能付き渋滞運転支援機能が装備されている。一定条件下でのハンドルからの手離し走行が可能なモデルでもある。

 さらに、最新世代のコネクティビティーも備わっている。「OK、BMW」と話しかけると、車両の操作、目的地の設定ができるのだ。Apple CarPlayへの対応やスマートフォンで事前に検索した目的地をクルマに送信することもできる。デジタルキープラスが標準装備になったことで、スマホやスマートウォッチを持っていれば、クルマに近づくだけでロック解除も可能だし、エンジン始動もできる。

 このように、コンペティションカーとは思えないほどの機能を「M3ツーリング」は持っている。しかし、外観はかなり攻撃的だ。フロントのキドニーグリルは、縦長の大型グリルを採用し、水平方向にダブルバーを採用、大型のエアインテークも備えている。


 
 サイドはMモデル専用のフロント、リアのブリスターフェンダー、ドアミラーを装備。ダウンフォースを得るためのリアスポイラーやツインマフラーの左右2本出し、空力特性を高めるためのディフューザーが特徴だ。内装も、Mスポーツシート、Mロゴが輝くサイドシルや専用デザインのメーターパネルやハンドルのほかに、ドアシルやシートのMロゴは光りが入っている。



 パワーユニットは直列6気筒DOHCの3.0Lターボ。BMWは電気自動車も積極的に開発しているが、その一方でこうしたハイパワーのガソリンエンジンも開発し、市販車への投入を行なっている。このあたりのクルマの開発に関する考え方はドイツ車では珍しいものではなさそう。メルセデスもポルシェもアウディも新しいチャレンジをしながら、内燃機関も見捨てずに開発しているのだ。

走り好きの人のためのファミリーカー

 イグニッションオンで、直6エンジンが目覚める。8速ATをDレンジにし、スタートする。M3はセンターコンソールに「M MODE」「SET UP」というスイッチがある。これで走行パターンを選択する。



 最初は「ROAD」「COMFORT」を組み合わせてみた。SET UPの「COMFORT」はエンジン、シャーシ、ステアリング、ブレーキなどのレベルが選べる。エクゾーストノートもノーマルとスポーツが選べる。こうした設定をひとつひとつ決めていくのもオーナーの楽しみだ。かなりマニアックではあるが、それがM3の魅力のひとつといってもいいだろう。

 いよいよ、スタートする。直6、3.0Lターボは、フツーに動き出した。M3コンペティションという車名から想像するよりも、ずっとマイルドに、ATはシフトを繰り返し、車速を上げていく。Dレンジは8速ATだが、7速1200回転あたりで街中を流すように走って行く。乗り心地も若干、ゴツゴツ感や上下の大きめの動きがあるが、コンペティションマシンとは思えないほどマイルドだ。

前モデルで試乗したM3とは次元が違うマイルドさが感じられた。それでも0→100km/を計測すれば、4秒台後半で走り抜けるし、一気に7000回転まで上昇する迫力ある直6エンジンは健在ではある。でもマイルドさにちょっと拍子抜けした。見方を変えれば、それだけ日常の足としても使えるマイルドなクルマになったのだ。

 私のイメージしていた硬派の「M3」はどこに行ってしまったのか。ここでコントロールスイッチの存在を思い出した。「M MODE」を「SPORT」に。「SET UP」をすべて「SPORT」に切り替えて、再スタート。

 やや野太く、大きくなったエキゾーストノート。アクセルペダルを踏みこむと、加速感が違う。乗り心地も硬め。上下動の振動が小さい。5000回転を目安にパドルシフトすると1速40、2速65、3速で100km/hに達する。これを使いながらワインディングを走れば、若干のロールとクイックなハンドルで、小気味よいスポーツコーナリングが楽しめる。これが、イメージしていたM3コンペティションだ。

 でも、コンペティション・ツーリングということに気が付いた。後席のうしろには荷室がある。荷室のサブトランクには、アニマルネットも標準装備されている。リアゲートのウインドも、それだけで開閉するようになっている。ファミリー+ペットでの旅に行くためのツーリングモデルでもあるのだ。

 だから、ノーマルモードでは誰もがハンドルを握っても、平和にドライブできるセッティングなのだ。一家+ペットで旅先のホテルにチェックイン。家族が温泉や娯楽施設で楽しんでいるひと時に、M3コンペティションツーリングのモードを「SPORT」にして、一人でワインディングを楽しむ。そういう走り好きの人のためのファミリーカーが、いまのM3コンペティションツーリングなのだ。家族思いで懐に1398万円の余裕がある人に勧めたいスーパーファミリーワゴンだ。

■関連情報
https://www.bmw.co.jp/ja/all-models/m-series/m3-touring/2022/bmw-3-series-touring-m-automobiles-overview.html#tab-0

取材・文/石川真禧照 撮影/萩原文博

こんな記事も読まれています

昭和だなぁ……としかいいようがない! かつて公道で子どもが普通にやっていた危険な行為4選
昭和だなぁ……としかいいようがない! かつて公道で子どもが普通にやっていた危険な行為4選
WEB CARTOP
[15秒でわかる]日産『タウンスター・エバリア』…新型ミニバンを欧州発表
[15秒でわかる]日産『タウンスター・エバリア』…新型ミニバンを欧州発表
レスポンス
【世界一豪華なオークション】RMサザビーズ モナコオークション その2 イタリア車編 アルファ、ランチア、ランボ&フェラーリ!
【世界一豪華なオークション】RMサザビーズ モナコオークション その2 イタリア車編 アルファ、ランチア、ランボ&フェラーリ!
AutoBild Japan
出口”通り過ぎた! もし高速道「インター」間違えたらどうする!? 意外と知らない「救済」措置とは
出口”通り過ぎた! もし高速道「インター」間違えたらどうする!? 意外と知らない「救済」措置とは
くるまのニュース
「トゥクトゥク通学」学生の問題意識から生まれたレンタルサービス、実証試験を開始
「トゥクトゥク通学」学生の問題意識から生まれたレンタルサービス、実証試験を開始
レスポンス
【セミナー見逃し配信】※プレミアム会員限定「中国EVはなぜ脅威なのか」北京モーターショーで見た中国国産EVの今と未来
【セミナー見逃し配信】※プレミアム会員限定「中国EVはなぜ脅威なのか」北京モーターショーで見た中国国産EVの今と未来
レスポンス
キャンプ感あふれるクルマこそ、ファミリーカーに向いている、という説
キャンプ感あふれるクルマこそ、ファミリーカーに向いている、という説
レスポンス
まるでタクシーレプリカのようなクルマの正体は!? タイでライドシェアに「行灯のないタクシー」が使われる事情
まるでタクシーレプリカのようなクルマの正体は!? タイでライドシェアに「行灯のないタクシー」が使われる事情
WEB CARTOP
日産 新型「ノートSUV」世界初公開へ! 新・精悍グリルに反響も! 新型「ノート“クロスオーバー”」間もなく発表
日産 新型「ノートSUV」世界初公開へ! 新・精悍グリルに反響も! 新型「ノート“クロスオーバー”」間もなく発表
くるまのニュース
乗り味もクラシック! 現代によみがえる“サンパン”は見掛け倒しじゃないぞ!! ロイヤルエンフィールド「クラシック350」試乗
乗り味もクラシック! 現代によみがえる“サンパン”は見掛け倒しじゃないぞ!! ロイヤルエンフィールド「クラシック350」試乗
バイクのニュース
フェラーリ代表、ニューウェイ獲得交渉の状況明かさず。「長期的な話もしているが、今はチームのメンバーを信頼している」
フェラーリ代表、ニューウェイ獲得交渉の状況明かさず。「長期的な話もしているが、今はチームのメンバーを信頼している」
motorsport.com 日本版
街乗りでも効果絶大! アライメント調整で車の走行性能をアップさせる方法~カスタムHOW TO~
街乗りでも効果絶大! アライメント調整で車の走行性能をアップさせる方法~カスタムHOW TO~
レスポンス
マツダスピリット レーシング RS【1分で読める国産車解説/2024年最新版】
マツダスピリット レーシング RS【1分で読める国産車解説/2024年最新版】
Webモーターマガジン
6月2日はもてぎに集まれ! サーキットツーリングもできる「HondaGO BIKE MEETING 2024」実施コンテンツの全貌が明らかに
6月2日はもてぎに集まれ! サーキットツーリングもできる「HondaGO BIKE MEETING 2024」実施コンテンツの全貌が明らかに
WEBヤングマシン
【私の相棒・愛車自慢】MINIは一度は乗っておくべきクルマといいつつ、決め手は妻の好みでした。by 岡本幸一郎
【私の相棒・愛車自慢】MINIは一度は乗っておくべきクルマといいつつ、決め手は妻の好みでした。by 岡本幸一郎
カー・アンド・ドライバー
スバル新型「最上級SUV」発表! 約800万円の「新モデル」に反響多数!? 全身オシャブルーな「アウトバック プラチナクロス」独に登場
スバル新型「最上級SUV」発表! 約800万円の「新モデル」に反響多数!? 全身オシャブルーな「アウトバック プラチナクロス」独に登場
くるまのニュース
VW新型「ゴルフGTI」欧州で先行販売開始 光る“VWバッジ”初採用!20馬力アップの265馬力となった新型の気になる価格とは
VW新型「ゴルフGTI」欧州で先行販売開始 光る“VWバッジ”初採用!20馬力アップの265馬力となった新型の気になる価格とは
VAGUE
「おいおい、勘弁してくれ…」車に血痕、突然過ぎて気持ち悪い。一体なぜ?
「おいおい、勘弁してくれ…」車に血痕、突然過ぎて気持ち悪い。一体なぜ?
月刊自家用車WEB

みんなのコメント

2件
  • dre********
    一昔はMシリーズに凄く興味があったが、近年のBMは壊れる、燃える、
    中古市場に有余っている現状を見ると、完成度に余り期待が持てない。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

1398.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

1405.01630.0万円

中古車を検索
M3 ツーリングの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

1398.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

1405.01630.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村