現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > SUVの車格とミニバン並の広さを誇る新型EV ルノー「セニック」初公開 新時代のファミリーカー目指す

ここから本文です

SUVの車格とミニバン並の広さを誇る新型EV ルノー「セニック」初公開 新時代のファミリーカー目指す

掲載 4
SUVの車格とミニバン並の広さを誇る新型EV ルノー「セニック」初公開 新時代のファミリーカー目指す

新しい形のファミリーカー

ルノーは9月4日、ドイツ・ミュンヘンで開幕した国際モーターショー「IAAモビリティ2023」において、新型電動SUVのセニックEテック・エレクトリックを公開した。SUVのスタイルとミニバンに匹敵する室内空間を併せ持つ「新しい形のファミリーカー」を目指したと、開発者は語っている。

【画像】新時代のファミリーカーを標榜する電動SUV【ルノー・メガーヌEテック・エレクトリックを兄弟車の日産アリアと写真で比較する】 全55枚

新型セニックEテック・エレクトリックは、ルノーのEVラインナップの中でメガーヌEテック・エレクトリックの上に位置するミドルクラスSUVである。1996年から2022年まで「セニック」の名を受け継いできたミニバンとは大きく異なるモデルだが、家族中心の価値観(特に室内空間の最大化と安全性に重点)は受け継がれているという。

メガーヌや日産アリアにも採用されているCMF-EVプラットフォームをベースとし、ホイールベースと全高という2つのポイントを中心に設計された。

エクステリアデザインは昨年公開されたコンセプトモデルに近く、曲線的なボディワークとシャープなキャラクターライン、そして「ハイテク」な印象を与えるデザイン要素をミックスした、ルノーの新しい「ビジュアル言語」を採用している。

ダイヤモンドをモチーフにしたパネルに縦長のブランドエンブレムが置かれ、左右にはメガーヌと同様のデイタイムランニングライトが配されている。

ボディサイズは全長4470mm、全高1571mm、ホイールベース2780mm。アリアよりわずかに短いが、ホイールベースは比較的長いため室内空間が広く、レッグルーム278mm、後席ヘッドルーム884mmとされている。

12.3インチのデジタル・ドライバー・ディスプレイと12.0インチの縦型センタータッチスクリーンが備わり、グーグルベースのインフォテインメント・システム「OpenR Link」を搭載する。

ファミリーカーらしく、室内にはフロントの大型オープンセンターコンソールをはじめ、多数の収納スペースが設けられている。後部の折り畳み式センターアームレストには、2つのカップホルダー、2台のスマートフォンまたは1台のタブレットを収納できるスタンド、2つのUSBポートが内蔵されている。ラゲッジスペースは545Lあり、リアシートを畳むと1670Lまで拡大できる。

サンゴバン社と共同開発した「ソーラーベイ」パノラマルーフもオプションで設定される。PDLC(Polymer Dispersed Liquid Crystals:高分子分散型液晶)と電界を利用しており、スイッチ1つで透明・透明度を変更できるほか、場所に応じて異なるレベルの光量を得ることができる。

1回の充電での航続距離は620km以上

セニックEテック・エレクトリックには2種類のバッテリーが用意され、いずれも前輪駆動となる。スタンダードレンジモデルには、最高出力170psのモーターと60kWh(NET)のバッテリーが組み合わされ、0-100km/h加速9.3秒、最高速度150km/h、航続距離は420kmと謳われている。

ハイレンジモデルでは、最高出力218psのモーターと87kWh(NET)のバッテリーを搭載し、航続距離を最長620kmに伸ばすとともに、最高速度を170km/hに引き上げ、0-100km/h加速のタイムを0.9秒短縮する。

どちらのバッテリーもLG化学のニッケル・マンガン・コバルト技術を使用しており、メガーヌに搭載のユニットよりもエネルギー密度が6%高いとされる。

また、プリコンディショニング機能を見直し、バッテリーの最適動作温度を下げた。特筆すべきは、メガーヌとは異なり、ヒートポンプが全車に標準装備されることだ。回生ブレーキのレベルは4段階に設定される。

スタンダードレンジモデルは最大130kWの急速充電が可能で、ハイレンジモデルでは150kWまで対応する。車載AC充電器は7kWまたは22kWから選択できる。

内外装にはリサイクル素材を多用

ルノーによると、ドアとボンネットにリサイクルアルミニウムを最大80%使用するなど、全体の素材の最大24%がリサイクルされているという。コックピットは26%が再生プラスチックで、ダッシュボードは約80%がリサイクルされている。廃車後はバッテリーを含め、車体の90%をリサイクルすることを目指している。

また、ルノーは2025年までにレザーの使用を全廃する目標を掲げている。ステアリングホイールには、バイオ由来素材を51%使用したグレイン加工ファブリックが採用される。「エスプリ・アルピーヌ」仕様では、再生ペットボトル80%、廃シートベルト20%から作られるファブリックが使用される。

セニックEテック・エレクトリックは、ルノーの「ElectriCity」ネットワークの中心にあるフランスのドゥエで生産される。価格は未確認だが、テスラ・モデルYなどの主要なライバルを下回る見込み。

ルノーブランドのCEOであるファブリス・カンボリーヴ氏は、セニックEテック・エレクトリックの発表会で、EVは依然として「一部の幸せな人々の手の届くところにある」と述べた。その結果、「アーリーアダプター向けの製品で興奮を生み出すことが課題」となっているという。

しかし、「今は第2段階に入り、大衆にEVを普及させる時です」とし、「製品によって人々に妥協を強いるようなことがあってはならない」と述べた。また、「欧州の消費者にとって適切なパッケージ」となるよう、一から設計されたという。

「EVをすべての人のための製品にしましょう」とカンボリーヴCEOは誓った。

初代ルノー・セニックは、1991年のフランクフルト・モーターショーでコンセプトモデルとして披露された。そのため、同じくドイツ国内で開催されたIAAモビリティ2023は、セニックEテック・エレクトリックの発表の場にふさわしいとカンボリーヴCEOは言う。

「このコンセプトはファミリーカーを近代化させました。ファミリーカーは外見こそコンパクトでも、室内は広々としていて非常に快適であることを示したのです」

セニックは1996年に市販車となり、それ以来530万台以上が販売された。カンボリーヴCEOによると、現在も200万台以上が世界の道路を走っているという。

デザイン部門ディレクター、アグネタ・ダールグレン=ヘルミーネ氏に独占インタビュー

――なぜセニックという名称を使うのですか?

「家族のニーズに合わせたルノーのファミリーカーです。今、多くの人が車高の高いクルマを求めていますし、先代のセニックもそうでした。フロントガラスの位置が(SUVのように)もっと後ろに押し出されているだけなんです」

「本来の意味でのSUVではなく、ボンネットは長いし、最低地上高も高くありません。ハッチバックとSUVとMPV(ミニバン)の中間のようなものです。室内空間もさらに広くなっています」

――リサイクル素材を使うのは大変でしたか?

「それほど難しくはありません。わたし達が長い間取り組んできたことであり、ゾエ(欧州向けの小型EV)にもリサイクル素材を使用しています。セニックが完全なEVになったことで、リサイクル素材でトップに立つ必要があると考えました。わたし達はサプライヤーと協力し、ソリューションを推し進めてきました」

――デザインチーフのジル・ヴィダル氏がクロームメッキパーツの廃止を示唆しましたが、なぜこのクルマにはまだクロームメッキが使われているのでしょうか?

「クロームメッキを使用しているのはほんの一部で、そのほとんどがインテリアです。わたし達デザイナーは簡単に取り除くことができると考えていますが、それよりも重要なのは、お客様の準備ができているかどうかということです。わたしにはわかりません。でも、このクルマにレザーが使われていないのは大きな一歩です」

こんな記事も読まれています

「丸」と「四角」で冷え方に差が出る? エアコンの吹き出し口の形って性能的にはどっちがいいの?
「丸」と「四角」で冷え方に差が出る? エアコンの吹き出し口の形って性能的にはどっちがいいの?
ベストカーWeb
STANLEY牧野任祐、SF初優勝で迎えるGT鈴鹿戦と改めて振り返る苦労「肩の荷がちょっと降りた」
STANLEY牧野任祐、SF初優勝で迎えるGT鈴鹿戦と改めて振り返る苦労「肩の荷がちょっと降りた」
AUTOSPORT web
選手権首位のヌービルが最速。WRCイタリアのシェイクダウンはヒョンデ1-2にオジエが続く
選手権首位のヌービルが最速。WRCイタリアのシェイクダウンはヒョンデ1-2にオジエが続く
AUTOSPORT web
序盤戦ラスト、スーパーGT第3戦鈴鹿のGT500ウイナー&PPを編集担当スタッフがガチ予想
序盤戦ラスト、スーパーGT第3戦鈴鹿のGT500ウイナー&PPを編集担当スタッフがガチ予想
AUTOSPORT web
横っ腹にロゴが入ってるとちょい嬉しかった……なぜ[ツイン]は大人気だったのか?
横っ腹にロゴが入ってるとちょい嬉しかった……なぜ[ツイン]は大人気だったのか?
ベストカーWeb
映画『バグダッド・カフェ』の「聖地」は現在復旧中! ルート66ファンならぜひとも観るべき名作です【ルート66旅_54】
映画『バグダッド・カフェ』の「聖地」は現在復旧中! ルート66ファンならぜひとも観るべき名作です【ルート66旅_54】
Auto Messe Web
王者ノルベルト・キスが圧巻のパーフェクト発進。両日ポールから4戦4勝の完全制覇/ETRC開幕戦
王者ノルベルト・キスが圧巻のパーフェクト発進。両日ポールから4戦4勝の完全制覇/ETRC開幕戦
AUTOSPORT web
スーパーGTスポーティングレギュレーションに小変更。GT300のサクセスウエイト上限値が50kgに
スーパーGTスポーティングレギュレーションに小変更。GT300のサクセスウエイト上限値が50kgに
AUTOSPORT web
四輪駆動の極上クーペ誕生! 最新 BMW M4 CSへ試乗 直6はCSLと同じ550ps 充足感が半端ない
四輪駆動の極上クーペ誕生! 最新 BMW M4 CSへ試乗 直6はCSLと同じ550ps 充足感が半端ない
AUTOCAR JAPAN
「ホンダ/無限」が「OAM2024」人気ブースコンテスト特別賞受賞!「Honda DNA」がしっかり来場者に伝わっていました
「ホンダ/無限」が「OAM2024」人気ブースコンテスト特別賞受賞!「Honda DNA」がしっかり来場者に伝わっていました
Auto Messe Web
バニャイヤ、課題のスプリントで今季初勝利。2位にマルク・マルケス|MotoGPイタリアGP
バニャイヤ、課題のスプリントで今季初勝利。2位にマルク・マルケス|MotoGPイタリアGP
motorsport.com 日本版
日産が「下請法違反勧告後も不適切な取引継続」報道に対する外部調査結果を公表
日産が「下請法違反勧告後も不適切な取引継続」報道に対する外部調査結果を公表
レスポンス
ミキティ、スマホでポチ買いした1400万超の「超高級車」を採点! 気になる点数は? 搭載される「斬新ド派手ドア」の開閉に「天才!」「未来的」の声も
ミキティ、スマホでポチ買いした1400万超の「超高級車」を採点! 気になる点数は? 搭載される「斬新ド派手ドア」の開閉に「天才!」「未来的」の声も
くるまのニュース
VWベストセラー商用車 新型「T7」トランスポーターは約620万円から ディーゼル、PHEV、EVを導入
VWベストセラー商用車 新型「T7」トランスポーターは約620万円から ディーゼル、PHEV、EVを導入
AUTOCAR JAPAN
ベントレーがワンちゃんの祭典をサポート!?「グッドウッド」ならぬ「グッドウッフ」で「ベンテイガ肉球フォトブース」とは?
ベントレーがワンちゃんの祭典をサポート!?「グッドウッド」ならぬ「グッドウッフ」で「ベンテイガ肉球フォトブース」とは?
Auto Messe Web
ピレリ、フェラーリと実施のF1タイヤテストに満足。冬場にできなった雨用タイヤの開発プログラムが前進
ピレリ、フェラーリと実施のF1タイヤテストに満足。冬場にできなった雨用タイヤの開発プログラムが前進
AUTOSPORT web
Moto2イタリア予選|ジョー・ロバーツが今季初ポール獲得。前戦ウイナーの小椋藍は12番手
Moto2イタリア予選|ジョー・ロバーツが今季初ポール獲得。前戦ウイナーの小椋藍は12番手
motorsport.com 日本版
【青山にレーシングカー出現】 アストン マーティン・ヴァンテージGT3 GTを戦う現役マシン
【青山にレーシングカー出現】 アストン マーティン・ヴァンテージGT3 GTを戦う現役マシン
AUTOCAR JAPAN

みんなのコメント

4件
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

261.5282.5万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

-万円

中古車を検索
セニックの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

261.5282.5万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

-万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村