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インプ B22 STiを現代技術で復刻 プロドライブP25へ試乗 2.5Lフラット4で405ps以上 前編

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インプ B22 STiを現代技術で復刻 プロドライブP25へ試乗 2.5Lフラット4で405ps以上 前編

424台限定の22B STiを現代技術で再現

チタン製エグゾーストから放たれる排気音が、プロドライブP25の接近を告げる。姿が見える前から、ドドドという唸りが空にこだまする。かなりの馬力を発揮していることを想像するのに、不足ない音量だ。

【画像】インプ B22を現代技術で復刻 プロドライブP25 蘇るラリーレジェンドはほかにも 全121枚

生粋のラリーマシンとして電光石火での変速を叶えるため、エンジンの点火が瞬間的に絶たれる。特徴的な破裂音が響き、お目当てのクルマが間近だという確信を抱く。

程なくして、1998年式スバル・インプレッサ 22B STiの姿を再現した、ブルーのP25が現れた。カチカチと、熱せられたエグゾーストが鳴いている。

ここまでステアリングホイールを握ってきたのは、プロドライブ社を創業し、現在の会長を務めるデビッド・リチャーズ氏。P25は最終調整の段階にあり、まもなく顧客への納車が始まるらしい。

筆者が待ち合わせしたのは、グレートブリテン島の南西部、コッツウォルズ。ザ・フォックス・アット・オディントンという小洒落たパブでランチをとってから、シェイクダウンを兼ねた試乗を楽しませてもらう予定にある。

約1年半前、同社は初代インプレッサ 22B STiをアップデートして復刻させる計画を発表した。オリジナルは、世界ラリー選手権でスバルがマニュファクチャラーズ・タイトルを3年連続で獲得したことを記念し、1998年に提供された限定モデルだ。

ラインオフしたのは、424台だといわれている。そのうち、400台は日本で販売された。英国には16台しか輸出されなかった。翌日には完売したという逸話もある。

英国価格は約9660万円 車重は約1200kg

近年の日本車ブームも相まって、インプレッサ 22B STiはオークションで高騰。20万ポンド(約3500万円)以上という高値で落札される現状を知ったリチャーズは、インプレッサ WRXのシャシーをベースに、25台の復刻版を作るという考えを実行に移した。

オリジナルの22B STiの哲学を忠実に守りつつ、プロドライブが有する最新技術を展開。エンジンやブレーキ、サスペンション、インテリアなど、すべてを高い水準で仕上げるというプロジェクトは、もうすぐ完了する。

価格は驚くほどお高く、税別で46万ポンド(約8050万円)。英国では、税込みで55万2000ポンド(約9660万円)に達する。2ドアのインプレッサの復刻版がこの価格で売れるのか、という疑問を抱きそうになるが、心配はご無用。既に完売している。

プロドライブは、インプレッサ WRX用スチール製モノコックをベースに、各部を強化。ドア以外のボディパネルは、自社工場で仕上げられたカーボンファイバー製へ置き換えられる。

現代的なユーザーを満足させる追加装備と、上質な内装を得ていながら、車重は約1200kg。オリジナルの22B STiより50kgほど軽く仕上がっている。

エンジンは、スバルの水平対向4気筒ターボ。北米仕様だった2.5Lユニットがベースで、可変バルブタイミング機構が組まれている。ちなみにオリジナルには、2.2LのEJ22G型が載っていた。

最高出力405ps以上 最大トルク60.9kg-m以上

シリンダーライナーとピストン、コンロッドなど、内部部品は専用品。ターボは大径のギャレット社製が組まれ、チタンとインコネル、ステンレスなどを用いた独自のエグゾースト・システムも与えられている。

オリジナルの22B STiでは、最高出力は280psだとスバルは公表していた。しかし、納車されたクルマを民間のテスト機関で計測したところ、300馬力以上は出ていたとか。

2.5LエンジンのP25の最高出力は、405ps以上。最大トルクは60.9kg-mにも達する。軽量化も貢献し、パワーウエイトレシオは335ps/t以上となる。現代の600馬力級のスーパーカーに並ぶ動力性能といっていい。

トランスミッションは、ラリーでも問題なく使える独自開発の6速シーケンシャル。エンジンとの統合を図る電子制御システムも、専用に開発されている。

従来のシンクロメッシュ付きマニュアル・トランスミッションでは、エンジンが鋭敏なため、フルスロットルでの発進時は1秒以内に1速から2速へシフトアップする必要があるとか。そうしないと、レブリミッターに当たってしまう。

プロドライブによるシーケンシャル6速ドグミッションは、盛大にメカノイズを放つ。ギアの噛みつきもかなりタイト。しかし、機能的なローンチコントロールと連動しており、機能させれば自動的に1速で6000rpmへ当たる直前に、2速へ変速される。

操作も簡単。静止時にローンチボタンを押し、ブレーキペダルと一緒にアクセルペダルを踏み込み、ブレーキペダルを緩めるだけだ。

0-100km/h加速3.5秒を簡単に体験できる

全力ダッシュ時のホイールスピンは、ほぼ皆無。トラクションはしっかり監視され、シフトアップのタイミングに寸分の狂いはない。0-100km/h加速3.5秒という能力を、運転技術を問わず体験できる。

ドライバーによる変速は、ステアリングホイールの右側奥に据えられた大きなシフトパドルで。手前に引くとシフトアップ、押すとシフトダウン。もちろん素早く反応する。

ドグミッションの先には、センターデフ付きの四輪駆動システムが構えている。トルクの前後の分配率は、システムにお任せすることもできるし、ドライバー自ら調整することもできる。リミテッドスリップ・デフが両アクスルに組まれている。

ハンサムなアルミホイールは19インチ。他のレプリカと差別化するため、ゴールドではなく、シックなチタン・カラーで染められている。タイヤはブリヂストン・ポテンザで、サイズは235/35を履く。

細身のスポーク越しに、APレーシング社の巨大なブレーキが鈍く光る。競技へ熱心な人のために、アシストなしで機能させることも可能だという。

ランチを終えて駐車場の前で写真撮影していると、余りのうるささにパブのマネージャーが表へ出てきた。注意されるかと思ったが、ブルーのインプレッサだと知ると、表情は笑顔に転じた。

この続きは後編にて。

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