現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > トヨタ「GR86」とスバル「BRZ」がそれぞれ「良いクルマ」を目指したら、驚くほど似た味付けになってしまいました

ここから本文です

トヨタ「GR86」とスバル「BRZ」がそれぞれ「良いクルマ」を目指したら、驚くほど似た味付けになってしまいました

掲載 17
トヨタ「GR86」とスバル「BRZ」がそれぞれ「良いクルマ」を目指したら、驚くほど似た味付けになってしまいました

着目すべきポイントは新たな“味”の提案である

スバル「BRZ」はアプライドCになってMTにもアイサイトが装着されるようになりました。ただ今回の一部改良/C型へのアップデートはそれだけではありません。大きなポイントは、それぞれの乗り味の変更とBRZの新グレードの追加です。最新モデルとなった両車の魅力を山本シンヤさんが語ります。その評価はいかに?

「GR86」&「BRZ」がシャープな目つきにグレードアップ! ヴァレンティから最新機能満載のヘッドライトが登場しました〈PR〉

(初出:XaCAR 86&BRZ magazine Vol.043)

MTにもアイサイトが標準装備されたのが大きなニュースだ

共同開発モデルでありながら、初代以上に走りの“独自性”が与えられているGR86とスバルBRZ。前回の改良(B型)は微々たる変更だったが、今回(C型)はMTモデルへのアイサイト搭載が大きなニュースとなっている。MT用アイサイトはAT用に対して誤発進/誤後進抑制機能や後退時ブレーキアシスト機能の非採用、アダプティブクルーズコントロール(ACC)は2~6速かつ30km/h以上で作動、プリクラッシュブレーキ(PCB)作動時のブレーキ保持が約3秒といった機能差はあるが、プロドライバー並みの滑らかでシームレスなACC制御、誤作動なく「絶対に止まる」と思えるPCBの信頼性などを含めて、アイサイトの名に偽りなしの性能だ。

変更項目のおさらいをしておくと、GR86はスロットル/VSCの制御変更に加えて、初代にも採用されたZF(SACHS)製ダンパー&ブレンボブレーキをオプション設定する。スバルBRZは専用内外装に加えて、フロントに日立アステモ製SFRDダンパーの専用サス&ブレンボブレーキを標準設定した新グレード「STIスポーツ」を追加設定。オプションと新グレード、考え方は異なるものの、共通するのはベース車に加えて、新たな“味”の提案だ。

GR86とBRZそれぞれのアプローチが違うので、選ぶ楽しさが増したと言える

まずはGR86だ。パワートレインはメリハリのあるスロットル設定が特徴だったが、それが故に「日常域での微細なアクセルコントロールが難しい」という声も。そこで新型はリニアな特性(といってもBRZよりはメリハリはある)に変更。乗り比べると豪快さは若干薄れた感じはあるが、懸案のコントロール性改善に加えて、エンジンの伸び感が増した印象を受けた。

VSC変更は公道試乗のため試していないが、制御をより安心/安全方向(=より早いタイミングで介入)に変更。OFF/トラックモードを持つからこそ、VSCとしての機能をより明確にしている。安心・安全という意味では正しい方向だ。

走りの変更はどうか? ベース車に対して雑味が取れて、よりスッキリしたステア系と操舵に対するノーズの入り方にいい意味で“間”がプラス。それに加えてより4輪で曲がる感覚が強められたことで、FRスポーツカーを強調したメリハリがあるハンドリングとなり、「心地よいダルさ」がプラスされた印象だ。

乗り心地はカドが取れたマイルドな入力とストローク感がプラス。スポーツカーらしい引き締まった乗り心地ながら乗員が揺さぶられにくくなっており、結果として快適性はアップしていると感じた。ブレンボブレーキはカチッとしたタッチや応答性の良さ、踏力コントロールのしやすさ(特に抜き側)が印象的で、日常域でも安心を実感した。

追加されたSTIスポーツグレードは、トータルコーディネイトが光る

続いてBRZである。STIスポーツは、先代も設定されていたフラッグシップグレードで、スバル/STI社共同開発の量産コンプリートカーという位置付けになっている。そのため、走りだけでなく見た目も含めたトータルコーディネイトが特徴だ。

エクステリアはチェリーレッドのワンポイントやダークメタリック塗装のアルミホイール、インテリアはボルドー/ブラックのカラーコーデと専用ダークキャストメタリック加飾などを採用。さり気ない変更ながらも、解る人には解る“個性”と“特別感”がプラスされている。

走りの部分は、もともとBRZが持っていた滑らかさに加えて接地感がより高められたステア系、連続性を損うことなくよりシャープになったノーズの入りとよりドッシリ感が増したリアとのバランス、そして後輪の蹴り出し感など、スポーツカーながらもGT性能を重視していたベース車のハンドリングに「FRらしさ」がプラスされた印象である。ブレンボブレーキはGR86と同じ印象だが、実はゴールドのキャリパーはGDB「インプレッサWRX STI」以来のコーディネイト。懐かしさを覚えるスバリストもいるはず。

乗り心地は入力が丸いだけでなく「スーッ」と吸収するいなしの効いた減衰感で、快適なだけでなく動的質感も増していると感じられた。ちなみにSTIスポーツはアルミ製ナックルから鋳鉄製に変更されているが、走りの印象から振動伝達や吸収になどにも効いていると予想する。

GR86に「BRZらしさ」、逆にBRZには「GR86らしさ」がプラスされた

このようにC型に進化した2台を同じ場所・同じ道・同じ条件で乗り比べて解った事は、GR86に「BRZらしさ」、逆にBRZには「GR86らしさ」が上手にプラスされているという事。ただ、GR86はオプション設定にすることで「新たな乗り味の選択肢を気軽に提供」、BRZは新グレードならではの「走りの純度アップ」と、考え方や手法が異なるのは面白い部分でもある。

誤解してほしくないのは、お互いが歩み寄ったのではなく「新たなフレーバーの対案」である事だ。その証拠にベース車は従来と変わらないセットアップのまま。今っぽい言い方をすれば“多様性”のニーズに対する対応と言えるだろう。個人的にはクルマとしての“まとまり”という意味ではBRZ STIスポーツの仕上がりが上だと思う。ただ、GR86はダンパー変更のみでここまで味付けが変わるのなら、1台のモデルとしての提案(=GRスポーツ)も見てみたい所である。

関連タグ

【キャンペーン】マイカー・車検月の登録でガソリン・軽油7円/L引きクーポンが全員貰える!

こんな記事も読まれています

後悔しないグレードの選び方教えます! 人気モデル、ベストバイ指南【スバル・レヴォーグ/レヴォーグレイバック編】
後悔しないグレードの選び方教えます! 人気モデル、ベストバイ指南【スバル・レヴォーグ/レヴォーグレイバック編】
月刊自家用車WEB
初期型から即決で乗り換えた日産R35「GT-R」は、2年間だけ設定された希少グレード! しかも開発ドライバーが所有した個体でした
初期型から即決で乗り換えた日産R35「GT-R」は、2年間だけ設定された希少グレード! しかも開発ドライバーが所有した個体でした
Auto Messe Web
751馬力! BMW「XM」をACシュニッツァーがカスタマイズ。史上最強のMに挑みました
751馬力! BMW「XM」をACシュニッツァーがカスタマイズ。史上最強のMに挑みました
Auto Messe Web
「レンジローバー スポーツSV」はBMW M製V8ツインターボを搭載! エンジン屋「X5M/X6M」「M5」の強心臓とのマッチングはいかに
「レンジローバー スポーツSV」はBMW M製V8ツインターボを搭載! エンジン屋「X5M/X6M」「M5」の強心臓とのマッチングはいかに
Auto Messe Web
19歳女子レーサーが日野「コンテッサ」に乗ってみた!「中回転域からRRのダイレクト感が強くなって楽しい!」【令和女子旧車に乗る】
19歳女子レーサーが日野「コンテッサ」に乗ってみた!「中回転域からRRのダイレクト感が強くなって楽しい!」【令和女子旧車に乗る】
Auto Messe Web
9年目の大アプデで一層楽しい! マツダ・ロードスターへ英国試乗 新LSDとトラック・モード獲得
9年目の大アプデで一層楽しい! マツダ・ロードスターへ英国試乗 新LSDとトラック・モード獲得
AUTOCAR JAPAN
新型「Eクラス」のPHEVは、バーゲンプライスの998万円から。メルセデス・ベンツの本気がうかがえる「Sクラス」級の走りとは
新型「Eクラス」のPHEVは、バーゲンプライスの998万円から。メルセデス・ベンツの本気がうかがえる「Sクラス」級の走りとは
Auto Messe Web
スピンしまくる2代目トヨタ[MR2]は危ないクルマだった!? 2026年に復活するって本当なの!?
スピンしまくる2代目トヨタ[MR2]は危ないクルマだった!? 2026年に復活するって本当なの!?
ベストカーWeb
日産「ハコスカGT-R」の神話は傑作パワーユニット抜きには語れない! レースで勝つために磨かれた「S20型エンジン」の真実
日産「ハコスカGT-R」の神話は傑作パワーユニット抜きには語れない! レースで勝つために磨かれた「S20型エンジン」の真実
Auto Messe Web
電気自動車かと誤解する「進化した走り」の実力とは? レクサスの小型ハイブリッドSUV「UX300h」は驚異的にスムーズかつ静かで快適です
電気自動車かと誤解する「進化した走り」の実力とは? レクサスの小型ハイブリッドSUV「UX300h」は驚異的にスムーズかつ静かで快適です
VAGUE
2024年版 「速い+快適」な高級スーパースポーツカー 10選 日常使いもできる高性能モデル
2024年版 「速い+快適」な高級スーパースポーツカー 10選 日常使いもできる高性能モデル
AUTOCAR JAPAN
アンダー200万円! スズキが5速MT搭載の「スポーティハッチ」発売! 新型「スイフト」何がいい?
アンダー200万円! スズキが5速MT搭載の「スポーティハッチ」発売! 新型「スイフト」何がいい?
くるまのニュース
日産R35「GT-R」用新作バンパーを開発! 老舗ショップ「トップシークレット」がMY24「ニスモ」をリスペクトした逸品です
日産R35「GT-R」用新作バンパーを開発! 老舗ショップ「トップシークレット」がMY24「ニスモ」をリスペクトした逸品です
Auto Messe Web
幻の「ケンメリGT-Rレーシング」を「スカイライン」で再現! メインステージは「もちろん富士スピードウェイです」
幻の「ケンメリGT-Rレーシング」を「スカイライン」で再現! メインステージは「もちろん富士スピードウェイです」
Auto Messe Web
スバルの「新型SUV」実車公開! タフ顔&上質内装に進化に「これは買う」など興奮の声も 全面刷新の「フォレスター」NY登場
スバルの「新型SUV」実車公開! タフ顔&上質内装に進化に「これは買う」など興奮の声も 全面刷新の「フォレスター」NY登場
くるまのニュース
チョーお得!? ボルボの最小5ドア V40試乗プレイバック ゴルフ Aクラス レクサスCT200hと渡り合う実力はあるか?
チョーお得!? ボルボの最小5ドア V40試乗プレイバック ゴルフ Aクラス レクサスCT200hと渡り合う実力はあるか?
ベストカーWeb
15年ぶりに全面刷新! トヨタ新型「ランクル250」発売、520万円から!  従来プラドから何が変わった?
15年ぶりに全面刷新! トヨタ新型「ランクル250」発売、520万円から! 従来プラドから何が変わった?
くるまのニュース
新しくなったクワトロが左右輪のトルクを自在に振り分ける! アウディ S3がマイナーチェンジを実施
新しくなったクワトロが左右輪のトルクを自在に振り分ける! アウディ S3がマイナーチェンジを実施
WEB CARTOP

みんなのコメント

17件
  • ******
    借りて運転したら数値よりもパワーを感じると思った
    サーキットでもない限り、この車の限界攻めできる道はそう多くない
    FRなので初心者もスポーツ走行楽しめる
    ATはワンテンポ遅れる
  • fd3********
    基本、本体であるBRZの方がいいんだけどな
    86ってT氏(not現会長)のせいで( だし
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

330.0381.7万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

79.0555.0万円

中古車を検索
BRZの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

330.0381.7万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

79.0555.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村