現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 生産終了の可能性も… 10年目のトヨタ「プリウスα」 カローラ人気に押される現状

ここから本文です

生産終了の可能性も… 10年目のトヨタ「プリウスα」 カローラ人気に押される現状

掲載 更新 18
生産終了の可能性も… 10年目のトヨタ「プリウスα」 カローラ人気に押される現状

■カローラツーリングの圧倒的「バランス感」に、為す術なし?

 トヨタのワゴンモデルとして長きに渡り販売されている「プリウスα」ですが、モデルライフや競合モデルの刷新などにより、年々販売台数が減少しているといいます。
 
 プリウスの派生モデルとして、話題を集めたプリウスαの直近での販売動向は、どのような状況なのでしょうか。

トヨタ 新型「カローラ・アルティス」発表! カローラ初となるHV投入

 プリウスαは、2011年5月に発売され2020年で10年目を迎えるモデルです。

 ベースとなるのは先代となる3代目プリウスとなり、2015年に現行の4代目プリウスが登場してからも一世代前のプラットフォームを使い続けています。

 プリウスαは、2列シート車(5名乗車)と3列シート車(7名乗車)の2タイプを設定し、3列シート車には、トヨタのハイブリッド量産車として初めてリチウムイオン電池を採用。

 世界各国では、「プリウスv(北米仕様・2列シート車)」や「プリウス+(欧州仕様・3列シート車)」という名称・仕様で販売されていました。

 なお、プリウスαは2017年の一部改良で衝突回避支援パッケージ「Toyota Safety Sense P」が全車標準装備された以降は、大きな改良はおこなわれていません。

 一方で、ステーションワゴン市場自体は年々縮小傾向にあるものの、2019年9月にはトヨタ「カローラ」が12代目へとフルモデルチェンジ。「カローラ(ワゴン)」と「カローラツーリング(ワゴン)」が設定され、2020年8月時点まで好調な販売を誇っています。

 同じトヨタブランドから最新の性能・機能を備えたカローラツーリングが登場したことで、プリウスαの販売にも影響が出ているようです。

 また、2018年には北米や韓国市場向け「プリウスV」の販売が終了するなど、徐々にプリウスαの販売が縮小しているように見えます。

 最近のプリウスαについて、首都圏のトヨタ販売店スタッフは以下のように話します。

「現在はカローラツーリングの人気が圧倒的なため、プリウスαを検討する人はほとんど見かけなくなってしまいました。

 それどころか、最近ではプリウスαからカローラツーリングに乗り換えるというお客さまも見かけるようになっています。

 カローラツーリングを検討されている人に、別の選択肢としてプリウスαを提案することはあります。しかし、カローラツーリングの方が価格が安いうえに低燃費でサイズも取り回しやすいため、人気の差は歴然です。

 プリウスαには、7人乗りモデルがあるほかラゲッジスペースが広いという長所があるものの、そもそも7人乗りが不要という人や、ボディサイズが大きいのが『扱いにくい』と感じる人が増えているので、現在のニーズにマッチできていないのだと考えられます」

※ ※ ※

 実際の価格面では、プリウスαが261万2500円から362万2300円なのに対し、カローラツーリングは201万3000円から299万7500円となっており、全体的にみると60万円ほどの価格差があります。

 また、燃費性能では、プリウスαはハイブリッド車(2WD)のみのラインナップでWLTCモード燃費は20.7km/Lです。

 一方のカローラツーリングのハイブリッド車(2WD)は、WLTCモード燃費が25.6km/Lから29.0km/Lと、最大で9km/Lほど上回っています。

 そしてステーションワゴンで重要視されるラゲッジでは、プリウスαは荷室長が約985mm、最大荷室幅1580mm、ラゲッジ容量は5人乗りモデルが535リットル、7人乗りモデルが3列目格納時で505リットルとなっています。

 カローラツーリングは、荷室長930mm、最大荷室幅1464mm、ラゲッジ容量は通常時で392リットルとなっており、やや広さでは劣っています。

 しかし、その分ボディサイズに差が生まれます。プリウスαは、全長4630mm-4645mm×全幅1775mm×全高1575mmですが、カローラツーリングは全長4495mm×全幅1745mm×全高1460mmと、ひと回りコンパクトです。

 近年はSUVやミニバンでさえ、コンパクトなサイズが求められる時代です。ステーションワゴンにおいても、ユーザーのニーズは「扱いやすさ」が優先されるようで、「広ければ広いほどいい」では人気を獲得できなくなっているのかもしれません。

■時代はプリウスからカローラへ?

 販売台数でカローラツーリングに圧倒されているプリウスαですが、フルモデルチェンジで次期型の登場はあるのでしょうか。

 前出とは別のトヨタ販売店スタッフは以下のように話します。

「プリウスαのフルモデルチェンジについて、今のところは何の話も出てきていません。むしろ生産終了の噂の方がよく耳にします。

 そもそもプリウスαは、当時プリウスが圧倒的な人気を誇っていたため話題となったモデルです。今ではプリウス自体も販売が伸び悩んでいるため、この状況でモデルチェンジをしてもヒットさせるのは難しいのではないでしょうか」

 プリウスαのベースとなった3代目プリウスは、発売された2009年5月から4代目登場の2015年11月まで、累計で約227万台を売り上げ、歴代プリウスでもっとも売れたモデルとなりました。

 しかし、現行プリウスは2019年の年間販売台数で1位となりましたが、2020年に入ってからは販売に伸び悩んでいます。

 2020年上半期(1月から6月)の新車販売台数ランキングでは9位(3万6630台)となったほか、直近の8月では13位(4099台)と、トップ10入りさえ難しくなっており、かつての絶対王者の面影はありません。

 一方、カローラの売れ行きは好調で、2020年上半期では2位(5万7235台)となったほか、直近の8月でも3位(8751台)となっており、トップ3をキープしています。

 販売店スタッフによると、プリウスとカローラは比較される場面が多いものの、価格や燃費、サイズ感などでコストパフォーマンスの高いカローラの方に人気が集まっているといいます。

 プリウスαとカローラツーリング同様に、ユーザーのニーズは、プリウスの安定感やブランド力よりも、現行カローラが持つ「丁度良さ」に変化しているのかもしれません。

こんな記事も読まれています

レッドブル重鎮マルコ、F1モナコGPでの最大の敵はフェラーリと予想。一方ホーナー代表はマクラーレンを警戒?
レッドブル重鎮マルコ、F1モナコGPでの最大の敵はフェラーリと予想。一方ホーナー代表はマクラーレンを警戒?
motorsport.com 日本版
京急バスが東急バスを運行! 会社間の垣根越え初タッグ 横浜本社から遠隔監視
京急バスが東急バスを運行! 会社間の垣根越え初タッグ 横浜本社から遠隔監視
乗りものニュース
ポルシェジャパンが若者の夢に投資する「Porsche.Dream Together」プロジェクト
ポルシェジャパンが若者の夢に投資する「Porsche.Dream Together」プロジェクト
Webモーターマガジン
トヨタ「アルファード」が欲しい! けど“現行”は高すぎ… 「先代アルファード」なら200万円程度で買える!? 狙い目の「お買い得中古車」とは
トヨタ「アルファード」が欲しい! けど“現行”は高すぎ… 「先代アルファード」なら200万円程度で買える!? 狙い目の「お買い得中古車」とは
くるまのニュース
ポルシェ911をレストモッド…シンガーがコーンズ・グループと日本における代理店契約を発表
ポルシェ911をレストモッド…シンガーがコーンズ・グループと日本における代理店契約を発表
レスポンス
マフラー出口の本数やデザインに意味はあるのか? なつかしの「竹ヤリ」から最新トレンドまでを元チューニング雑誌編集者が解説します
マフラー出口の本数やデザインに意味はあるのか? なつかしの「竹ヤリ」から最新トレンドまでを元チューニング雑誌編集者が解説します
Auto Messe Web
“分離・合体”できる次世代モビリティ!? 電動3輪モビリティプラットフォーム「ラプター」が一般公開。年内に市販化?
“分離・合体”できる次世代モビリティ!? 電動3輪モビリティプラットフォーム「ラプター」が一般公開。年内に市販化?
くるくら
データシステム、レクサスLBX用「TV-KIT」シリーズを発売開始
データシステム、レクサスLBX用「TV-KIT」シリーズを発売開始
月刊自家用車WEB
アストンマーティンのアップデートは失敗じゃない! クラック代表「みんな結論を出すのが早すぎる」
アストンマーティンのアップデートは失敗じゃない! クラック代表「みんな結論を出すのが早すぎる」
motorsport.com 日本版
現行ベントレー・コンチネンタルGTの日本限定モデル「コンチネンタルGTアズール ラスト・オブ・ライン コレクション」が登場
現行ベントレー・コンチネンタルGTの日本限定モデル「コンチネンタルGTアズール ラスト・オブ・ライン コレクション」が登場
カー・アンド・ドライバー
次期型はポルシェの兄弟車に!? VW『シロッコ』、電動スポーツカーとして復活か
次期型はポルシェの兄弟車に!? VW『シロッコ』、電動スポーツカーとして復活か
レスポンス
壊れて当然のノリだけど現代のクルマにはない楽しさがある! 沼る可能性しかないハチマルイタフラ車
壊れて当然のノリだけど現代のクルマにはない楽しさがある! 沼る可能性しかないハチマルイタフラ車
WEB CARTOP
WRCラリー・イタリア・サルディニアのエントリーリストが公開。勝田がマニュファクチャラー出走に復帰
WRCラリー・イタリア・サルディニアのエントリーリストが公開。勝田がマニュファクチャラー出走に復帰
AUTOSPORT web
「違反じゃないんだからいいだろ」って非常識! まわりの迷惑を顧みない「自己中運転」5選
「違反じゃないんだからいいだろ」って非常識! まわりの迷惑を顧みない「自己中運転」5選
WEB CARTOP
F1、雨用ホイールカバー導入を断念。テスト実施も水しぶき低減の効果はわずか「我々は振り出しに戻った」
F1、雨用ホイールカバー導入を断念。テスト実施も水しぶき低減の効果はわずか「我々は振り出しに戻った」
motorsport.com 日本版
ポルシェ「911GT3 RS」よりも速い!? テスラ新型「モデル3パフォーマンス」の販売店の反響は?
ポルシェ「911GT3 RS」よりも速い!? テスラ新型「モデル3パフォーマンス」の販売店の反響は?
VAGUE
日産新型「商用バン」登場! “次期型エルグランド”風マスクがカッコイイ! 斬新グリル&ライトの新型「インタースター」約600万円から 仏で発売
日産新型「商用バン」登場! “次期型エルグランド”風マスクがカッコイイ! 斬新グリル&ライトの新型「インタースター」約600万円から 仏で発売
くるまのニュース
日産の人気SUV「エクストレイル」&「キックス」がマイナーチェンジを実施! スペシャルモデルの90周年記念車も設定
日産の人気SUV「エクストレイル」&「キックス」がマイナーチェンジを実施! スペシャルモデルの90周年記念車も設定
WEB CARTOP

みんなのコメント

18件
  • プリウスはハイブリッドを普及させるためのブランドだった。
    十分に普及した今、役目を終えたと思っても良いんじゃないかな。
  • 比較する意味がない。
    モデル消滅しそうなものと出たてのもの。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

256.5355.6万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

0.0289.9万円

中古車を検索
プリウスαの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

256.5355.6万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

0.0289.9万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村