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さらばかつての超名門 プレミオ/アリオン惜別企画 正直微妙だった5ナンバーセダンたち

掲載 更新 15
さらばかつての超名門 プレミオ/アリオン惜別企画 正直微妙だった5ナンバーセダンたち

 20年の歴史を持つトヨタのプレミオ/アリオンが、今年(2021年)3月に生産終了となる。

 初代、2代目とも5ナンバーサイズを堅持、それでいてカローラより格上! という、微妙なポジションを貫き通した両車に、敬意を払いたい。

トヨタのプチバン ルーミーが爆売れ中! 売れる理由はどこにある?

 そんなわけでこの企画だ。「微妙な結果に終わった5ナンバーサイズセダン」。5ナンバーサイズセダンには敬意を払う。でも、けっこう微妙なデキなのもあったよねと、自動車評論家 清水草一氏とともに振り返る企画である。

 けっして「プレミオ/アリオンも晩年は少し微妙だったね」というつもりではないので、くれぐれもご注意いただきたい。

【画像ギャラリー】もはや絶滅危惧種…?? 日本のビミョウな(!?)5ナンバーセダンをギャラリーでチェック!!!

※本稿は2021年1月のものです
文/清水草一、渡辺陽一郎、写真/ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』 2021年2月10日号

■トヨタ 5代目ビスタ(1982-2003)

●どんなところがビミョー?

 全高を先代比で一気に約100mmも高くして、広い室内空間を実現! 多くの評論家が絶賛した!

 でも、メッチャカッコ悪かったんだよね。ボクシーなセダンボディのまま、ただ背を高くしたら、不格好になってアタリマエ。ただのオッサン体形だもん! ただただ実用性をアップした律義さが、あまりにもビミョーでした。

トヨタ 5代目ビスタ…歴代初となるワゴン=アルデオが設定されたのがこの5代目。セダンでありながらシフトはコラム式

・走りの楽しさ:★★☆☆☆
・デザインの美しさ:★☆☆☆☆
・不幸の匂い度:★☆☆☆☆

■日産 ラティオ(2012-2016)

●どんなところがビミョー?

 小型セダンは、もはや国内に需要ナシ! がわかっていながら、「主に営業車用に」と、アジア向けに作られたタイ製小型セダンを逆輸入。その安っぽさ、カッコ悪さは時空を超えていた! まるで現代に能勢慶子(かつてのB級アイドル)の歌声が蘇ったかのような衝撃! まさにタイムマシン! タイムボカン! ボカンと殴られた感じでした。

日産 ラティオ…2012年登場、2016年12月販売終了。直3、1.2Lエンジンのみの設定は現在のほうが評価されるかも

・走りの楽しさ:★☆☆☆☆
・デザインの美しさ:★☆☆☆☆
・不幸の匂い度:★★★★★

■三菱 6代目ランサー(2010-2010)

●どんなところがビミョー?

 これを町で見かけたら、真剣に駆け寄って抱きしめたい! まさに黒歴史! 魔のバミューダトライアングル! ブーレイ顔のランサーは2年弱しか作られていないので超希少! もう「ビミョー」なんてレベルをはるか高高度で超越し、火星人の襲来レベルだ! 中古車を検索したら1台しかなかった……。なんかもう、とにかく希少です!

三菱 6代目ランサー…6代目ランサー自体は2000年から10年販売されたが、ブーレイ顔の販売期間は2003~2005年の間のみ

・走りの楽しさ:★★★☆☆
・デザインの美しさ:★☆☆☆☆
・不幸の匂い度:★★★★★

■日産 2代目 ブルーバードシルフィ(2005-2019)

●どんなところがビミョー?

 ブルーバードの名前を半分捨てて誕生したシルフィ。その2代目はゴーン就任後の2005年に登場した。日産のV字回復と中村史郎氏のデザイン改革の成果から期待されたが、フタを開けたら目玉つながりのおまわりさん!「すべての日産車のデザインをよくする」という中村氏の宣言は、この時点で挫折を余儀なくされたのでした。

日産 2代目ブルーバードシルフィ…ホイールベース延長による居住性改善や、インパルによるスポーツモデルもあったけど、やっぱりビミョー

・走りの楽しさ:★★☆☆☆
・デザインの美しさ:★★☆☆☆
・不幸の匂い度:★★★★☆

■トヨタ プラッツ/べルタ(1999-2005)

●どんなところがビミョー?

 ともにヴィッツがベースのセダンで、プラッツは初代ヴィッツにトランクを取って付けただけ! そのカッコ悪さは抱きしめたくなるレベル。

 2代目ヴィッツベースのベルタは、その反省からデザインを見直したけど、それでもイケてない感ビンビン。小型セダンという存在自体、格安営業車や老人専用車という時代になっていたのですね……。

トヨタ プラッツ…名車といわれる初代ヴィッツをベースにしたのに、セダンとなった途端にビミョーといわれるプラッツ

・走りの楽しさ:★★☆☆☆
・デザインの美しさ:★★☆☆☆
・不幸の匂い度:★★☆☆☆

■ホンダ フィットアリア(2002-2009)

●どんなところがビミョー?

 これはアレです、上のプラッツやなんかと一緒で、ハッチバックボディに無理矢理トランクをつけたヤツです。

 VWジェッタやヴェントは、その不格好さがなぜかカッコよく見えるんだけど、フィットアリアはフィリピンの雑貨屋さんみたいな雰囲気でした。トランクは当時のメルセデスSクラス並みに広かったんだよねぇ、ホント。

ホンダ フィットアリア…初代フィットの派生車で2002年12月登場。フィットが2代目になった後も継続して2009年まで販売

・走りの楽しさ:★★★☆☆
・デザインの美しさ:★★☆☆☆
・不幸の匂い度:★★★☆☆

■マツダ ペルソナ(1988-1992)

●どんなところがビミョー?

 カリーナEDの大ヒットに触発され、マツダが作ったカリーナED。それがなぜビミョーかというと、頑張りすぎたのです、オシャレに。

 特にリアシート中央のまくら? がイカンかった。まくらを外してもキャバレーのソファみたいで。慣れないオシャレは大けがのもと。カリーナEDはOKだけど、ペルソナは微妙にやりすぎだった。

マツダ ペルソナ…女優のイングリッド・バーグマンをイメージして製作。灰皿とライターがオプションになっていた

・走りの楽しさ:★★★☆☆
・デザインの美しさ:★★★☆☆
・不幸の匂い度:★☆☆☆☆

■日産 初代プレセア(1990-1995)

●どんなところがビミョー?

 担当氏がこう申します。「大学生当時、このクルマを買った友人から、これはプリメーラの弟分だと言われ、そうかぁ、弟だからなんかパッとしないのかぁと、ずっと信じてました。だまされてましたねぇ……」とのことです。

 誰も知らないステキなエピソード。とにかくプレセアは、遅すぎたカリーナEDもどきでした。涙。

日産 初代プレセア…初代プリメーラの型式はP10。一方、初代プレセアはR10と、似てるっちゃあ似てるが、似てるのはそれだけ

・走りの楽しさ:★★☆☆☆
・デザインの美しさ:★★☆☆☆
・不幸の匂い度:★★★★☆

■ダイハツ 2代目 シャレードソシアル(1994-2000)

●どんなところがビミョー?

 まず「ソシアル」という車名が泣かせる。つまり社交界ですね? セダンだから社交界という感覚が鹿鳴館時代を引きずってる……。実際はシャレードにトランクをつけただけ。でも、いまシャレードソシアルに乗ってる人がいたら、逆に猛烈にオシャレ! 時空を超えた鹿鳴館だ! なんだか欲しくなってきた! うおおおお!

ダイハツ 2代目シャレードソシアル…ダイハツにとって、最後の自社開発ノッチバックセダン。といっても、それ以外あまり記憶にない

・走りの楽しさ:★★☆☆☆
・デザインの美しさ:★★☆☆☆
・不幸の匂い度:★★☆☆☆

■スズキ エリオセダン(2001-2007)

●どんなところがビミョー?

 ハッチバックのエリオは、リアの黒いガーニッシュがどこかオシャレさんなクルマだったけど、セダンにはそのガーニッシュがナイ! 代わりにちっちゃーいトランクが付きました。するとあら不思議、オシャレ感はゼロを超えてマイナス方向に進み、白色矮星になってしまったのです! 現在は電波望遠鏡でも観測が難しいです。

スズキ エリオセダン…1.5L車と1.8L車が存在。1.8L車はフェンダーにモールが付くため車幅が広がり、3ナンバーになる

・走りの楽しさ:★★☆☆☆
・デザインの美しさ:★★☆☆☆
・不幸の匂い度:★★☆☆☆

*   *   *

 プレミオ/アリオン生産終了にかこつけて、多くの成功したモデルに隠れがちな、微妙な5ナンバーサイズセダンを紹介した。

 ダシに使われたプレミオ/アリオンからすれば迷惑だろうが、海よりも広い心で許してほしい。ごめんネ。

 プレミオ/アリオン消滅後、唯一新車で買える5ナンバーサイズセダンとなるカローラアクシオ。それはそれでやっぱり微妙

【番外コラム】マニア受けするセダン 3傑

 ビミョーな不人気セダンながら、マニア心に残るセダンたち。まずは1990年にデビューした、マツダ レビュー! このクルマはフーセンみたいに丸くて居住性バツグン! 走りもしっかりしてて、とってもよかった!

 一部で女性向けのカワイイカーと誤解されたけど、とってもステキなクルマでした。私が薦めて後輩(男)が購入して、気に入ってましたヨ!

マツダ レビュー(1990-1998)…マツダ悪夢の5チャンネル時代のオートザム店に登場した小型車。外観は可愛らしいが作りはマジメであり、欧州ではそのスタイルと高い実用性から人気となった

 1996年から発売が開始された三菱 カリスマは、オランダ製の逆輸入車。さすが欧州車だけにシャシーが抜群! それに対してパワートレーンはまったく凡庸。つまりメルセデスみたいな「シャシーがエンジンに勝つ」佳作だったんです! まるで売れなかったけど乗るとステキでした。

三菱 カリスマ(1996年-2001)…オランダのネッドカーで作られたカリスマ *日本での販売期間

 そしてホンダの2代目アスコット/ラファーガ。フロントミドシップで操縦性はシャープだし、なによりも縦置きされた直列5気筒エンジンの回転フィールが超抜群! さすがホンダエンジン!

 トラクションが悪くて雪道には激ヨワだったけど、舗装路なら文句ナシ! カッコもよかったんだよねー。

ホンダ 2代目アスコット/ラファーガ(1993-1997)…直5エンジン縦置き、でもFFなアスコット&ラファーガ

【番外コラム】国産5ナンバーセダン消滅の危機! MAZDA2セダンの投入はないのか!?

 5ナンバーセダンの消滅は、クルマ界の重大な問題だ。このサイズのセダンは、適度な大きさのボディと優れた視界で運転しやすく、背が低いから立体駐車場も利用しやすい。

 しかもセダンは重心が低く、後席とトランクスペースの間に隔壁があるから、ボディ剛性も高めやすい。走行安定性と乗り心地を確保する上でも有利な条件がそろう。

 メーカーは「5ナンバーセダンが売れないから廃止する」というが、その原因は商品開発にあった。10年以上もフルモデルチェンジを行わず、ユーザーの関心が高い安全装備や運転支援機能の進化も怠れば、売れゆきが下がって当然だ。

 5ナンバーセダンは軽自動車やSUVに比べて売りにくく、中高年齢層や法人には相応の需要があるのに見捨てられた。

 悪影響は教習車にも生じている。教習車の規格では、全長:4400mm以上など一定のサイズがあれば上限はないが、運転を覚えるには限度が伴う。そこでタイ製のマツダ2セダンを教習車に改造している。

発売されればカローラアクシオの強力なライバルとなるマツダ2セダン。現在は教習車仕様のみ

 日本で運転を覚える教習車を輸入するとは情けない。ベースのマツダ2セダンは充分な品質を確保するので、一般ユーザーも購入可能にすべきだ。カローラアクシオの後継となるヤリスセダンも開発して、5ナンバーセダンを復活させて欲しい。

(TEXT/渡辺陽一郎)

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みんなのコメント

15件
  • 挙げられてる車よりもこの記事自体の方が正直微妙だな。
  • 往年のB級アイドルやアニメ作品を引き合いに出して車をこき下ろしているが、アイドル本人やアニメ制作者に対して失礼だろ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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