季節の変わり目は、体調を崩しやすい時期。いろいろと身体のメンテナンスが必要になりますが、メンテナンスが必要なのは、人間だけではありません。寒さ厳しい冬を乗り切ったクルマにおいても、メンテナンスをしておきたいポイントがいくつかあります。
文:エムスリープロダクション
アイキャッチ画像:Adobe Stock_Serhii
写真:Adobe Stock、写真AC
愛車の寿命を伸ばすには「春メンテ」が大事!! 交換しておくもの&やっておくこと3選
冬は補機バッテリーの消耗が進む季節!!
まず確認したいのは、補機用バッテリーです。車載バッテリーを製造するGS YUASAバッテリーによると、冬場は寒さによってバッテリーから電気を取り出す効率が落ち、充電効率も下がる一方で、エアコンなどの電装品にかかる電力が増えるため、バッテリーの消耗が進んでしまう、とのこと。
そのため、冬を乗り切ったいま、補機用バッテリーの状態はしっかりと確認しておきたいところ。春が過ぎれば、暑さ厳しい夏がやってきます。夏はエアコンを酷使するために、またまたバッテリーに負荷がかかる季節です。猛暑のなかでエンジンがかからない、なんていうことにならないよう、セルがきちんと回ってエンジン始動するか、バッテリー液は十分か、比重は落ちていないかなど、しっかりと確認しておきましょう。
冬は補機用バッテリーの消耗が進む季節。春が近づいてきたら、一度状態を確認しておこう(PHOTO:Adobe Stock_weyo)
冬の間、フロントガラスの霜をワイパーで払っていたら要注意!!
気温が低い冬は、ワイパーゴムの弾力性が失われがち。また、雪や霜の付着によって劣化も進みがちです。加えて、いけないとは思いつつ、ついついフロントガラスに付着していた霜をワイパーで払ってしまう、なんてこともやりがちですよね。
そのため、使用感に問題がなくても、寒さがひと段落した時期には、ワイパーゴムの状態はチェックしておきたいところ。ワイパーを持ち上げて、ゴムがひび割れていたり切れていたりしないか確認し、消耗している様子であれば交換しておきましょう。
また、冬の間、冬用ワイパーを使用していた場合も、寒さがひと段落したら通常のワイパーに交換しておきたいところ。冬用ワイパーは、夏場に使用したとしても問題はありませんが、猛暑と紫外線が厳しい夏に、割高な冬用ワイパーをつけたままにしておくことは、余計なコストがかかってしまうことになってしまいます。
使用感に問題がなくても、寒さがひと段落した時期には、ワイパーゴムの状態はチェックしておきたい。ゴムがひび割れていたり切れていたりしないか確認し、消耗している様子であれば交換しておこう(PHOTO:Adobe Stock_สิรวิชญ์ เวชสมพงษ์)
この時期もっともやっておきたいのは、下回りの洗浄
また、これらよりもぜひやっておいてほしいのが、クルマの下回りを含めた洗車です。冬の時期、降雪地域では、路面に凍結防止剤や融雪剤が散布されています。これらは主に、塩化カルシウムや塩化ナトリウムなどの塩分で構成されているため、クルマに付着したまま放っておくと、クルマに錆を発生させる原因となってしまうのです。
なかでもクルマの下回り(底)は、チッピング(石はね)や跳ね上げた砂や小石などによって傷が入りやすく、その傷に融雪剤のカスが付着してしまえば、簡単に錆に進展してしまいます。
マフラーやサスペンション、サブフレームなど、下回りには重要な部品が多くあります。もちろんクルマには錆の発生を防ぐよう、構造(防錆処理のしやすい形状など)や材料(シーリング材など)、工法(メッキなど)などを工夫するなどで、防錆処理が念入りに施されてはいますが、使用環境によるところもあるため、絶対に錆を発生させないことはできず、また、たとえ雪道を走行していなくても、他のクルマが運んできた塩分の付着した泥汚れを巻き上げている可能性があります。この時期には、ぜひ下回りも洗浄しておきましょう。
降雪地域では、冬の時期、路面に凍結防止剤や融雪剤が散布されている(PHOTO:Adobe Stock_kikisora)
たとえ雪道を走行していなくても、他のクルマが運んできた塩分の付着した泥汚れを巻き上げている可能性がある。この時期には、ぜひ下回りも洗浄しておこう(PHOTO:Adobe Stock_Roman)
◆ ◆ ◆
一度錆を発生させてしまうと、修復が困難になるため、特にクルマの下回りの洗浄はやってきたいところ。クルマをいい状態で維持することは、クルマを手放す際のリセール価格に影響してきます。メンテナンスを怠らないことは、コスパのいいカーライフを送るための秘訣。ぜひこの時期は、いつもの洗車にひと手間加えて、下回りも手入れしつつ、バッテリーやワイパーゴムの状態もチェックするようにしてください。
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特にスタッドレスから履き替えた夏タイヤはエアが抜けているもの。
自分で交換した際は、セットでエア管理するべきです。