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最大の強みはe-パワー 日産エクストレイルへ英国試乗 優れた洗練性と実環境の燃費 後編

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最大の強みはe-パワー 日産エクストレイルへ英国試乗 優れた洗練性と実環境の燃費 後編

静かで高効率にSUVを引っ張るe-パワー

新世代モデルらしく、4代目日産エクストレイルのダッシュボードには12.3インチのタッチモニターが据えられた。同時に、エアコンの操作系などには実際に押せるハードスイッチが残されており好印象。デジタルとアナログが、塩梅良くバランスしている。

【画像】歓迎すべきモデルチェンジ 日産エクストレイル e-パワー 競合のSUVと写真で比較 全110枚

大きなタッチモニターのグラフィックは鮮明で見やすい。有線でアンドロイド・オートと、無線でアップル・カープレイにも対応している。試乗時に少し触ってみたが、メニュー構造などは理解しやすく、扱いやすいシステムだといえるだろう。

そんな優れた印象は、実際の走りにも展開される。シリーズ式ハイブリッドという、複雑なシステムを搭載することを感じさせず、静かで高効率にSUVのボディを引っ張る。ハイブリッドでは一般的な、CVTがエンジンの回転数を不要に高めることもない。

ドライブモードを変更すれば、明確な違いを体験できる。スポーツ・モードではe-パワーの反応が高まり、キビキビと運転できるように変化。エコ・モードではアクセルペダルの踏み込みに対する反応が緩やかになり、ドライバーの気持ちを鎮めてくれる。

シフトセレクターで「B」を選択すると、回生ブレーキの効きが増強。アクセルペダルの加減だけで発進から停止までをまかなえる、ワンペダル・ドライブに近い走りが可能になる。ハイブリッドモデルとして、特に市街地では強力な回生ブレーキは有効だ。

狙ったラインへ導きやすいシャシー

e-パワーの強みは洗練されたマナーだけでなく、現実的にエネルギー効率にも優れるところにもある。マイルド・ハイブリッドのエクストレイルより、燃費は15%から20%ほど良いそうだ。

カタログ値では、15.5km/L前後がうたわれている。今回の試乗では市街地や高速道路などを複合的に走行して、それに近い数字が得られた。

また2基の駆動用モーターで四輪駆動を叶えたエクストレイルの場合、微細なモーター制御により優れたトルク伝達も実現している。アクセルペダルの操作に対する反応は素早く、オフロードでもその能力は発揮されるはず。

ただし、エクストレイルは本格的なオフローダーではなく、SUVの延長上にはある。今回は、舗装路を外れるチャンスはなかった。

操縦性は、ボクシーな見た目のSUVから抱くイメージから大きくは離れていない。シャープなシャシーは与えられておらず、ドライバーがワインディングで気持ちを高ぶらせることはないだろう。

コーナーではボディロールが適度に抑え込まれ、ステアリングホイールを切り込んでいった際の反応も鮮明。一方で手の力を緩めると、バネで戻されるようなやや不自然な弾性も感じられた。とはいえ、狙ったラインへ導きやすく、ボディも大柄には感じられない。

唯一引っかかったのが低速域での乗り心地。試乗車が大きな20インチ・ホイールを履いていたことも、影響しているだろう。英国の傷んだ路面では悪化する可能性があり、その場合は全体的に洗練されたエクストレイルの足を引っ張ることになりそうだ。

オススメしたい強みが多い 価格も○

4代目へ生まれ変わった日産エクストレイルには、オススメしたいと考えさせる強みが多い。特に新採用のe-パワーは、その筆頭といえるだろう。

7シーターの中型SUVでハイブリッドとなると、現在のライバルの多くがPHEVを採用している。だが容量の大きい駆動用バッテリーの価格は安くなく、結果的に車両価格にも反映してしまう。

反面、e-パワーなら優れたエネルギー効率を実現しながら、価格を抑えられる。車格の大きいSUVにとっても、ベターなパワートレインだと感じた。車重も1886kgと、過度に増えてはいない。

日本からやってくる4代目エクストレイルの英国価格は、前輪駆動のマイルド・ハイブリッドで3万2030ポンド(約528万円)から。今回試乗した7シーターで四輪駆動のe-パワーの場合は、3万9430ポンド(約650万円)からになる。

英国でのライバル、ヒョンデ・サンタフェのPHEVは、前輪駆動で4万6615ポンド(約769万円)もする。運転好きが積極的に選ぶモデルではないかもしれないが、日産エクストレイルの訴求力は高い。歓迎すべきモデルチェンジだといっていい。

日産エクストレイル e-パワー e-4orce アセンタ・プレミアム(欧州仕様)のスペック

英国価格:3万9430ポンド(約650万円)
全長:4680mm
全幅:1840mm
全高:1725mm
最高速度:180km/h
0-100km/h加速:7.2秒
燃費:15.4-15.6km/L
CO2排出量:146-148g/km
車両重量:1886kg
パワートレイン:直列3気筒1498ccターボチャージャー+ツイン電気モーター
使用燃料:ガソリン
駆動用バッテリー:−
最高出力:214ps(システム総合)
最大トルク:−
ギアボックス:シングルスピード

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