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【メルセデス・ベンツ GLE】期待を超える上質感を身につけたマイナーチェンジ

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【メルセデス・ベンツ GLE】期待を超える上質感を身につけたマイナーチェンジ

新車試乗レポート [2023.12.26 UP]


【メルセデス・ベンツ GLE】期待を超える上質感を身につけたマイナーチェンジ
文●岡本幸一郎 写真●ユニット・コンパス 車両協力●メルセデス・ベンツ日本

メルセデス・ベンツ 新型GLE/GLEクーペ発表 マイルドハイブリッド導入

 いまや豊富なラインアップを誇るメルセデスSUVの布陣において、別格的なGクラスに次いで1997年に送り出されたのが、前身であるMクラスだ。やがて時間の経過とともにファミリーが増殖する中で、より上級機種としての実力と価値を高めながら進化した歴代Mクラス~GLEは、プレムアムSUVを代表する1台として世に受け入れられてきた。

 GLEに改名して2代目となるW167型が日本に導入されたのは2019年のこと。発売から4年が経過してマイナーチェンジを迎えたばかりの、売れ筋の「G 300 d 4MATIC」をレポートする。


内外装デザインが刷新

GLE 300d 4MATIC
 刷新された内外装は、ひとめ見ただけでより豪華になったことを直感させる。ヘッドライト、フロントグリル、フロントバンパー、テールライトなど随所のデザインが変わり、よりSUVらしい力強さと新鮮味が増している。写真の「アルペングレー」というボディカラーは48万円のオプションだ。

 インテリアもいろいろ変わった。新たに採用した最新世代のステアリングホイールは、2本のスポークに多くの機能が盛り込まれていて、手元でいろいろ操作できるほか、ディスタンスアシスト・ディストロニック使用時のハンズオフ検知のため静電容量式センサーを採用されたおかげで、握っているのにステアリングホイールを握るように警報が出ることがなくなるなど、使い勝手が向上している。

 さらには、エアコンの吹き出し口をクローム仕上げに変更するなど、細かなところも高級感が引き上げられている。心地よいサウンドを楽しめるBurmester®サラウンドサウンドシステムが全車に標準装備されたのも歓迎だ。

 また、今回の「GLE 300d 4MATC」にはすでに搭載されていた48VのISG(インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター)が、これまで未搭載だったひとつ上の「GLE 400d 4MATIC」にも搭載されたことで、GLE全車が電動化されたのもポイントのひとつだ。


ISGの効果を再確認

GLE 300d 4MATIC
 試乗した「GLE 300d 4MATIC」には、最高出力269ps(198kW)、最大トルク550Nmを発生するOM654型2.0リッター直4ディーゼルと同20ps(15kW)、200NmのISGが組み合わされる。

 オルタネーターとスターターを兼ねたISGは、0.9kWhのリチウムイオンバッテリーを充電するほか、スターターとしてエンジン始動時の振動を抑えたり、アイドリング時にエンジンを安定して低回転で保つことで効率性や快適性を高めたり、シフトチェンジをスムーズでタイムラグがないようアシストする機能を持つ。

 車両重量が2.3トンを超えながらも走り出しが意外と軽やかに感じられたのは、ISGもあってのことに違いない。約100km/hの高速域での再加速でもしっかり作動して加速をアシストしていることがパワーメーターで確認できた。

 フラットなトルク特性のディーゼルに、9段に刻まれたATが組み合わされたことで、普通に流していると低い回転が維持されて、4気筒のディーゼルとしては音も振動もよく抑えられている。ディーゼルが似合うのもまたGLEのキャラクターなればこそではあるが、もちろんガソリンほどではないにせよ、意図的に回さなければ車内ではそれほどノイズが気になることはない。


GLE 300d 4MATIC
 大柄でもウインドウが立っていてボディ形状車両感覚がつかみやすく、視界も概ね良好だ。ゆったりとしたおおらかなドライブフィールは、周囲の多くのSUVが走りの俊敏さを競っているのとは一線を画している。直進安定性の高さにもあらためて感心させられた。リアアクスルステアは付かないが、この大柄な車体で5.6mの最小回転半径を実現しているのもメルセデスらしい。


オフロードでの支援機能も充実

GLE 300d 4MATIC
 対話型インフォテイメントシステムの「MBUX」と安全運転支援システムもアップデートされ、全車に標準装備された待望の「MBUX AR(拡張現実)ナビゲーション」は、やはり直感的でわかりやすく、交差点でもピラー等で生じる死角を補ってくれて実に助かる。

 走りに関わる新しい機能として、ドライブモードに「offroad」モードと、急な下り坂で安定した走行をサポートする「DSR(=ダウンヒル・スピード・レギュレーション)」が備わった。

 さらに、offroadモード時に、フロント下方の路面をあたかも透けて見えるかのように映像を映し出す「トランスペアレントボンネット」や、車両の傾きや路面の勾配、標高、緯度経度、コンパス、車両姿勢や操舵角を表示する「オフロードスクリーン」が新たに装備されたのもポイントだ。


GLE 300d 4MATIC
 サイズが小さめのメルセデスSUVではなく、あえてGLEに関心のある人は、より後席を重視しているに違いないが、この広々とした空間は下位モデルではけっして得られない。頭上も相当広く、3m近いホイールベースも効いて膝前に余裕があり、前席下に足を入れやすく、センタートンネルも低く抑えられている。

 この車両重量と重心高を支えるため、足まわりもそれなりに強化されているようだが、たっぷりとした肉厚のシートは乗り心地が悪く感じられないように味付けされている。さらにはいざというときに備えて、けっして広くはなく乗り降りも容易ではないが、3列目シートが用意されているのもありがたい。シートアレンジの多くが電動でできるのもポイントで、広大な荷室の右側面にもスイッチパネルが設置されている。


GLE 300d 4MATIC
 日本では大柄な部類に入るのは見てのとおりだが、このサイズこそGLEの持ち味に違いない。あるいは、Gクラスにも興味があるが本格的過ぎて不安という人にとっても、GLEはよい受け皿になってくれそうだ。そんなGLEの見た目の高級感が増し、装備類が大幅にアップデートされたことを歓迎したい。

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