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ランドローバー・ディスカバリーSE D300試乗 控え目、でも「優秀な道具」

掲載 更新 6
ランドローバー・ディスカバリーSE D300試乗 控え目、でも「優秀な道具」

賢者が選ぶランドローバー

自らが切り開いたSUVの時代がやってきているのだから当たり前なのかもしれないが、ランドローバーが賑やかだ。

【画像】英国的な「道具感」味わうなら【ディスカバリーVSディフェンダー】 全145枚

5代目となる新型レンジローバーのデビューがアナウンスされ、2020年に生まれ変わったブランドの礎ともいうべきディフェンダーの販売も絶好調。

イヴォークのように斬新な手段でマーケットに訴えかけた実績もある。

そんなアピールが強い花形選手の陰でランドローバーの屋台骨を支えているモデルがいる。ディスカバリーである。

1989年にデビューした1~2代目は「エンジンやシャシーをはじめ多くのコンポーネンツがレンジローバーと一緒」という触れ込みと、298万円という大胆な値付け、そして7人乗りも選べるという点で話題を集めた。

3~4代目は独自の車体構造と角ばったボディで独自性をアピールした。

だがフリーランダーやイヴォークといった弟分の誕生もあり、この世代からは控えめな印象も定着している。

現行モデルのディスカバリーは5世代目。

そのスタイリングは昨今のランドローバーデザインの流れを汲んだスタイリッシュなもの。

しかしディスカバリーのDNAである3列目シートと左右非対称のリアエンドのデザインはしっかりと受け継がれている。

ディスカバリーは本国で一般の英国人に愛されているスタンダード。

日本におけるポジショニングは 全世代共通で「賢者が選ぶランドローバー」といったところだろうか。

6Lの自然吸気ガソリン的?

ディスカバリーの2022年モデルを試乗した。

最新の話題は2017年のデビュー以来初のマイナーチェンジが施されたという点である

サスペンションやステアリング系、インフォテインメント、外観など全体的に手が入れられているというが、中でも最大の変更はエンジンのラインナップが刷新されたことだ。

直4ディーゼルとV6スーパーチャージドだったものが、ディーゼルとガソリンとも直6マイルドハイブリッド(MHEV)に置き換わったのだ。

今回の試乗車はD300の車名からもわかるとおり300psを発揮するディーゼルだ。

走りはじめて最初に感じるのはパワーユニットの質感だ。

D300ユニットの素晴らしさはディフェンダー110の最上級モデルやレンジローバー・スポーツに搭載されており既に体験済み。

だが今回もあらためて感心させられることになった。

車内にいればディーゼルと気づかないほどノイズが少なく、可変ジオメトリーのターボチャージャーによりターボラグもほとんど感じられない。

わずか1500rpmで発揮される最大トルク(66.3kg-m)は、2.6t近い車重を見事に相殺しているのだ。

低い回転から最大トルクを発揮するディーゼルと発進や中間加速の瞬間をアシストするMHEVでは得意分野がカブっているような気もする。

だがD300ではお互いを補完し、まるで「6Lの自然吸気ガソリン」的な質感を作り出しているのである。

ライバルは身内? それでも選ぶ理由

最新のパワーユニットを得て、さらに完成度を高めたディスカバリー。

だがD300ユニットはディスカバリーだけの長所ではない。

SUV百貨店的な現在のランドローバーにおけるディスカバリーの個性とは何なのか?

都市部やワインディング、さらには雪道まで走ったことで感じたのは、ドライブしている車種と場所を必要以上に意識させない、安心感の高さにあると思った。

レンジローバーはいつの時代も「プレミアム」を意識させるが、オフロードを目の前にすると傷や汚れを気にして二の足を踏むオーナーも少なくないだろう。

生まれ変わったディフェンダーはすっきりとカジュアルで、乗り手の遊び心を刺激してくる存在だ。

それらに比べるとディスカバリーSE D300は、適度に高級感があり、しかしドライブしていてその存在を忘れてしまうくらい自然な操作感の持ち主でもある。

サラウンドカメラのおかげで狭い駐車場でもボディの大きさを感じないし、渋滞を抜け高速道路で飛ばしても腰高な感じもしない。

いきなり大雨になっても、林道がはじまって路面が雪で覆われはじめても乗り手の心拍数を上げない。ひたすら優秀な道具に徹しているイメージなのだ。

といっても得意分野と価格はディフェンダーに近いし、実際にかち合っているようにも思う。

ディフェンダーの魅力は強烈だが、しかし英国的、アンダーステートメントを求めてディスカバリーを選ぶというのは、大いにありだと思う。

ランドローバー・ディスカバリーSE D300のスペック

価格:950万円
全長:4985mm
全幅:2000mm
全高:1895mm
ホイールベース:2925mm
車両重量:2470kg
パワートレイン:直列6気筒2993ccターボ
最高出力(エンジン):300ps/4000rpm
最大トルク(エンジン):66.3kg/1500-2500rpm
ギアボックス:8速オートマティック

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みんなのコメント

6件
  • シンプルで目立たない良いクルマ
    実車見たらゴツくて迫力があったけどね
    これに1000万払える余裕が羨ましい

    派手さが欲しい人はディフェンダーどうぞって感じかな
  • 先ずはとにかくカッコ悪く、特に非対称のリアデザインには嫌悪感しかない。
    しかもこれディーゼルか。
    しかもこれで1,000万円、なのにレザーシートすら付いていないとは!!
      
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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