現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 時代先取りだったHVの2+2クーペ ホンダ CR-Z 英国版中古車ガイド シャシー性能は◎

ここから本文です

時代先取りだったHVの2+2クーペ ホンダ CR-Z 英国版中古車ガイド シャシー性能は◎

掲載 6
時代先取りだったHVの2+2クーペ ホンダ CR-Z 英国版中古車ガイド シャシー性能は◎

ハイブリッドの2+2クーペ

窓から道路を眺めれば、体格のいいクロスオーバーや実用主義のミニバンばかり。スタイリングの良いクラシカルなサルーンでも、実はハイブリッドだったりする。最近のクルマは退屈だと、お嘆きの読者もいらっしゃるかもしれない。

【画像】時代先取り HVの2+2クーペ ホンダCR-Z CR-Xと同時代のシビック・タイプR 新型も 全77枚

トヨタ・プリウスが世界へ浸透しようとしていた頃、ハイブリッド・サルーンの別の選択肢になっていたのがホンダ・インサイトだった。まだマイナーだったハイブリッドの魅力を多くの人に知ってもらうべく、ホンダは小さな2+2クーペのCR-Zを発売した。

ベースとなったのは、2009年に登場した2代目インサイトのプラットフォーム。そこへ、1980年代から1990年代にドライバーの心を掴んだ、FFスポーツのCR-Xへ似たスタイリングのボディが載せられていた。

とはいえ、CR-Zは俊足のスポーツクーペというわけではなかった。フロントに搭載されていたのは1.5Lの自然吸気エンジンで、当初は控えめな113psを発揮。そこに14psの駆動用モーターが組み合わされ、システム総合での最高出力は123psだった。

ハイブリッド化のメリットといえたのが、発進加速。17.6kg-mの最大トルクは、モーターのアシストにより1500rpmを過ぎた辺りから湧き出た。0-100km/h加速は、スポーツ・モードでも9.1秒ではあったけれど。

優れたシャシーでスポーティな回頭性

ホンダらしく、シャシー性能は磨かれていた。ステアリングのフィーリングやレスポンスは良好。ドライビングポジションは低く、6速MTも選択が可能だった。スポーツカーらしい雰囲気に浸ることは充分にできた。

回頭性に優れ、姿勢制御も良くボディロールは最小限。カーブの続く道でのオンザレールの感覚は、楽しいのひとこと。気張って運転しても20.0km/L前後だった燃費も、オーナーを喜ばせた。CR-Xと比べれば、相当に優秀なエネルギー効率といえた。

メータパネルには、エコドライブ・バーというインジケーターが付いている。駆動用バッテリーが電気を供給しているか、充電されているかを確かめられる。

もちろんスポーツカーを純粋に突き詰めるなら、ハイブリッドの重荷を降ろし、よりパワフルなVTECエンジンを載せた方がベターだったことは間違いない。しかしホンダが目指していたのは、そんな考えとは少し異なっていた。

電動化技術で何が可能なのか、ひと足先に提示していたのだった。CR-Zのパッケージングは、現代にも通用するといっていい。2022年にどこかのメーカーがコンパクト・クーペを発売するとして、CR-Zと似た内容だったとしても違和感はないだろう。

実際、信頼性に優れたハイブリッド・クーペを探すなら、CR-Zは今でも充分な訴求力を備えている。英国の中古車市場では、3500ポンド(約58万円)前後から発見できるのもうれしい。改めてその魅力に触れてみるのも悪くないと思う。

新車時代のAUTOCARの評価は

手頃な価格とスタイリングだけでも、CR-Zは魅力的に感じられる。電気モーターのアシストを実感できる、ドライビングフィールも興味深い。運動エネルギーが電気エネルギーへ変換されるのがわかる、メーターパネルは見ていて面白い。

スポーツ・モードを選択すれば、ドライビング体験は適度に高められる。エコに配慮されたコンパクトモデルであることを考えれば、印象的なほど。

グリップ力は高く、小さなボディロールで軽快に回頭していく。動力性能は控えめだとはいえ、充分に楽しい。スタイリッシュで、ドライビング体験は従来のモデルとは一味違うもの。思わず惹かれてしまう魅力的なモデルだ。(2012年3月27日)

オーナーの意見を聞いてみる

サイモン・クラーク氏:ミッドランド・ホンダ・サービス代表

「信じられないほどの信頼性を備えた、小さなクーペです。過去数年間で不具合として聞いているのは、テールゲートのキャッチャーや雨水の排水経路など、マイナーなものしかありません。フロントブレーキのディスクとパッドは、16万km位は使えるようです」

「i-VTECと呼ばれるガソリンエンジンは、タイミングチェーンで耐久性も高い。ただし、ハイブリッド・システムのメンテナンスは、充分な知識を持った専門家でなければ難しいでしょう」

「チューニングも可能なようですね。サーキットで楽しんでいるオーナーも知っています。彼はコイルオーバー・サスペンションを組んで、ブレーキをアップグレードして乗っていますよ」

購入時に気をつけたいポイント

エンジン

i-VTECと呼ばれる1.5Lのガソリンエンジンは、1年毎か2万km毎のオイル交換が英国では指定されている。信頼性は高いようだ。

ハイブリッドシステム

始動後に駆動用バッテリーの警告灯が消えることを確かめる。可能なら試乗して、エコ、ノーマル、スポーツという3種類のドライブモードを切り替え、変化があるか確認したい。ハイブリッドシステムにも、定期的な点検は必要だ。

駆動用バッテリーは、充電されていれば3回程度のフル加速へ不足ないアシストを加えてくれる。バッテリーのヘタリ具合や充電状況を確かめるため、できれば長めの試乗をしたいところ。

トランスミッション

6速MTはシフトフィールがいい。軽く機械的にコクリと変速できる状態が正解。クルージング時に高いギアへ入れ、エンジンの回転数が不意に変化しないか確かめる。変わる場合は、クラッチが減っている証拠。

ブレーキとサスペンション

CR-Zのブレーキは、あまり効きが良くない。寿命は長いので摩耗具合は確かめたい。

サスペンション・ブッシュが劣化すると、足まわりからコツコツと音が出てくる。フロントタイヤを切り、ドライブシャフト・ブーツの状態を確認する。

ボディとホイール

テールゲートが正常に開閉するか確認する。稀に不具合が報告されている。アルミホイールは、ガリ傷が付きやすいようだ。

電気系統

すべての電装系が正常に動くか確かめる。アイドリングを長くすると、エアコンから温風が出てくることがある。

知っておくべきこと

英国では、新車購入から5年間か14万4000kmの範囲で、ホンダCR-Zの駆動用バッテリーへ保証が付いていた。不具合が生じると警告灯が点灯するという。新しい駆動用バッテリーの部品代は、英国では1000ポンド(約17万円)。ほかに交換費用も掛かる。

スタイリッシュなフォルムが、優れた燃費に結びつけている。そのかわりリアシートは狭い。便利な荷物置きとして考えた方が良いだろう。

リアガラスの処理はCR-Xを彷彿とさせる。テールゲート部分にワイパーは付いているが、垂直のガラス部分にはなく、雨や雪で汚れやすい。

英国ではいくら払うべき?

3500ポンド(約58万円)~4999ポンド(約82万円)

初期型のCR-Zを英国では探せる価格帯。多くは走行距離が16万kmを超えている。複数オーナーで、整備状態が怪しいものも含まれる。

5000ポンド(約83万円)~5999ポンド(約98万円)

走行距離は12万km程度に短くなる。後期型のCR-Zも含まれてくる。

6000ポンド(約99万円)以上

走行距離が10万km前後の、状態の良いCR-Zを英国では探せる価格帯。後期型の上級グレードも出てくる。ホンダの正規ディーラーで整備を受けてきたクルマも発見できる。

英国で掘り出し物を発見

ホンダCR-Z 1.5 IMA スポーツ(英国仕様) 登録:2010年 走行距離:16万900km 価格:4895ポンド(約81万円)

珍しいレッドのボディにミドルグレードという、手頃な価格のCR-Z。オートエアコンにアルミホイールが備わり、過去5年間はしっかり整備を受けている。車検もまだ半年ほど残っているようだ。

こんな記事も読まれています

英国「最安」ハッチバック ヤリスやクリオのシェア侵食? 2代目MG 3へ試乗 1.5L HVで194ps
英国「最安」ハッチバック ヤリスやクリオのシェア侵食? 2代目MG 3へ試乗 1.5L HVで194ps
AUTOCAR JAPAN
ランチア「ストラトス ゼロ」に乗った!「カウンタック」に続くガンディーニアイコンの始まりのクルマとは【クルマ昔噺】
ランチア「ストラトス ゼロ」に乗った!「カウンタック」に続くガンディーニアイコンの始まりのクルマとは【クルマ昔噺】
Auto Messe Web
車のボディまるごと「樹脂バンパー」で覆っちゃう!? ホンダの“素材リサイクル”の発想がぶっ飛んでた
車のボディまるごと「樹脂バンパー」で覆っちゃう!? ホンダの“素材リサイクル”の発想がぶっ飛んでた
乗りものニュース
モナコGP決勝、大クラッシュ発生で赤旗中断。レッドブルのペレスとハース勢がリタイア
モナコGP決勝、大クラッシュ発生で赤旗中断。レッドブルのペレスとハース勢がリタイア
motorsport.com 日本版
スプリントの鬱憤晴らす渾身の勝利! バニャイヤ、今季3勝目。マルケスまたしても超追い上げ3位|MotoGPカタルニアGP決勝
スプリントの鬱憤晴らす渾身の勝利! バニャイヤ、今季3勝目。マルケスまたしても超追い上げ3位|MotoGPカタルニアGP決勝
motorsport.com 日本版
国内最大級・ド迫力ボディの「エアロキング」を“運転”できる!? めちゃ貴重な「2階建てバス」運転企画を発売へ ファン垂涎「激レア体験」7月開催
国内最大級・ド迫力ボディの「エアロキング」を“運転”できる!? めちゃ貴重な「2階建てバス」運転企画を発売へ ファン垂涎「激レア体験」7月開催
くるまのニュース
2024年版 レスポンスも音も「感動的」な最新スーパーカー 11選 性能とデザインで頂点を争う
2024年版 レスポンスも音も「感動的」な最新スーパーカー 11選 性能とデザインで頂点を争う
AUTOCAR JAPAN
なぜ自動車メーカーが「養蜂」を行うのか? ハチミツ界のロールス・ロイスを目指しているわけではなかった!?
なぜ自動車メーカーが「養蜂」を行うのか? ハチミツ界のロールス・ロイスを目指しているわけではなかった!?
Auto Messe Web
「宝石」のようなレーシングカー MGA ツインカム・ワークスマシン(2) 競技人生を静かに物語る凛々しさ
「宝石」のようなレーシングカー MGA ツインカム・ワークスマシン(2) 競技人生を静かに物語る凛々しさ
AUTOCAR JAPAN
12時間レースでクラス優勝を狙え! MGA ツインカム・ワークスマシン(1) エンジンも塗装も64年前のまま
12時間レースでクラス優勝を狙え! MGA ツインカム・ワークスマシン(1) エンジンも塗装も64年前のまま
AUTOCAR JAPAN
【クルマら部】今日から使えるクルマ愛クイズ!「F1」全4問・解答編
【クルマら部】今日から使えるクルマ愛クイズ!「F1」全4問・解答編
レスポンス
ハースF1モナコGPの予選でリヤウイング規定違反で失格。一体何があったのか? 小松礼雄代表「思い込みがあった……二度と起こしてはいけない」
ハースF1モナコGPの予選でリヤウイング規定違反で失格。一体何があったのか? 小松礼雄代表「思い込みがあった……二度と起こしてはいけない」
motorsport.com 日本版
ついにEV“充電レス”!? 世界初の「次世代ソーラーEV」実証開始 電池は“超極薄”
ついにEV“充電レス”!? 世界初の「次世代ソーラーEV」実証開始 電池は“超極薄”
乗りものニュース
アルパインスタイル沖縄が爆誕! 「カリカ」や「ハバナ」もレンタルできる「アルスタレンタカー」を展開
アルパインスタイル沖縄が爆誕! 「カリカ」や「ハバナ」もレンタルできる「アルスタレンタカー」を展開
くるまのニュース
2024スーパー耐久第2戦富士24時間がスタート。DAISHIN GT-R GT3が総合トップを奪う
2024スーパー耐久第2戦富士24時間がスタート。DAISHIN GT-R GT3が総合トップを奪う
AUTOSPORT web
気がつけばジワジワと輸入EVトラックが増えている! 「どうする?」日本のトラックメーカー
気がつけばジワジワと輸入EVトラックが増えている! 「どうする?」日本のトラックメーカー
WEB CARTOP
ルノー『5』がEVで復活、航続410km…受注がフランスでスタート
ルノー『5』がEVで復活、航続410km…受注がフランスでスタート
レスポンス
リカルド、F1モナコGP予選は悔しい13番手「トップ10圏外からのスタートは痛い」僚友、8番手の角田裕毅に差つけられる
リカルド、F1モナコGP予選は悔しい13番手「トップ10圏外からのスタートは痛い」僚友、8番手の角田裕毅に差つけられる
motorsport.com 日本版

みんなのコメント

6件
  • 小さくて街乗りで悪く無いよ。
    軽自動車に乗ってて動力性能が不満な人だったら
    満足すると思う。長く乗れる一台。
  •  個人的には好きだが、いかんせんパワーがなさすぎる。国内専用でもかなり無理があるし、海外では(バイク乗りが趣味で125ccを乗るような)ニッチな相手しか商売できない車だった。エンジンが3000cc(最低2000cc)でモーター車体ももそれに合わせたモデルならバカっ速い車で、その方が売れた気がする。まぁ、ベースモデルがあったから開発できたということもあるから、先の大型化は無理だったと思うが…。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

270.0292.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

19.8487.0万円

中古車を検索
CR-Zの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

270.0292.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

19.8487.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村