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どこまで進化する!?「レンジローバー スポーツ」にみる高級スポーツSUVの理想形

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どこまで進化する!?「レンジローバー  スポーツ」にみる高級スポーツSUVの理想形

ラグジュアリーSUVのトップランナーとしてカテゴリーを牽引してきたレンジローバーがフルモデルチェンジを果たし、兄弟車たるレンジローバー・スポーツも第3世代に生まれ変わった。最新のレンジローバーは上質さに磨きが掛かった点に注目が集まったが、そのスポーティバージョンはどのように進化したのか。大きな期待を抱きながら試乗に臨んだ。

新たに開発されたMLA-Flexプラットフォーム

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レンジローバー・スポーツは、文字どおりレンジローバーのオンロードでの走行性能を磨き上げたスポーティ仕様として2004年にレンジローバー・ファミリーに加わったモデルだ。初代はランドローバー・ディスカバリー3と共通の車台をベースに作られて登場。2代目からはレンジローバーと同様のアルミモノコックボディを用い、上質さとともにスポーティな走りも楽しめるモデルとして、アクティブなライフスタイルを実践するユーザーから多くの支持を集めてきた。

そんなレンジローバー・スポーツの3代目は、先代と同様に最新世代のレンジローバーと共通の車体を元に仕立てられた。新たに開発されたMLA-Flexと呼ばれるプラットフォームは、これまでランドローバー社が培ってきた悪路走破性とオンロード性能を十全に発揮できるよう強靭な骨格に仕上げられ、路面状況を問わない極上の走りを実現するべくダイナミックエアサスペンションをはじめとする統合シャシーコントロールを備えている。加えて電動化にも対応できるのもトピックであり、今後はプラグインハイブリッドモデルやピュアEV仕様も登場予定という。

車台の上に纏うボディは、無駄を極限まで省いたシンプルさと力強さが同居するデザインが特徴だ。グリルやライト周りは天地方向に薄い鋭さを増した造形となり、ボディパネルやウィンドーフレームでは段差を限りなく小さくしたフラッシュサーフェス化が著しく、全長×全幅=約5m×2mという巨大なサイズながらも、空気抵抗係数は0.29と空力特性に優れるのもポイント。伝統と先進が融合したスタイルといえるだろう。

それはインテリアにも同じことが言えて、直線基調のシンプルなコクピット周りはデジタルディスプレイによるメーターパネルを配置するとともに、センターコンソールには曲面ガラスの大型モニターをフローティングマウント。Pivo Proと呼ばれる最新のインフォテインメント機能を内蔵して直感的な操作を可能としたほか、最新の先進運転支援システム(ADAS)も完備するなど、機能・装備面でのアップデートも抜かりない。

加えて隙が見当たらないのがその走りっぷりだ。まず何より素晴らしいのが低速域での足さばきで、サスペンションは同じ形式の最新型レンジローバーよりも固めてはあるものの、路面の凹凸を拾った際のショックは角が丸められており、タタンっと小気味よいステップでやり過ごしてくれるのがいい。4輪エアサスペンションが常に適切なエアボリュームで減衰力を調整して車両姿勢を保ってくれているからだろう、高い位置に座っている乗員の体がむやみやたらと揺すられることなく水平移動ができて安心感が高いのだ。

安定した車両姿勢は右へ左へとコーナーが連続するようなワインディングロードでも決して乱れることはなく、これだけの大きな箱を操っているにもかかわらずドライバーの思いどおりに操れるのも美点。これまで様々なスポーティSUVを試してきたが、そのなかでもレンジローバー・スポーツのフットワークとハンドリングはトップクラスといえ、爽快な走りが味わえる一台に仕上がっていた。

今夏には標準仕様のガソリン搭載車も上陸

試乗車が搭載していた3ℓ直6ディーゼルターボのフィーリングが極上の部類にあるのも嬉しいところ。マイルドハイブリッドシステムのモーターとのマッチングもよく、低速から十分なトルクを発揮して2.5トン近いボディを軽々と押し進め、それでいて不快になるような音や振動をキャビンにまったく伝えてこない。パワートレイン自体は先代の後期型から採用されたシステムのキャリーオーバーではあるものの、ディーゼルエンジンとしては最良の部類に入るマナーのよさを備えている。今夏には標準仕様のガソリン搭載車も上陸するというから、この組み合わせも楽しみである。

内外装の仕立てのクオリティの高さはレンジローバーにまったくひけを取らず、フラット感に溢れるフットワークの良さと極上の乗り心地を両立し、そのうえで悪路も厭わない頼もしさに溢れているのが新しいレンジローバー・スポーツだ。雲の上に乗っているかのような柔らかなレンジローバーのドライブフィールも捨てがたいが、余計な姿勢変化を排除した安定感の高さは、スポーティセダンやスポーツカー好きの琴線にも触れるもの。スポーツラグジュアリーSUVとして一級品のパフォーマンスを備えたレンジローバー ・スポーツは、多くの人に自信を持って薦められる一台である。

無駄を排したシンプルなデザインで、空力特性にも優れるレンジローバー・スポーツ。レンジローバーと比べると全長は100mmほど短く、50mm低い。

清潔かつ上質さが際立つインテリア。センターコンソールにはラウンドタイプの13.1インチタッチモニターを備えつつ、物理スイッチも残されていて使いやすい。

シート地は伝統的なセミアニリンレザーのほかに、高い質感を保ちながら耐久性に優れる“ウルトラファブリックス”と呼ばれるサステナブル素材の選択が可能となっている。

荷室容量は標準状態で647ℓを確保。後席を前倒しすれば1491ℓまで拡大できる。荷室壁面に備わる車高調整機構で高さを変えられる点は、荷物の出し入れの際に便利。

大型SUVとは思えないほどドライバーの意思に忠実に反応してくれるのがスポーツたるゆえん。オプションの23インチタイヤを見事に履きこなしていた。

俊敏な走りとゆったりとした乗り心地、パワフルなエンジンなど、高級スポーティSUVに求められる要素をすべて備えたのがレンジローバー・スポーツ。ガソリンモデルや電動化モデルのパフォーマンスにも大きな期待が寄せられる。

ランドローバー・レンジローバー・スポーツ・オートバイオグラフィー D300
Specification


全長×全幅×全高:4,960×2,005×1,820mm
車両重量:2,450~2,530kg
駆動方式:4WD
トランスミッション:8速AT
最小回転半径:6.1m(4輪操舵付きは5.3m)
エンジン:水冷直列6気筒DOHCディーゼルターボMHEV 2,993cc
最高出力:221kW(300PS)/4,000rpm
最大トルク:650Nm(23.2kgm)/1,500~2,500rpm
MHEVモーター
最高出力:13kW(18PS)/5,000rpm
最大トルク:42Nm(4.3kgm)/2,000rpm
WLTCモード燃費:11.3km/ℓ
車両本体価格:¥ 10,680,000~(税込み)
問い合わせ先:ランドローバーコール
TEL:0120-18-5568

文/桐畑恒治(AQ編集部)

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みんなのコメント

11件
  • 空気抵抗係数は大きさと関係ないんだけど
    良い車なのにこう言う朝知恵に記事を書かれて
    しまうってのは 、ほんと残念
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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