F1ドライバーはラリーがお好き!
右が現F1チャンピオンのマックス・フェルスタッペン、右が父親で元F1ドライバーのヨス。PHOTO:RedBull自身もF1ドライバーとして、90年代から2000年代にかけてベネトンやアロウズで活躍したヨスは、今シーズンからラリーへの挑戦をスタート。自身5度目のラリーとして出身国オランダの隣、ベルギーで開催されるWRCイープルを選んでいる。
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「50歳だけど、学ぶためにここにきた」と語ったヨスは、初日を総合25位という上々のポジションで走り切って見せた。しかし、ラリー2日目のSS13で痛恨のコースオフ。WRC屈指の難易度を誇るイープルの舗装路で手痛い洗礼を受けてしまう。それでもマシンのダメージが少なかったことから、最終日にリスタートし、無事にラリーを走り切った。
ヨス・フェルスタッペンは、2022年のWRCラリー・ベルギーでシトロエンをドライバーした。PHOTO:RedBul50歳を迎えて、ラリー参戦をスタートしたフェルスタッペンだが、実はこれまでも多くのF1ドライバーがラリーに挑戦してきた。古くはジャッキー・イクスやカルロス・ロイテマン、マーティン・ブランドルやステファン・サラザンといったドライバーがラリーカーのステアリングを握っている。そして、近年、“真剣”にラリーを戦ったF1ドライバーとして、キミ・ライコネンとロバート・クビサのふたりがいる。
シトロエン C4 WRCをドライブするキミ・ライコネン。PHOTO:RedBull2009年にフィアット・アバルト・グランデプントS2000で、初めてラリーを走ったライコネンは、フェラーリのシートを失った2010年、シトロエンとレッドブルのサポートを受けてWRCに参戦。C4 WRCをドライブしたこのシーズンはリタイアも多かったが、トルコでは5位入賞を手にした。
翌2011年はマシンをシトロエン DS3 WRCにスイッチし、自身のチームからWRC参戦を継続。シーズン序盤はコンスタントに入賞を続けていたものの、表彰台には届かず。結局このシーズンを最後にWRCプログラムを終了し、2012年はロータスからF1に復帰することになった。今シーズンは17歳の甥、ユストゥス・ライコネンがWRCデビューを飾っており、10年ぶりのWRC復帰が囁かれている。
ロバート・クビザもWRC参戦経験のあるドライバーだ。PHOTO:WRC OfficialシトロエンDS3 RRCを駆るクビサ。PHOTO:FIA一方、クビサは2004年に地元ポーランドで初じめてラリーを走り、F1デビュー後も精力的に参戦を続けていた。しかし、2011年にシュコダ・ファビアS2000で参戦したイタリアの国内ラリーで大アクシデントを起こしてしまう。右腕に後遺症が残る大ケガを負ったことで、F1におけるキャリアを断たれてしまうが、苦しいリハビリを乗り越えて、クビサは2012年にラリーでモータースポーツに復帰を果たした。
2013年はシトロエンDS3 RRCで、WRCのサポートカテゴリー「WRC2」にステップアップ。アクロポリス、サルディニア、ドイツ、ツール・ド・コルス、カタルニアと5勝を記録し、見事WRC2王者に輝いた。現時点で、FIAラリータイトルを獲得した、唯一のF1ドライバーとなっている。
その後もラリー活動を継続したクビサだったが、予算的な問題もあり、2016年のモンテカルロを最後にWRCプログラムを終了。その後、2019年シーズンにウィリアムズからF1に復帰している。
ヘイキ・コバライネン PHOTO:Rally Team AICELLO最後に紹介したいのが、全日本ラリー選手権にシュコダ・ファビアR5で参戦中のヘイキ・コバライネンだ。ルノーやマクラーレンからF1に参戦し、近年はSuper GTで活躍したコバライネンは、今シーズンから活動をラリーに一本化した。ここまで5勝を挙げてシリーズを独走中で、もしタイトルを獲得すれば、外国人として初めて全日本ラリー選手権王座を手にすることになる。
コバライネンはWRC最終戦ラリージャパンへの参戦も表明済み。将来的にはWRCへの本格挑戦も考えているようだ。確実にラリードライバーとして経験を積み上げている彼ならば、ライコネンやクビサを上回る“成果”を、WRCで残す可能性は十二分にある。
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コバライネンは昨年にJN2で全日本ラリー選手権王座を取っているじゃないですか。