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【BMW Mの系譜(14)】5代目M5(F10M)はダウンサイジングしながらも圧倒的な性能を実現していた

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【BMW Mの系譜(14)】5代目M5(F10M)はダウンサイジングしながらも圧倒的な性能を実現していた

2011年、F10M型のBMW M5が登場した。1985年にデビューした初代(E28型)から数えて5代目となるこのモデルは、先代のV10ユニットにかわって、ダウンサイジングされた4.4L V8ツインターボを搭載していた。

V8ツインターボはV10に負けないハイテクエンジン
競技用ホモロゲーションモデルをルーツに持つM3とは異なり、ハイスピードクルーザーとして誕生したM5は、世代を重ねるごとに、高性能の方向へと進化し続けてきた。そしてその5世代目M5のF10M型は、環境問題に配慮して、エンジンを先代M5(E60型)の自然吸気5L V10から4.4L V8直噴ツインターボへダウンサイジング、さらにエンジンのアイドリングストップ機能も備えていた。

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その狙いは燃費向上にあった。自動車を巡る環境は切迫しており、M5もそれと無関係でいることはできなかった。

それでも、直噴システム、バルブトロニックを搭載したこのエンジンは、最高出力560ps、最大トルク680Nmと、先代より53ps、160Nmの大幅な性能アップを実現。0→100km/h加速タイムを4.7秒から4.4秒へと大幅に短縮していた。しかもそれでいて、EU総合モードで10.1km/L、CO2排出量も先代を大きく下回る232g /kmを実現していたのには驚かされた。

ギアボックスは7速M DCTドライブロジック。駆動系にはリア左右輪間の駆動力を0~100%の間で自在に制御するアクティブMディファレンシャルを採用。ブレーキはフロントに6ピストンキャリパーを採用し、ローターもフロント400mm、リア396mmという大径サイズが奢られていた。

こうした充実した内容からしてみれば、内外装の仕立てはおとなしめだったが、走らせればMモデルらしい、限界の高い、正確な走りが楽しめた。再びモータースポーツ色は薄れたが、4代目M5のF1イメージは残像としてまだ漂っていた。オーソドックスで実用にも快適に使えるセダンでありながら、スポーツカー顔負けのパフォーマンスを実現するというM5の個性は健在だった。

翌2012年には6シリーズクーペ/カブリオレをベースとしたM6クーペ/M6カブリオレが同じパワーユニットを搭載して登場、2013年にはM6グランクーペも追加された。

BMW Mの系譜のバックナンバー

BMW M5(2011年)
●全長:4910mm
●全幅:1891mm
●全高:1456mm
●ホイールベース:2964mm
●車両重量:1945kg
●エンジン:V8DOHCツインターボ
●排気量:4395cc
●最高出力:560ps/6000-7000rpm
●最大トルク:680Nm/1500-5750rpm
●駆動方式:FR
●トランスミッション:7速DCT
●サスペンション:前ダブルウイッシュボーン後インテグラルアーム
●0→100km/h加速:4.4秒
※欧州仕様

BMW M6クーペ(2011年)
●全長:4989mm
●全幅:1899mm
●全高:1374mm
●ホイールベース:2851mm
●車両重量:1925kg
●エンジン:V8DOHCツインターボ
●排気量:4395cc
●最高出力:560ps/6000-7000rpm
●最大トルク:680Nm/1500-5750rpm
●駆動方式:FR
●トランスミッション:6速MT
●サスペンション:前ダブルウイッシュボーン後インテグラルアーム
●0→100km/h加速:4.4秒
※欧州仕様

[ アルバム : F10M型5代目BMW M5(2011年) はオリジナルサイトでご覧ください ]

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