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トップ・オブ・スポーツセダン! BMW M3 コンペティションの語り尽くせぬ魅力を路上で味わう

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トップ・オブ・スポーツセダン! BMW M3 コンペティションの語り尽くせぬ魅力を路上で味わう

BMW M3 Competition

BMW M3 コンペティション

ランボルギーニ ウラカン STO、日本上陸! その実態はストリートもこなすサーキットスペシャルに他ならない

横溢する多幸感

M社を象徴するモデルはなんと言ってもM3セダンであろう。初代が登場してから35年、世界中のエンスージアストを虜にしてきた。6代目となる新型は510ps/650Nmを叩き出す3.0リッター直6ターボを積むモンスターセダンだ。その強烈すぎる走りを一般道~山岳路で存分に味わってきた。

「“操る楽しさ”が“駆け抜ける歓び”となることをM社は知っている」

新型BMW M3は、欧州では2つのラインナップを展開するので、まずはそのご紹介から。480psに6速MTを組み合わせるM3セダン、そして、510psにドライブロジック付き8速ATを搭載するM3コンペティションの2つの出力の異なるエンジンが用意される。今やスポーツモデルといえども2ペダルが主流で、今後日本にも導入されるであろうMT搭載モデルは希少な存在だ。M3は新型でもちゃんとその選択肢を用意している。もはや2ペダルの方が速いが、サーキットのラップタイムを追求する以外にも“操る楽しさ”が“駆け抜ける歓び”となることをM社は知っているのだ。

さらに秋には、コンペティションにAWDのM xドライブが登場予定。BMWといえば前後重量配分に優れるFRらしいハンドリングが魅力だが、さすがに500psオーバーともなると、AWDの走りも興味深いところだ。

さて、今回試乗したのはM3 コンペティション。「アイル・オブ・マン・グリーン」という、グリーンのボディカラーが鮮やか。スタンダードモデルの3シリーズとは、一線を画したデザインであることは明確であり、ハイスペックに相応しい空力性能を備えている。とはいえ、これ見よがしな装備ではなく、必要な機能をデザインしたという印象だ。

「自然にスッと背筋が伸びて適切なドライビングポジションが取りやすい」

ドアを開けるとこれまた鮮やかなオレンジのインテリアが広がる。なかなか選ぶのに勇気のいる大胆な内外装のカラーコーデだ。そして、「アルミニウム・ファブリック・ハイグロス・インテリア・トリム」はBMWインディビジュアルによるもの。このように好きな色やインテリアをチョイス、オーダーできるのもMモデルの魅力のひとつだろう。

シートに座ると、ピタッとカラダにフィットする。ガチガチのバケットじゃないから乗降性を犠牲にすることなく、それでいて特徴的なサイド・ボルスターがしっかりホールドしてくれる。Mモデルに乗ると自然にスッと背筋が伸びて適切なドライビングポジションが取りやすい。

インパネは、フルデジタルディスプレイを備える。走行モードからコネクテビティまで多くの情報を有するが操作性、視認性ともに優れる。

「スパルタンかと思いきや、一般道を走ると拍子抜けするほどジェントル」

さて、先代より60ps、100Nmパワーアップしたエンジンを搭載したことで、よりスパルタンな乗り味になったかと思いきや、一般道を走ると拍子抜けするほどジェントル。ドライブモードを「ロードモード」で走るとまず乗り心地が快適なことに驚く。M3の最大の強みは、本格的なスポーツ性能を持ちながら4ドアのパッケージングによる実用性の高さも兼ね備えている点だが、そこに快適性まで加われば敵なしだ。

初代のデビューから35年。M3のスポーツセダンとしてのポテンシャルはすでに世の中に十分知らしめられている。その余裕とでも言おうか、ルックスにも身のこなしにも、オラオラ的な無駄なアピールがなく、オーラを放ちながらもスマートだ。

高速道路でも快適な乗り心地の印象は変わらない。そして、2750-5500rpmのワイドレンジで650Nmのトルクを発揮するため、常にレスポンスの良い加速感が得られ「トルク型」のエンジン特性かと思ってしまうほどだ。

「ドリフトの持続時間や走行ライン、角度などを評価するMドリフト・アナライザー」

しかし、やっぱりこのクルマが本領発揮するのはワインディングやサーキットだろう。低回転域で満足していたエンジンも、実は7200rpmまでスカッと気持ち良く回る高回転型。ワインディングでは“モータースポーツ譲り”のパフォーマンスを垣間見れる。フットワークも抜群で、路面のアンジュレーションによる入力を細かく制御し、上下方向の動きを抑制しながら常に高い接地感があり、なおかつ俊敏なハンドリングを見せる。あらゆるシーンで、サスペンションの緻密な制御に感心する。また、可変ステアリングレシオを備えるが、気づかないほど自然なフィーリングだ。

とにかく機能てんこ盛りのM3だが、中でも興味深いのが「Mドライブ・プロフェッショナル」だ。ラップタイムなどサーキット走行の情報が提供されるが、そこに「Mドリフト・アナライザー」機能が用意される。ドリフトの持続時間や走行ライン、角度などを評価する。サーキット走行のひとつとして「ドリフト」も取り入れている点が斬新だ。とはいえ、容易にドリフトするクルマというわけではない。一般道においては高いグリップ、安定性、そして電子デバイスがあるため、まずテールブレイクする心配はない。

「高レベルの快適性と安全性を備えつつ、その気になればドリフトも楽しめる!」

以前からMモデルは、セットアップメニューによって様々なカスタマイズができるのが大きな特徴のひとつだった。新型ではさらにその選択肢が広がった。多くの機能装備を備えるのでそのすべてを紹介できないが、例えばブレーキのペダルフィールに至るまで選択できる。より細かなモード設定ができるようになり、コンフォートモードでは従来以上により快適に、スポーツモードではよりダイナミックな走りを楽しめるようになった。そして、さすがMモデルと思わせたのが「安全性」もカスタマイズできる点。最新のADASを装備し、公道ではより安全快適に走れる一方、サーキットではその介入を任意で制限できるので、スポーツドライビングの妨げにならない。

新型M3の魅力を探るには、とても1日では足りなかった。備わる機能をひと通り試すだけでもかなりの時間を必要としそうだ。そして、パフォーマンスを最大に発揮できるサーキットでも、その速さやドリフトを是非とも試してみたいと思った。

REPORT/佐藤久実(Kumi SATO)
PHOTO/小林邦寿(Kunihisa KOBAYASHI)

MAGAZINE/GENROQ 2021年 8月号

【SPECIFICATIONS】

BMW M3 コンペティション

ボディサイズ:全長4805 全幅1905 全高1435mm
ホイールベース:2855mm
車両重量:1740kg
エンジン:直列6気筒DOHCツインターボ
総排気量:2992cc
最高出力:375kW(510ps)/6250rpm
最大トルク:650Nm(66.3kgm)/2750-5500rpm
トランスミッション:8速AT
駆動方式:RWD
サスペンション形式:前マクファーソンストラット 後マルチリンク
ブレーキ:前後ベンチレーテッドディスク
タイヤサイズ:前275/35R19 後285/30R20
0-100km/h加速:3.9秒
最高速度:250km/h(リミッター作動)
車両本体価格:1324万円

【問い合わせ】
BMWカスタマー・インタラクション・センター
TEL 0120-269-437

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