1992年に登場した初代のランサー エボリューション(Lancer Evolution)は、当時の三菱自動車の勢いを象徴するようなクルマだった。WRCをはじめとするモータースポーツでの活躍が、そのまま市販車の販売につながる時代でもあり、それを効果的に利用したのだ。(ホリデーオート2019年1月号/2018年12月10日発売号より)
ラリーのために市販車を進化させていったランサーエボリューション
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ミツビシは、WRCで勝利の可能性を見せていたギャランVR-4をさらに進化させ、ランサーエボリューション(以下、ランエボ)での参戦を開始した。グループAという市販車の性能が、直接ラリー車の性能につながるカテゴリーで競われていた当時、ミツビシは勝つためにランエボに年次改良を加えていった。
それはミツビシらしいやりかたでもあり、だからこそモータースポーツに直接関係ないユーザーもランエボに魅力を感じるようになったのは事実だ。
エボIIIではT・マキネンが初めてドライバーズタイトルを獲得。市販車のエボIIIも派手なエアロパーツを装着しながらも、使い勝手の良い4ドアセダンとして人気を博することになる。
エボIVでは、リアデフにAYC(アクティブヨーコントロール)を装着。今までトラクションはあっても曲がらないという4WDから、積極的に曲がっていく4WDへと進化していく。
エボVIIに至ると、ACD(アクティブセンターデフ)が装着され、今までセンターデフにビスカスLSDを装着するというアナログ制御から、差動制限を直結からフリーまで電子制御するシステムを採用し電子制御4WDへの道筋を作った。
ランエボは毎年進化していくが、WRCでは1997年から改造の自由度の高いWRカーと呼ばれる規定に変更。ミツビシもランエボのWRカーを投入するが、国内で三菱自動車のリコール隠し問題などから社業が低迷。モータースポーツからも撤退するころになる。そう考えるとランエボの活躍を見られた世代というのは幸せな時代に居合わせたといえるだろう。
WRCでの活躍は無くなるものの、エボVIIからエボIXまでは、国内ラリーを中心としたモータースポーツで活躍を続け、ついには車両運動統合制御システムS-AWCを謳った究極のスポーツ4WDマシンとも言えるエボXまで至ることになる。
(12月10日発売のホリデーオート2019年1月号はミツビシの大特集です!)
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