■フィリピンで発表された大きなハイエース
先日、トヨタがハイエースの海外向け新シリーズをフィリピンにて発表しました。日本仕様のショートボディは小型車枠に収まる4ナンバーサイズだが、新しいグローバル仕様のハイエースはショートでもボディサイズは全長5265mm、全幅1950mm、全高1990mm、ホイールベース3210mmと巨体。ロングボディは全長5915mm、全幅1950mm、全高2280mm、ホイールベース3860mmとさらに大きくなっている。もはや商用1BOXというよりはマイクロバスに近い印象さえある。実際、コミューター仕様では17名乗りも可能なグレードも用意されるほどだ。
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クルマの基本となるプラットフォームも一新、TNGA思想により設計された新世代プラットフォームとなり、先進安全装備もToyota Safety Senseを採用している。ハイエースというブランドにふさわしい最先端のテクノロジーが投入されたといえる。市場の評価はこれからだが、かなりの力作であることは間違いない。
■セミキャブオーバースタイルでV6エンジンも設定
大きくなったボディの、最大の特徴はノーズを得たセミキャブオーバースタイルとなったこと。主に衝突安全性を高めるものだが、ミニバン的なシルエットは乗用タイプの展開も期待したくなる。そのフロントには二種類のエンジンを搭載。ひとつは、2.8Lのディーゼルエンジン「1GD」型、これは日本でもランドクルーザープラドなどでお馴染みのユニットだろう。もうひとつが3.5L V6のガソリンエンジン「7GR」型。GR系のV6エンジンはクラウンやアルファード/ヴェルファイアなどに搭載されているが、7GRという型式はあまり馴染みがない。それもそのはず、これまで中国仕様のランドクルーザープラドに使われているくらいでグローバル展開は初といえるエンジンなのだ。
実用的なセッティングでタフな仕上がりとなっているであろうことは想像できる7GRエンジンだが、ダウンサイジング、レスシリンダーが叫ばれる時代にあえてV6を用意するということは、仕向け地によってはフラッグシップ的な立ち位置もカバーすることを意識しているのだろうと予想できる。日本では、使い勝手の面から従来型ハイエースが継続販売されるというが、上級ハイエースとして新しい海外仕様を求める声も少なからず出てきそうに思う。
■グランビア、グランドハイエースを思い出す
かつてハイエースの名を冠したクルマとしてセミキャブオーバーのボディにV6エンジンを積んだモデルが存在していた。覚えているだろうか、「グランビア」、「グランドハイエース」という名前を。1990年代半ばに生まれた、この2台はメカニズム的には欧州仕様のハイエースの兄弟車といえるもので、現在のアルファード/ヴェルファイアにつながる市場を開拓したという面もある。
歴史は繰り返す、というが仮に新しいグローバル・ハイエースに乗用バージョンがあるとして、それが日本に導入されたとしたら、アルファード/ヴェルファイアの上のクラスを開拓するやもしれない。もちろん、全長5m超、全幅2m近い巨体なので日本の道路上では持て余す可能性が高そうだが……。
文:山本晋也
自動車コミュニケータ・コラムニスト
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