現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 高性能「巨大ベッド」搭載!? 日産「新型“車中泊”カー」寝心地はどう? 実際に「泊ってみた」印象とは

ここから本文です

高性能「巨大ベッド」搭載!? 日産「新型“車中泊”カー」寝心地はどう? 実際に「泊ってみた」印象とは

掲載 2
高性能「巨大ベッド」搭載!? 日産「新型“車中泊”カー」寝心地はどう? 実際に「泊ってみた」印象とは

■乗り込んだ瞬間「非日常な空間」に!

 日産は2024年夏、ワンボックス型の商用バン「キャラバン」の新たなラインナップとして、車中泊も可能な大型ベッドやテーブルなどを搭載する「キャラバン MYROOM(マイルーム)」を発売する予定です。
 
 先行して2024年春に発売された特別仕様車「ローンチエディション」を使い、筆者(くるまのニュース編集部T)が実際に「泊まってみた印象」など、“マイルーム”の使い勝手について紹介します。

【画像】めちゃカッコいい! ニッサン新型「豪華“車中泊”カー」を画像で見る(30枚以上)

 キャラバンは、1973年に発売を開始したワンボックス型の商用車です。

 2012年登場の現行型で5代目。堂々としたスタイリングや、先進安全機能などを搭載したほか、従来以上に荷室の使い勝手に配慮し、ライバルのトヨタ「ハイエース」をしのぐクラスNo.1の広さを誇ります。

 当初は「NV350キャラバン」の車名に変更されていましたが、2021年に実施されたマイナーチェンジで再びキャラバンの車名に戻りました。

 デビューから50年以上の間、キャラバンは業務用途に加えアウトドアやレジャーシーンにおいても活躍し、幅広いユーザーから支持を集めていますが、近年は広い室内を活用し「車中泊」を楽しむユーザーも増えているといいます。

 こうした需要に応え、日産でも荷室スペースに左右跳ね上げ式のベッドシステムとフロアパネルを備えた車中泊モデル「キャラバン マルチベッド」を設定し、根強い支持を集めています。

 そして新たな車中泊のカタチを提案するべく、日産は2023年10月に新型「キャラバン MYROOM(マイルーム)」を発表しました。

 室内は2列シートレイアウトの5人乗り。前席はベースとなるキャラバン「GRAND プレミアムGX」と変わりませんが、その後ろの部分、通常なら後席と荷室となるエリアが全く様変わりしています。

 日産は新型キャラバン マイルームについて「これまでにない新たなカテゴリーのクルマ」だと説明します。

 外観は細部のカスタマイズこそ施されているものの、基本的にはベース車同様です。しかし新型キャラバン マイルームの見どころは、こだわり強めな内装の凝った仕立てにあります。

 広い荷室空間の「クルマの内装感」を徹底的に消すため、木目をふんだんに使用。まるで自分のお気に入りの部屋(マイルーム)ごと自然の中に持ち込み「リラックス(憩うこと)」ができるクルマを目指したといいます。

 実車の車内に入ってみるとその狙いを見事に達成していることがわかり、おおげさではなく「クルマにいることを忘れそうになる」非日常な空間です。

 なお先行発売された特別仕様車のローンチエディションは、新型キャラバン マイルームに装着できるメーカーオプションをあらかじめすべて装備した、いわば「全部ノセ」仕様となっています。

 どれも通常のクルマではあまり見ない装備ばかりで、車内カーテンやウッドブラインドをはじめ、AC 100V電源、スポット照明付きの木目調ルーフパネル、ロールスクリーン、ルーフサイド間接照明など、いずれも手の込んだ専用機能が標準で備わります。

 木目インテリアとの相性もバツグンで、さらに“クルマの内装感”を消し去ることに貢献していました。

■1台でいろんな楽しみ方が可能な「お得なクルマ」!?

 室内のシートアレンジなどを紹介していきましょう。まず後席は、新型キャラバン マイルームのオリジナル「2in1シート」に変更されています。

 シートの表面と裏面で硬さの異なるクッションパッド構造を採用し、簡単な操作で「ドライブモード」「ベッドルームモード」(硬め)、そして「リビングルームモード」(柔らかめ)の各モードにアレンジ可能。

 脱着式のテーブルは前後へスライドすることができ、各モードに応じた様々な使い方が可能となっていて、リビングルームモードの場合ソファのようなかけ心地とともに、文字通りリビングのようなくつろぎが楽しめます。

 ドライブ中にクルマを景色の良い場所に停めれば、そこが即リビングになるというのは、非常に贅沢な体験といえます。

 そして車中泊用ベッドは「折りたたみベッド」と、架装オプション「MYROOM跳ね上げベッド」の2つの仕様から選択できますが、試乗車は後者でした。

 普段は壁側に収納され、使用する際にはワンアクションでベッドが展開される優れモノです。

 後席シートをベッドルームモード(フルフラット)にしてつなげると、ベッドの長さ2192mm、幅1204mmという広大な「寝床」が誕生します。身長180cmの筆者でも余裕たっぷりで、大人2名の就寝も十分できそうです。

 ミニバンなどのシートアレンジでも、セカンドシートとサードシートなどをつなげてフルフラットな寝床をつくることはできますが、シート形状の立体的な起伏が影響し寝返りを打つのもしんどく、そのまま寝るのは厳しいもの。

 その点、新型キャラバン マイルームのベッドはほぼ真っ平らで、寝心地はやや硬めですが、キャンプ用マットなどを敷かなくてもまったく問題なく、ひと晩快眠することができました。

 ただしキャンピングカーのような本格的な断熱処理などは施されていないので、真夏や真冬は対策を練る必要がありそう。

 車中泊でひと晩じゅうエンジンをかけっぱなしにするのは絶対にNGです。

 車載の外部電源システムを利用し、RVパークやオートキャンプ場の電源付きサイトなどで100V電源を取り入れて、ホットカーペットなどの家電製品を有効活用するのが良いでしょう。

 なお市販のキャンピングカーでは、前述の断熱に加え、エンジンを停めていても使える灯油式のFFヒーターや、走行用とは別の車載バッテリーを使用するクーラーなどで、年中快適機能が稼働するクルマもありますが、そのぶんかなりの重装備になり、価格もグンと上がります。

 その点で新型キャラバン マイルームは、通常のキャラバン(標準幅・標準ルーフ)とまったく同じ4ナンバー枠に収まるコンパクトなボディという気軽さが特徴で、日常は仕事や買い物に使える実用車として使えます。

 それでいて週末は旅先で他にはない「非日常」が味わえるのです。1台で多彩な使い方ができて、むしろお得なクルマなのかもしれません。

■走りはベース車以上に安定感あり!?

 最後に走行感覚についても触れておきます。試乗車は2.4リッター直列4気筒のクリーンディーゼルターボエンジンを搭載する2WD(後輪駆動)モデルでした。

 2022年のマイナーチェンジでトルクが大幅に上がった新型エンジンに変更されており、その際にトランスミッションも7段式に載せ変わっています。

 ワンボックスバンはそのレイアウト上、ドライバーがエンジン及び前輪車軸の上に乗っている状態となります。

 日ごろは乗用車に乗り慣れているせいか、最初は独特の乗り味に戸惑いましたが、高速道路をしばらく走ったくらいですぐに馴染むことができました。

 パワーは十分以上あり、高速を巡行している際でも静粛性はしっかり保たれています。インテリアの大きな架装物からきしみ音などが聞こえることもなく、しっかりした造作であることがわかります。

 試乗車のカタログ上の車両重量は2135kg(持ち込み登録車のため参考値)。ベース車(1820kg)に比べ300kgほど重いですが、むしろ乗り心地や安定感はベース車以上かもしれません。

 車両後半に積まれた架装の重さが良い意味で効いていることが推察されます。

 なおそのぶん最大積載量は750kgとベース車(1000kg)に比べ減っているので、平日に仕事で使おうとしている人は積載物の重量に注意が必要かもしれません。

※ ※ ※

 日産によると、今回試した特別仕様車のローンチエディションはすでに注文が予定台数に達したため、オーダーは終了しているといいます。

 新型キャラバン マイルームを手に入れたければ、前述の通り2024年夏の正規モデル発売までもう少し待つ必要があります。

 新型キャラバン マイルーム特別仕様車“ローンチエディション”の販売価格(消費税込み)は、2タイプあるベッドの仕様や、ガソリン車とディーゼル車の違い、さらに駆動方式の違いによって、595万8700円から714万100円です。

 ベースのGRAND プレミアムGXが333万1900円から430万2100円なので、その差は262万8000円から283万8000円とそれなりにあります。

 ただし前述の通りローンチエディションは「オプション“全部ノセ”」で、価格なりの満足度も高い仕様です。

 一方でローンチエディションの特別装備がすべてオプションだとすれば、正規モデルについては販売価格もグッと抑えられる可能性が高いでしょう。

 2024年4月時点で、今夏発売予定の新型キャラバン マイルーム(正規モデル)に関する情報は公開されておらず、仕様や価格の詳細なども不明ですが、お得な設定となることを大いに期待したいところです。

こんな記事も読まれています

車中泊に最適&最強! 日産の「巨大ベッド搭載車」が完成度高すぎ! 「キャラバン マイルーム」何がスゴい?
車中泊に最適&最強! 日産の「巨大ベッド搭載車」が完成度高すぎ! 「キャラバン マイルーム」何がスゴい?
くるまのニュース
トヨタ「コンパクトミニバン」が絶好調! 「オシャ」で「カワイイ」だけじゃない! なぜ「シエンタ」は人気を集め続けるのか
トヨタ「コンパクトミニバン」が絶好調! 「オシャ」で「カワイイ」だけじゃない! なぜ「シエンタ」は人気を集め続けるのか
くるまのニュース
大型トラックにある「謎の小部屋」 室内はどんな感じ? 実は“快適”な空間!?  どんな使い方が出来るのか
大型トラックにある「謎の小部屋」 室内はどんな感じ? 実は“快適”な空間!? どんな使い方が出来るのか
くるまのニュース
トヨタ最強「商用バン」が画期的すぎ!? めちゃ使える“カクカク”内装は「もはや住める」レベル! 大人気「プロボックス」が愛される理由とは
トヨタ最強「商用バン」が画期的すぎ!? めちゃ使える“カクカク”内装は「もはや住める」レベル! 大人気「プロボックス」が愛される理由とは
くるまのニュース
ホンダが新型「個性派 軽バン」発売! “高質感内装”採用の「車中泊仕様」 「STYLE+ NATURE」どんな人が買う?
ホンダが新型「個性派 軽バン」発売! “高質感内装”採用の「車中泊仕様」 「STYLE+ NATURE」どんな人が買う?
くるまのニュース
全長3.4m級のホンダ「小型ミニバン」あった!? まさかの超斬新「カクカク透明ボディ」×6輪仕様がスゴい! 画期的すぎた「UNIBOX」とは何だったのか
全長3.4m級のホンダ「小型ミニバン」あった!? まさかの超斬新「カクカク透明ボディ」×6輪仕様がスゴい! 画期的すぎた「UNIBOX」とは何だったのか
くるまのニュース
トヨタ「新型4ドアオフロードSUV」登場! 車高アップ×ド迫力「ブラック仕様」がカッコイイ! 新「LANDSCAPE」 クラウン通常モデルとの違いは?
トヨタ「新型4ドアオフロードSUV」登場! 車高アップ×ド迫力「ブラック仕様」がカッコイイ! 新「LANDSCAPE」 クラウン通常モデルとの違いは?
くるまのニュース
トヨタの観音開きSUV「FJクルーザー」どんなクルマ? 丸目レトロ顔の斬新SUV!? “ランクル250”との共通点とは
トヨタの観音開きSUV「FJクルーザー」どんなクルマ? 丸目レトロ顔の斬新SUV!? “ランクル250”との共通点とは
くるまのニュース
ホンダの都会派SUV「ヴェゼル」に“アウトドア風味”の「新キャラ」登場! 野性味あふれる「HuNT」仕様が斬新カッコいい!
ホンダの都会派SUV「ヴェゼル」に“アウトドア風味”の「新キャラ」登場! 野性味あふれる「HuNT」仕様が斬新カッコいい!
くるまのニュース
ホンダが新型「軽バン」今秋発売! 斬新「前後2人乗り」&カラーに注目!? 注目度高い「N-VAN」どんな人が買う?
ホンダが新型「軽バン」今秋発売! 斬新「前後2人乗り」&カラーに注目!? 注目度高い「N-VAN」どんな人が買う?
くるまのニュース
ホンダ「新型軽バン」登場! まさかの“2シータータンデム仕様”に「真っ黒テールゲート」採用!? 斬新すぎる「カラバリ」に反響大
ホンダ「新型軽バン」登場! まさかの“2シータータンデム仕様”に「真っ黒テールゲート」採用!? 斬新すぎる「カラバリ」に反響大
くるまのニュース
日産「新型エルグランド」まもなく登場? 15年ぶり“全面刷新”で「アルファード対抗馬」なるか!? 待望の「次期モデル」どうなるのか
日産「新型エルグランド」まもなく登場? 15年ぶり“全面刷新”で「アルファード対抗馬」なるか!? 待望の「次期モデル」どうなるのか
くるまのニュース
トヨタ新型「カローラ」発売! 精悍さアップの「スポーツ」仕様も!? デビューから約“60年”「ずっと人気」維持し続ける秘密とは
トヨタ新型「カローラ」発売! 精悍さアップの「スポーツ」仕様も!? デビューから約“60年”「ずっと人気」維持し続ける秘密とは
くるまのニュース
日産「超高級ミニバン」に100万円超のオプションが存在!? 最上級「エルグランドVIP」のプレミアム装備がスゴい!
日産「超高級ミニバン」に100万円超のオプションが存在!? 最上級「エルグランドVIP」のプレミアム装備がスゴい!
くるまのニュース
全長4.3m! 斬新すぎるトヨタの小型「スライドドアSUV」に注目! 流行りの「ゴツゴツ」デザインに“悪路走破性”実現した「Tjクルーザー」とは
全長4.3m! 斬新すぎるトヨタの小型「スライドドアSUV」に注目! 流行りの「ゴツゴツ」デザインに“悪路走破性”実現した「Tjクルーザー」とは
くるまのニュース
トヨタの人気商用車「ハイエース」買うなら新車・中古車どっちがいい? 20年目の“ご長寿モデル”の魅力とは?
トヨタの人気商用車「ハイエース」買うなら新車・中古車どっちがいい? 20年目の“ご長寿モデル”の魅力とは?
くるまのニュース
ホンダの「“SUV”軽商用バン」!? 豪華ウッド内装が超オシャレ! 待望のタフモデル「TRIP VAN」とは
ホンダの「“SUV”軽商用バン」!? 豪華ウッド内装が超オシャレ! 待望のタフモデル「TRIP VAN」とは
くるまのニュース
アウトドアブームで人気の「キャンピングカー」普通免許で乗れる? 運転する時の意外な注意点とは
アウトドアブームで人気の「キャンピングカー」普通免許で乗れる? 運転する時の意外な注意点とは
くるまのニュース

みんなのコメント

2件
  • s01********
    ワクワク感はすごいと思うけど車って暑いし空気こもるしマットがよくても快適ではないと思う
  • hru********
    車の用途間違っていますよー
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

252.7507.7万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

24.6799.0万円

中古車を検索
キャラバンの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

252.7507.7万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

24.6799.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村