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スバル・アウトバック 詳細データテスト クラス随一の走破性 装備やデザインは古め パワーがほしい

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スバル・アウトバック 詳細データテスト クラス随一の走破性 装備やデザインは古め パワーがほしい

はじめに

電動車が多数を占めるニューモデルが続々登場するなかで、販売規模が少ないブランドやクルマを見落としてしまうこともある。最新世代のスバル・アウトバックもそんな1台で、2021年発売なのにこれまで取り上げる機会を逸してきた。

【画像】写真で見るスバル・アウトバックとライバル 全16枚

それはユーザーも同じだったようだ。2022年、スバルの英国での販売台数はたったの1391台。これはアルファロメオやベントレーより少なく、上陸まもないジェネシスをわずかに上回ったのみだ。

象徴的なモデルを長年欠いていたというのも、マイナスに働いた。かつてのインプレッサであるWRX STIが販売終了したのが2017年で、その後継モデルは英国にやってこなかった。スバルはボクサー4ターボとMTを積むWRXを生産してはいるが、欧州では販売していない。

おそらく、フォルクスワーゲン・ゴルフRのようなハイパーハッチがあるならば、売るのは無駄だと考えたのだろう。それは理解できることだ。しかし、トヨタGR86が早々に完売したことを考えれば、英国のエンスージアストが少数でもBRZを販売して欲しいと期待していることは想像できる。

残念ながら、英国におけるスバルは、そういうブランドイメージを欲していないらしい。2020年、マネージングディレクターのジョン・ハーティグはオートカーに「現在のスバルブランドには関わりのないクルマです」と語っているのだ。

では、現在のスバルを代表するクルマとは何か。それを明確に示しているのはアウトバックに違いない。歴代モデル同様、真剣にリフトアップして、オフロードテイストを付加したワゴンだ。

2023年現在において一般的でないのは、パワートレインが電動化もターボ化もされていない2.5L水平対向4気筒ガソリンだということ。これらの要素はじつにニッチだが、目的にはこの上なくフィットしたものだ。

意匠と技術 ★★★★★★☆☆☆☆

なんとなくスバル車を気にしてきた程度のひとなら、いつからアウトバックの車名からレガシィが消えたのか、疑問に思うかもしれない。1994年に登場した初代は、たしかにレガシィワゴンをSUV風に仕立てたクルマだった。現在でもそれは変わらないが、レガシィのセダンもワゴンも欧州で販売されなくなったのだから、もはやわざわざ名乗る必要はないといえる。

最近のスバル車はまじめで、安全性や信頼性、機能性にフォーカスし、そのことがエクステリアにも反映されている。引き上げられた車高やプラスティックのクラッディング、アンダーガードといった、アウトドアテイストのアイテムがSUV風だが、基本的にボディはワゴンフォルムで、灯火類に冒険的なところはない。

BRZや自社初のEVのソルテラの開発でトヨタと協力したスバルだが、主力エンジン車ではとことん独自路線を貫いている。ベースとなっているスバル・グローバル・プラットフォーム(SGP)は、フォレスターやXVと共通だ。

スバルが誇る四輪駆動システムのシンメトリカルAWDは標準装備。もちろん、シンメトリカルが意味するのは、水平対向エンジンやドライブシャフトの左右が対称であることだ。本格クロカンほどではないが、このクラスでは本気度の高いシステムだ。センターデフの代わりに湿式多板クラッチを用いる。このクラスでは基本的にはセンサーがスリップを検知してから後輪へトルクを送る仕組みだが、スバルは常時クラッチを部分的に接続し、60:40の前後駆動力配分をデフォルトとしている。走行状況やモードに応じて、この割合は変更可能だ。

欧州仕様のアウトバックは、直噴2.5L自然吸気エンジンを積み、ハイブリッドアシストは用意されない。比較的シンプルなそれは、最近では一般的ではない。しかも、スバルがそうしたことにも驚きを感じる。フォレスターには電動アシストを備えたe−ボクサーを、欧州仕様以外のアウトバックには2.4Lターボを、それぞれ設定しているのだから。

2.5Lユニットは完全新開発ではないが、スバルによれば前世代に対して90%は新設計か改修を受けているとのことで、圧縮比は10.3:1から12.0:1へ高められた。しかし、最高出力発生回転数は高めの5000~5800rpmで、ピーク値の169psは5psダウンだ。実測1690kgのクルマには、パワフルなエンジンとは言えない。

内装 ★★★★★★★☆☆☆

アウトバックに乗り込むと、2010年頃を思い出さずにはいられないだろう。大型の縦型ディスプレイを除けば、インテリアのレイアウトも、デザインやマテリアルのチョイスも、わざと流行から外したように思えてくる。

それも狙い通りなのかもしれない。カーゴパンツのように、トレンディであることより、快適で実用的であることがアウトバックの目指したものなのだろう。

快適さは間違いない。レザーシートは広くてソフトだし、手が触れる部分のほとんどは柔らかなレザー調素材で覆われている。とくに独自性があるわけでも、特別に実用的な収納で驚かされるわけでもないが、機能性に文句はないし、必要なものはすっかり揃っている。

アームレスト下の収納スペースはかなり深さがあり、ふたつのドリンクホルダーと、センタースタックで隠された、スマートフォンを置くのにちょうどいい、パッドが張られた収納スペースも用意されている

スバルがモダン化の罠にハマったのは、エアコンの操作系だ。温度調整用のボタンはあるが、シートヒーターを含むその他すべての操作部は、タッチディスプレイに統合された。少なくとも、空調パネルは常に表示されているが、インターフェースはよりレスポンスよく直感的にできたのではないだろうか。

エンジン縦置きレイアウトゆえに、スペース効率はエンジン横置きのライバルに劣る。後席レッグルームも、横置きFFベースの競合車には及ばない。それでも、身長180cmの乗員が快適に過ごせて、前屈みになれる余裕もある。

ヘッドルームも不足はない。ワゴンボディゆえ、広大なわけではないが。また、予想外のアイテムやギミックはない。USBポートと送風口はふたつずつで、あとはかなり快適なベンチシートがあるくらいだ。

荷室については、スコダ・シュパーブに100Lほど及ばない。四輪駆動システムが容量を食っていると思うだろうが、じつはフロア下がかさばる発泡素材で埋められているのも一因だ。

それでも、メインの積載スペースは十分に使いやすい。フロアと開口部の段差はなく、後席は荷室側のハンドルで倒してフラットにできる。フックや結節ポイントも多い。

走り ★★★★★★☆☆☆☆

169psの自然吸気ユニットとCVTというスバルの選択は、アウトバックのパフォーマンスを高めはしなかった。ドライビングスタイルをクルマに合わせる限りはまずまずで、じつにゆったり乗れるクルマだ。

CVTは控えめに加速するようプログラムされているので、エンジン回転は3000rpm程度をキープする。ということは、急いて走らなければ、エンジンが比較的に静かなまま、変速に掻き乱されず穏やかに流せるわけだ。

問題は、もう少しペースを上げたいとき、もしくは、混み合った高速道路を走らざるを得ないときだ。そうなると、1690kgのクルマに169psでは物足りないのがすぐわかる。テスト車は、0-100km/hを公称タイムより0.4秒早く駆け抜けたが、それでも9.8秒かかった。

CVTはベストを尽くしている。もしフロアまでペダルを踏み込んでも、パワーバンドをキープし続けるはずだ。擬似的なシフトチェンジも可能だ。そこに不自然さはなく、変速ノイズのないギアボックスとしか思えない。

それはかなりありがたい。というのも、このクルマのボクサー4が、サウンドを楽しめるエンジンではないからだ。低回転域では、静かすぎて個性が見出せない。高負荷時には、苦しそうな小排気量ディーゼルのような音だ。

最悪なのは、スタート/ストップシステムによる再始動時だ。クランキングに多少手間取り、とくにそのときの音がうれしくない。しかも、スタート/ストップシステムをオフにするボタンがないのが腹立たしい。タッチ画面のセッティングメニューから停止させなくてはならないのだ。

牽引重量は2000kgだが、このエンジンには荷が重いのではないだろうか。アメリカでは、同じエンジンで15ps余計に出しているし、このクルマによりふさわしいと思える264psの2.4Lターボも選べるのだが。

ブレーキペダルは、エネルギー回生による破綻がなく、うれしいくらい有機的なフィールを伝えてくる。乾燥路面での113km/hからの緊急制動距離は、比較したスコダ・シュパーブより1.8m長かった。装着されたブリヂストン・アレンザとのマッチングには疑問があるものの、スタビリティへの悪影響はみられなかった。

使い勝手 ★★★★★★★☆☆☆

インフォテインメント

メルセデスやジェネシスのように、トップレベルのマルチメディアシステムを自社開発できないなら、Googleのシステムを導入したルノーのように他社製品を採用するか、シンプルに徹するかするのが賢明。スバルは後者を取った。

インターフェースは、子ども向けのビデオゲームっぽい感じもするが、大きなボタンとシンプルなメニューは、必要な機能へすぐに辿り着かせてくれる。ステランティス系のモデルに見られるのと同様のトムトム製ナビはフィールドとツーリングの各グレードに装備される。仕事は果たしてくれるが、これでなければというほどのものではない。

テスト車は渋滞情報を得るためのデータ接続が装備されていなかったので、Apple CarPlay経由でGoogleマップを使う意味が大きくなったが、大きな縦型ディスプレイへの表示は上々のでき。AppleもAndroidもワイヤレス接続が追加設定されたらしいが、テスト車は未装備だった。

ツーリング仕様には11スピーカーのハーマンカードンが装備される。サウンドは良好だが、飛び抜けているわけではない。

燈火類

マトリックスLEDヘッドライトは、全車標準装備だ。

ステアリングとペダル

クラッチペダルがないので、ペダル配置は明らかによくなっている。ステアリングコラムの調整範囲は良好だ。

操舵/安定性 ★★★★★★☆☆☆☆

スバルは、ボクサーエンジンと四輪駆動システムの利点を訴え続けている。フラットなエンジンは重心高を下げ、シャシーの後方へ寄せて搭載することもできる。いっぽうで4WDは、すべりやすい路面で安全性が高い。

残念ながら、それは古い考え方のように思える。最新のトラクション/スタビリティコントロールは、平均的なドライバーが平均的な運転をしていれば、ホイールスピンを起こしたり、オーバーステア出っ放しにしたりはしない。また、まっとうなウインタータイヤやオールシーズンタイヤを履いていれば、二駆でも英国の雪が降る丘陵ならほぼ走れてしまうはずだ。

公道上では、アウトバックはニュートラルな感じで、グリップは必要最低限だが、前輪からのレスポンスは悪くない。ステアリングの手応えはプログレッシブに増していき、現状を十分に教えてくれる。シャシーはスロットルを残しながらでも曲がろうとして、まるでスタビリティコントロールが効いていないようだ。

低い重心高はロールを減らすというスバルの主張とは対照的に、アウトバックはソフトなサスペンションの上で大きくボディを動かすので、コーナーへ入る前にそれをおとなしくさせることが必要になる。それはやや古いタイプの運転の仕方で、スポーティではないが、つまらないものでもない。

取り回し中にステアリングをロックするまで切ると、やや洗練性に欠くように感じるかもしれない。少なくとも取り回しはまずまずしやすい。視認性はかなり良好で、ドアミラーはかなり大きい。助手席側ミラー下部の前方カメラも役に立つ。ノーマルのバックカメラは、多少ながら魚眼レンズ由来の歪みが出る。

ADASのアイサイトは、現行アウトバックのデビュー時には義務化されてなかったいくつかの機能も加わった。たとえばそれはドライバーモニタリングや制限速度警告だ。テスト車は2022年7月以前の登録なので、制限速度警告はオフにできる仕様となっている。

多くの機能はうまく働いてくれる。アダプティブクルーズコントロールなどは、反応が早くスムースだ。われわれとしては必要性をあまり感じないドライバーモニタリングとレーンキープアシストにしても、さほどうるさく介入してくることはない。

快適性/静粛性 ★★★★★★★☆☆☆

アウトバックはスポーティではないかもしれないが、かなり快適だ。サスペンションはソフトなだけでなく、トラベルも長いので、プライマリーライドはしなやかで、大きなバンプを越えるときでも抑えが効いていて、ふわつくこともない。

残念なのは、荒れた路面での乗り心地がかなり悪いこと。分厚い60タイヤを履いているにもかかわらず、路面の穴を踏むとガタガタして、あまりしつけのよくないところを露呈する。

大きなドアミラーが発する風切り音を別にすれば、遮音性はかなりいい。113km/h巡航での騒音値は65dBAで、より高級なボルボV90より1dBA低い。

シートもまた、快適性の助けになっている。パッドはソフトで、全体的にアームチェアのよう。また、ヒーターと8ウェイ電動調整は全車標準装備だ。ワゴンだと思うと着座位置は高いが、シートとほかの操作系との位置関係はよくできている。また、アウトバックはスポーティさを追求していないので、すべてが適切に感じられる。

購入と維持 ★★★★★★★☆☆☆

かなり本気の4WDシステムと、スキッドプレートなどのオフロード用ギアは標準装備なので、そういう用途を求めていないユーザーには無用の長物となりかねないアウトバック。価格は3万6990ポンド(約666万円)で、テストしたツーリング仕様は4万2490ポンド(約765万円)。シトロエンC5 Xや、1.5TSIのスコダ・シュパーブは、これより安く、広く、経済的だ。

しかしながら、この価格帯である程度のオフロード性能を求めるなら、同じクラスにライバルを見つけるのは難しい。ボルボのクロスカントリーやアウディのオールロード、フォルクスワーゲン・ゴルフ・オールトラックは英国向けラインナップから落ちたし、スコダ・コディアックやトヨタRAV4といったクロスオーバーSUVは、悪路走破性でアウトバックに敵わないだろう。

となると、もっとも競合するのはダチア・ダスターの4WDモデルかもしれないが、高級感では雲泥の差だ。そうなると、アウトバックの価値は高い。

燃費は、走り方によって左右される。自然吸気エンジンで重いクルマを走らせるにはハードに回さざるを得ず、パフォーマンスを求めるとCVTが高回転を維持することになる。結果として、1週間乗っての平均燃費は10.4km/Lとなった。いっぽう、高速道路を穏やかに走った場合は15.2km/Lだ。

3年/9.6万kmの保証は特別長いものではに。信頼性は高いほうだが、トヨタほど壊れないわけではない。

スペック

レイアウト

英国向けのスバル車はすべて、スバル・グローバル・プラットフォーム(SGP)がベース。4気筒ボクサーをフロントに積むが、ほぼフロントアクスルより後方に位置する。

駆動方式は、湿式多板クラッチを用いる4WD。サスペンションはフロントがストラット、リアがダブルウィッシュボーン。前後重量配分は56:44だ。

エンジン

駆動方式:フロント縦置き四輪駆動
形式:水平対向4気筒2981cc、ガソリン
ブロック・ヘッド:アルミニウム
ボア×ストローク:φ94.0×90.0mm
圧縮比:12.0:1
バルブ配置:4バルブDOHC
最高出力:169ps/5000~5800rpm
最大トルク:25.7kg-m/3800rpm
エンジン許容回転数:6000rpm
馬力荷重比:100ps/t
トルク荷重比:15.2kg-m/t
エンジン比出力:68ps/L

ボディ/シャシー

全長:4870mm
ホイールベース:2745mm
オーバーハング(前):1020mm
オーバーハング(後):1105mm

全幅(ミラー含む):2060mm
全幅(両ドア開き):3780mm

全高:1675mm
全高(テールゲート開き):2070mm

足元長さ(前席):最大1100mm
足元長さ(後席):775mm
座面~天井(前席):最大1015mm
座面~天井(後席):1000mm

積載容量:561~1750L

構造:スティール、モノコック
車両重量:1674kg(公称値)/1690kg(実測値)
抗力係数:−
ホイール前・後:7.0Jx18
タイヤ前・後:225/60 R18 100V
ブリヂストン・アレンザH/L33
スペアタイヤ:なし(パンク修理キット)

変速機

形式:CVT
ギア比/1000rpm時車速〈km/h〉
ロー:4.07:1/-
ハイ:0.50:1/-
最終減速比:3.90:1   

燃料消費率

AUTOCAR実測値:消費率
総平均:10.4km/L
ツーリング:15.2km/L
動力性能計測時:5.9km/L

メーカー公表値:消費率
低速(市街地):8.2km/L
中速(郊外):12.4km/L
高速(高速道路):14.0km/L
超高速:11.5km/L
混合:11.6km/L

燃料タンク容量:63L
現実的な航続距離:653km
CO2排出量:193g/km

サスペンション

前:マクファーソンストラット/コイルスプリング、スタビライザー
後:ダブルウィッシュボーン/コイルスプリング、スタビライザー

ステアリング

形式:電動機械式、ラック&ピニオン
ロック・トゥ・ロック:2.7回転
最小回転直径:12.2m

ブレーキ

前:265mm通気冷却式ディスク
後:255mm通気冷却式ディスク
制御装置:ABS
ハンドブレーキ:電動、センターコンソールにスイッチ設置

静粛性

アイドリング:45dBA
全開時(MTモード4速):75dBA
48km/h走行時:58dBA
80km/h走行時:62dBA
113km/h走行時:65dBA

安全装備

ドライバーモニタリング/カーテンエアバッグ/ニーエアバッグ/死角モニター・回避/ISA
Euro N CAP:5つ星
乗員保護性能:成人88%/子供89%
歩行者保護性能:84%
安全補助装置性能:95%

発進加速

テスト条件:乾燥路面/気温20℃
0-30マイル/時(48km/h):3.4秒
0-40(64):5.0秒
0-50(80):6.9秒
0-60(97):9.3秒
0-70(113):12.1秒
0-80(129):15.6秒
0-90(145):20.3秒
0-100(161):26.9秒
0-110(177):37.2秒
0-402m発進加速:17.1秒(到達速度:134.5km/h)
0-1000m発進加速:32.1秒(到達速度:168.5km/h)

ライバルの発進加速ライバルの発進加速
スコダ・シュパーブ2.0TDI 150 SEエステート(2015年)
テスト条件:乾燥路面/気温18℃
0-30マイル/時(48km/h):3.3秒
0-40(64):4.6秒
0-50(80):6.6秒
0-60(97):8.8秒
0-70(113):11.5秒
0-80(129):15.4秒
0-90(145):19.7秒
0-100(161):24.9秒
0-110(177):33.5秒
0-402m発進加速:16.9秒(到達速度:133.6km/h)
0-1000m発進加速:30.7秒(到達速度:173.2km/h)

中間加速

20-40mph(32-64km/h):3.7秒(2速)/4.9秒(3速)/6.5秒(4速)/-秒(5速)/-秒(6速)/2.9秒(キックダウン)

30-50(48-80):3.8秒(2速)/4.8秒(3速)/6.1秒(4速)/8.3秒(5速)/-秒(6速)/3.5秒(キックダウン)

40-60(64-97):4.9秒(3速)/6.0秒(4速)/8.6秒(5速)/11.7秒(6速)/4.3秒(キックダウン)

50-70(80-113):6.2秒(4速)/8.3秒(5速)/12.7秒(6速)/5.2秒(キックダウン)

60-80(97-129):6.8秒(4速)/8.3秒(5速)/13.3秒(6速)/6.4秒(キックダウン)

70-90(113-145):9.3秒(5速)/13.4秒(6速)/8.2秒(キックダウン)

80-100(129-161):11.2秒(5速)/-秒(6速)/11.2秒(キックダウン)

90-110(145-177):16.9秒(キックダウン)

制動距離

テスト条件:乾燥路面/気温20℃
30-0マイル/時(48km/h):8.7m
50-0マイル/時(64km/h):24.2m
70-0マイル/時(80km/h):49.0m
60-0マイル/時(97km/h)制動時間:2.84秒

ライバルの制動距離スコダ・シュパーブ2.0TDI 150 SEエステート(2015年)
テスト条件:乾燥路面/気温18℃
00-0マイル/時(48km/h):8.8m
50-0マイル/時(64km/h):24.0m
70-0マイル/時(80km/h):47.2m

結論 ★★★★★★★☆☆☆

スバル・アウトバックは、2023年のワゴンマーケットにおいては変わり種の部類だ。ほかのクルマはスタイルや最新流行を追っていて、電動化や機能満載のマルチメディアの採用を競っているが、アウトバックは数十年にわたり同じところにこだわり続けている。本気の機能性と本格オフロード性能だ。そこに妥協はない。

一般的な大型ワゴンだと考えると、スコダ・シュパーブやシトロエンC5 Xのライバルとしてはかなり時代遅れだ。とくに速いわけでも、ハンドリングに秀でているわけでもないし、ひと目見たら忘れないようなルックスでもなく、インテリアの質感は冴えず、マルチメディアは基本レベルだ。オフロードで使うつもりがないなら、おすすめはできない。

しかしながら、少数派とはいえアウトバックのようなクルマが必要だというユーザーもたしかに存在する。そうであれば、これに代わるクルマはない。大きく実用的なボディに、本格オフロード性能を組み合わせたモデルは、この価格帯に限らず見つけにくいものだ。

期待を多少譲って、おおむね快適で、運転が直感的で、使い勝手に問題点がほぼないこのアウトバックを選んでみてはいかがだろうか。このクルマが目指す用途には、間違いなくフィットしている。その用途が、きわめてニッチなのではあるが。

担当テスターのアドバイス

イリヤ・バプラートインフォテインメントシステムと、十分にバネの効いたコラムレバーにはなじみを覚えたが、その理由がはっきりするまで少し時間がかかった。そして、思い当たった理由はGR86だった。あのクルマは、思った以上にスバル的要素が強い。というわけで、GR86を買えなかったユーザーのために、ぜひBRZを英国で販売してもらいたい。

リチャード・レーンオーナーズマニュアルは、まるまる1章をオフロードドライビングに費やしている。オーナー誰もがアウトバックを未舗装路に持ち込むかどうかは疑わしいところだが、ボディサイドに泥跳ねでも付いているほうが見栄えがいいのは事実だ。

オプション追加のアドバイス

パワートレインは1種類なので、選択は簡単だ。おすすめはリミテッド。驚くほど装備が充実している。もしくは、フル装備のツーリングだ。中間グレードのフィールドを避けたいのは、合成皮革シートが理由だ。

改善してほしいポイント

・ターボエンジンか、このクルマの目的に適うハイブリッドを追加してほしい。
・空調関連のパネルは、独立して設置してもらいたい。
・サスペンションのチューンを見直して、低速域の乗り心地改善を。

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みんなのコメント

7件
  • ***********
    こう言う評価、記事を書ける日本のジャーナリストは皆無だね。ジャーナリストと言う名のメーカーの宣伝広告マンだから、まともな記事を見たことない。YouTubeもただの広告だし。
  • tm3********
    妥当な評価に信者が文句言ってて草
    売りにしてきた水平対向エンジンのせいでコスト掛けたフロントサスペンション付けられず、フロントオーバーハングは伸びて重量バランスは悪くなりスタイルも悪い。
    さらなる技術進歩とともにそのうち淘汰されるだろう
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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