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俳優・永山絢斗の“ヤングタイマー”探訪記第2部「少年探偵団編」のVol.16─フォルクスワーゲン・コラード

掲載 更新 2
俳優・永山絢斗の“ヤングタイマー”探訪記第2部「少年探偵団編」のVol.16─フォルクスワーゲン・コラード

1970年~1990年代に販売された“ちょっと、古い、クルマ”に焦点を合わせ、クルマをこよなく愛する俳優・永山絢斗が当時の車両の正体を暴く“探偵”に扮します。永山探偵をサポートする“物知り少年”は自動車評論家の小川フミオ(少年O)とGQ JAPAN編集部のイナガキ(少年I)のふたり。今回取り上げるのは、探偵の愛車でもあるフォルクスワーゲン「ゴルフ(II)」の派生車種「コラード」だ。

1代で消えた“幻”のコラード

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少年I 3回転半はトップに行くための必需品。

少年O ブラックにゴールドの刺繍のコスチューム。フィギュアスケーターですか? しかもそれ、女性のもの。

少年I カルガリー冬季五輪での伊藤みどり選手のマネ。ちょっと古いですかね

探偵 それと、今回のコラードと、どのような関係があうのでしょうか?

少年I 今回の取材車、カルガリー(カナダ)でおこなわれたウィンターオリンピック開催と同年である1988年にデビューした、フォルクスワーゲン・コラードなんです。

【俳優・永山絢斗の“ヤングタイマー”探訪記】
日産・フェアレディZ(2代目)
フォルクスワーゲン・ビートル(タイプ1)
メルセデス・ベンツ560SEC

少年O コラードは、フォルクスワーゲンのスポーティクーペです。それまでフォルクスワーゲンのラインナップには「シロッコ」という3ドアのハッチバック・クーペがありました。その後継ともいうべき位置づけで開発されていて、大きな特徴は、エンジンです。「Gラダー」というスーパーチャージャー搭載のものもあれば、「VR6」といって狭角V型6気筒エンジン搭載モデルもあります。

探偵 前・後長の短いルーフと大きく寝かしたリアウインドウのエクステリア・デザインは、横からみると、アウディを一躍有名にしたスポーツクーペ「クワトロ」を彷彿とさせ、カッコいいなぁと思いました。

少年O カルマン社がボディ製造を手がけていました。いまでもドアの開閉など“ビシっ”としているのに感心します。当時を知る者としては、変わらぬクオリティの高さに、驚きです。さすがはドイツ車!

少年I 目の前にあるコラードは、1995年型のVR6モデルです。フォルクスワーゲンとアウディの専門店「マニアックス」にあるモデルを、オーナー会社で代表取締役の山下純一さんと、事業部のマネージャーを務める杉田圭輔さんが取材のために持ってきてくれました。

【俳優・永山絢斗の“ヤングタイマー”探訪記】
メルセデス・ベンツ500E
ランチア・デルタHFインテグラーレ
マセラティ・ギブリ(2代目)
メルセデス・ベンツGクラス(2代目)
アルファロメオ・スパイダー(初代)

マニア受けするクルマ

少年O コラードVR6のエンジンは、15度という超狭角V型に特徴があります。フォルクスワーゲン・グループが思いつきで狭角エンジンを作ったのではないことは、現在もW12気筒エンジンが作られ続けていることからもわかります。メリットは、半分の気筒数のエンジンとほぼおなじサイズであり、ヘッドまわりの部品点数が省略できて効率がよくなるのと同時に、多気筒エンジンのパワー感が得られるところです。

探偵 そう聴くと、ますますコラードに興味が沸いてきます。

少年O なにしろ開発時は、ポルシェ「944」の対抗馬と考えたとか。

探偵 ものすごい野心! ポルシェが対抗馬とは相当な“スポーツ・カー”だったんでしょうか?

少年O 部品の多くはゴルフII(1983年登場)で、一部は3代目の「パサート」(1988年登場)。スポーティといっても、ゴルフGTIのような軽快さでなく、大トルクによるパワーを前面に出していたこともあり、ポルシェとはかなり操縦性がちがいましたね。

【俳優・永山絢斗の“ヤングタイマー”探訪記】
日産PAO
スバル・レガシィ・ツーリングワゴン(初代)
ユーノス・ロードスター(初代)
ホンダ・NSX(初代)

探偵 たしかに運転させてもらうと、ちょっともっさりしているかなぁ? と、思わないでもないです。低回転域のトルクはけっこうあるかんじなので、楽チンですけれど。よく出来たスポーツカーで感じる“カミソリ”のようなシャープなハンドリングとは違いますね。

少年Iマニアックスの杉田さんもそこは認めつつ、「マニア受けするクルマです」とのこと。同店では、ゴルフやアウディ「A3」と「S3」などが売れ線で、コラードは個性的すぎるとのことでした。杉田さんは「海岸線などをゆったり走るのには気持ちよくて、個人的には嫌いでありませんが、スポーティな走りを求めるひとには向いていないでしょう」と、正直ベースで話してくれました。

探偵 1989年うまれの私には、ちょっとおとなしすぎるような気もしました。ただし、あと10歳ぐらい年齢を重ねたら、コラードVR6のようなトルキーなエンジン搭載車っていいかも、と、思わせる“奥深さ”があります。

少年I その頃は、電気自動車が全盛かもしれませんね……。

【俳優・永山絢斗の“ヤングタイマー”探訪記】
シトロエンCX
メルセデス・ベンツSクラス(W126)
ローバー・ミニ
フェラーリ360モデナ

クオリティの高さは、さすが!

少年O G60搭載の4気筒モデルにも、今回のVR6にも、新車で乗ったことあります。このころは、海外だとポルシェやBMWが頑張っていて、日本だと各社がスポーツモデルに力を入れていたため、コラードは残念ながら、存在感が希薄だったのは否めませんでした。当時のフォルクスワーゲン車は、ゴルフIIは別にして、日本市場のニーズとすこし離れたところで開発されていた感があります。ゴルフのノッチバック版である「ジェッタ」しかり、「パサート」しかり、「シロッコ」しかり、で。

少年I ということは、やっぱりマニア受けする1台だったのかもしれませんね……。たしかにボクも、街中で見かけた記憶はほとんどないです。

探偵 インテリアは、見覚えのあるフォルクスワーゲンのパーツがいくつもあります。もうすこし“特別感”があったらいかもしれないですね。

少年I 合成樹脂の部品や、シートの作りなどは、おもわず「さすが!」と感心する完成度というかクオリティですね。

少年O せっかくの高性能でも内装がいまいちの某日本メーカーなど、反面教師にしてほしいところです。

【俳優・永山絢斗の“ヤングタイマー”探訪記】
フォードRS200
フォード・エスコート(マーク1)
マツダRX-8
トヨタ・セルシオ(初代)

探偵 フォルクスワーゲンはつねに実直ですね。機能主義的というか、ドイツ的というか。

少年I 3回転半とか4回転とかのスピンまでは期待していませんでしたが。でも最近の「Tクロス」などはしゃれた内装ですよね。

少年O フォルクスワーゲン、もうスポーツカーは出さないんでしょうか、ね……ちょっと寂しいなぁと、コラードを見て、思いました。

【プロフィール】

俳優・永山絢斗(ながやまけんと)

1989年3月7日生まれ。東京都出身。2007年『おじいさん先生』(日本テレビ系列)で俳優デビュー。連続テレビ小説『おひさま』や『べっぴんさん』(NHK総合)、『ドクターX~外科医・大門未知子~ 第5シリーズ』(テレビ朝日系列)、そして2021年には『俺の家の話』(TBS系列)に出演。映画では2010年の『ソフトボーイ』で第34回日本アカデミー賞・新人俳優賞を受賞。

出演情報/
『絶景ハイク み仏の道をゆく』~ 国東半島・ロングトレイルの旅~(NHK BS 4K)
・放送日時:2月27日(日)11:00~11:59

【俳優・永山絢斗の“ヤングタイマー”探訪記】
メルセデス・ベンツ500E
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フォルクスワーゲン・ビートル(タイプ1)
メルセデス・ベンツ560SEC

まとめ・小川フミオ 写真・安井宏充(Weekend.) スタイリスト・Babymix ヘア&メイク・新宮利彦 撮影協力・川崎キングスカイフロント東急REIホテル

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みんなのコメント

2件
  • なんという読み難さだ‼️
  • 一代で消えた

    そりゃあそう。
    デラックス・ワーゲンはワーゲン自身じゃなくてアウディの役目だもの。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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