東南アジアの料理は、だいたい辛いのか?
飛行機での移動と言えば、わたし(筆者:伊藤英里)は機内食が楽しみのひとつです。「食事が楽しみ!」というよりも、料理やカトラリー、紙ナプキンなど、食事に関するものと機能がトレーにぎゅっと凝縮されている様子を見て、食べて、楽しむことが好きなのです。
【画像】クアラルンプールで食したバーガーが辛い!? を画像で見る(11枚)
当たり前ですが、機内食は基本的に飛行機に乗らなければ食べられません。2024年2月上旬、ようやく機会がやってきました。MotoGPのセパン公式テストを取材するために、マレーシアまで飛行機を利用したのです。
2024年シーズン初機内食! しかし、今回ばかりは「楽しめるかなあ……」と、不安でした。と言うのも、わたしは辛い物が大の苦手なのです。今回利用したエアアジアの機内食は基本的にオプションで、わたしは事前に予約したため、メニューの中から自分で食べたいものをチョイスしていました。それでも「わたしにとっては辛い味付けで出てくるかも」と、はらはらでした。
結果的に、羽田空港からクアラルンプール国際空港までの往路に選んだ「ハイデラバード野菜のビリヤニ」、クアラルンプール国際空港から羽田空港までの復路に選んだ「エビと鶏のワンタン麺」ともに、「辛くなかった!」です。むしろ、とてもおいしくいただきました。
とくに、復路の機内食には「しみる……!」と、ため息が出ました。たった4泊5日のマレーシア滞在だったというのに、優しい出汁のきいたワンタンの塩味のスープが、じんわりと体にしみわたったのです。3日間、サーキットを歩き回って疲れていたからかもしれません。
けれど、出汁のきいたスープというのは、どうしてこんなにほっとするのでしょう。「自分、ナイスチョイス!」です。往路ではなく復路でこのメニューを選んだことに、過去の自分を褒めたい気持ちになりました。
エアアジアのエコノミークラスの機内食はとてもシンプルで、選んだ料理のパックと、水の小さなペットボトル、ビニール袋に入ったプラスチックのフォークとスプーン、紙ナプキンのセットが配られるだけです。トレーもありません。
ただ、わたしはこのシンプルさが気に入りました。むしろ、少しばかりお腹を満たすには十分です。「こういう機内食もアリ」です。
さて、辛い物を回避してマレーシアに到着したわたしですが、やはりと言うべきか、現地では食事に苦戦しました。
2日目には辛くないものを求め、クアラルンプール国際空港まで戻ってバーガーキングに行ったくらいです。MotoGPの公式テストが行なわれていたセパン・インターナショナル・サーキットは、クアラルンプール国際空港にとても近いのです。
ところが……頬張ったバーガーが、辛い! レシートをよく確認したところ、「テンダークリスプ・スパイシー」というバーガーをオーダーしていました……。なぜ「Spicy」の文字を見逃したのでしょうか。謎です。
辛いバーガーをフライドポテトで中和しつつ(フライドポテトはいたってシンプルな塩味でした)、「ミスから学ぼう」と決意しました。
ただ、食べているうちに辛さで体から汗が吹き出してくると、どこかすっきりとした感覚もありました。高温多湿のマレーシアは、2月でも日中は気温30度を超え、湿度が高く、スコールが降ったあと、その湿度はべたべたと肌にまとわりつくほどです。
辛い食べ物に触れながら、「こういう食べ物が必要な気候なのだろうなあ」と感じたのでした。
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