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【GTらしさが向上】ベントレー・コンチネンタルGTC V8に大谷達也が試乗 W12よりシャープ

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【GTらしさが向上】ベントレー・コンチネンタルGTC V8に大谷達也が試乗 W12よりシャープ

刷新されたプラットフォーム

text:Tatsuya Otani(大谷達也)

【画像】ベントレー・コンチネンタルGT クーペ/コンバーチブル【比べる】 全86枚

いまから3年前にデビューした3代目コンチネンタルGTには、それまでの2世代とは決定的に異なる点がある。クルマの骨格を形作るプラットフォームがまったくの別物なのだ。

初代と2代目コンチネンタルGTに用いられたプラットフォームはグループ企業のアウディが中心になって開発したMLB。これはアウディA8やQ7にも採用されたエンジン縦置き用のプラットフォームで、当然のことながらフルタイム4WDにも対応する。

従来のコンチネンタルGTはこれを生かし、ラグジュアリーカーながらフルタイム4WD専用モデルとして誕生。そして、フォルクスワーゲン・グループが誇る軽量コンパクトなW12エンジンはフロントアクスルにまたがるように搭載された。

前輪駆動で長い経験を有するアウディらしいレイアウトだ。ギアボックスはトルコン式ATを搭載する。

これに対して3代目はポルシェを中心に開発されたMSBを用いる。パナメーラにも採用されたこのプラットフォーム、スポーツ性を重視してエンジンのほとんどがフロントアクスルの後方に位置するフロント・ミドシップ的なレイアウトを用いるのがMLBとの最大の違い。

さらにギアボックスはDCTに置き換えられ、4WDのトルク配分機構はそれまでのトルセンから電子制御式に置き換えられ、トルクの前後配分を能動的に可変できるようになった。

これにあわせてエクステリア・デザインもよりシャープでスポーティなものに改められ、インテリアは上質さを増した。つまり、グランドツアラーとしての資質を全方位的にさらに高めたのが3代目コンチネンタルGTなのである。

レスポンスに優れるV8エンジン

そんな新型コンチネンタルGTにV8モデルが加わった。エンジンのパフォーマンスはW12 6.0Lの最高出力:635ps/6000rpm、最大トルク:91.8kg-m/1350-4500rpmに対して、V8はそれぞれ550ps/6000rpm、78.5kg-m/2000-4000rpmと一歩引けを取る。

ただし、もとはといえばW12エンジンのパフォーマンスが過剰なだけで、公道でその性能をフルに発揮する機会はなかなかなかったのも事実。とはいえ、「だからW12は必要なかった」と結論づけるつもりは毛頭なく、その過剰さこそがベントレーというラグジュアリーカーの根源的価値の一部であったといっても過言ではない。

では、V8の運動性能はどうかといえば、これが必要にして十分以上。とりわけ、こちらもポルシェが中心になって開発されたとされる最新のV8はスロットル・レスポンスやドライバビリティがずば抜けて優れていることもあり、スペック以上のパフォーマンスを体感できる。つまり、V8エンジンの動力性能でもすでに過剰に思えるのだ。

ただし、パワーのわき出し方はW12とV8でいくぶん異なる。W12が遠くから押し寄せる大波のように、ある種の威厳を備えた回り方をするのに対して、V8はもっと弾けるようにシャープな反応を示す。

したがって、W12にするかV8にするかは、絶対的なパワーの大小で選ぶよりもエンジン・レスポンスのキャラクターでチョイスするのも1つの考え方だろう。

快適かつゴージャスなオープンモデル

今回試乗したのは、コンバーチブル仕様のコンチネンタルGT V8。これとは別にクーペ・モデルも用意される。試乗コースはベントレー本社があるイギリス・クルー周辺の一般道とモーターウェイである。

テスト当日は薄曇りで、3月にしては気温が低くて肌寒く感じられたが、思い切ってルーフを開け放って走り始めてみる。

新型コンチネンタルGTのコンバーチブルはW12であればすでに試乗したことがあるが、やはりゴージャスなモデルをオープンにして乗るとその豪華さが倍加されるような気がする。

きっと、オープンという非日常性がドライバーの心を軽く浮き立たせてくれるからだろう。

もちろんコンチネンタルGTであればルーフを開け放った際の快適性にも深く留意されていて、風は額から上をそよそよと流れていく程度でキャビンに強風が巻き込むわけでもない。

寒い日であればヒートを強めにかければ十分に暖を取れる。首元から温風を吹き出すベンチレーターも装備されているので、それほど厚着をしなくても済むはずだ。

オープンでコンチネンタルGTをゆっくりと走らせると、目の前のダッシュボードに貼られた光沢のあるウッドに空から降り注ぐ光が反射してさまざまな模様を生み出す。

それを眺めているだけで、わたしはまったく飽きることがなかった。

どこまでも走り続けたくなる乗り味

乗り心地やハンドリングはW12のコンバーチブルとほとんど変わらない。

しなやかで、どちらかといえばソフトめなサスペンションなのに、道幅の狭いカントリーロードを制限速度一杯の97km/hで流しても大きなボディを持て余すことはない。それだけステアリングが正確に作り込まれているのだ。

それでいて、神経質なところがまるでないのが、いかにもベントレーらしいところ。そして高速道路ではフルタイム4WDのスタビリティを生かして矢のように突き進んでくれる。

足まわりに大入力が加わったとき、軽くボディが共振するように感じられるのは、ボディ剛性が低いためではなく、サスペンション・ブッシュが振動するためだろう。

実際、ドライビング・モードをスポーツに切り替えても路面からの入力を逆に押し返すようなソリッドさがこのボディにはある。正確なハンドリングも、この剛性の高いボディなしには考えられなかったはずだ。

だから、コンチネンタルGTを走らせていると、このままどこまでも走り続けたくなる。

ちなみに、コンチネンタルGT V8 コンバーチブルは満タン1回で744kmも走り続けられる足の長さを誇る。

これはW12の608kmを100km以上もしのぐもの(いずれもWLTPモード)。それだけ楽しみも長く続くといえるだろう。

ベントレー・コンチネンタルGT V8コンバーチブルのスペック

価格:17万5100ポンド(2334万円)
全長:4850mm
全幅:1966mm
全高:1399mm
最高速度:318km/h
0-100km/h加速:4.1秒
燃費:8.1km/L
CO2排出量:275g/km
乾燥重量:2335kg
パワートレイン:V型8気筒3996ccツインターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:550ps/5750rpm
最大トルク:78.3kg-m/1950rpm
ギアボックス:8速デュアルクラッチ・オートマティック

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みんなのコメント

1件
  • メタルトップではなく、幌であるところが粋ですな。分厚い幌ルーフだと、叩く雨音も風情がある。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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