キャラバンのマイナーチェンジでMTモデルが消えた
「日産 キャラバン」(ガソリン車)がマイナーチェンジしました。グリルやバンパーの変更がメインのトピックスですが、トランスミッションが7速ATに進化して、ライバルの「トヨタ ハイエース」の6速ATに差をつけたと点も注目でしょう。
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一方、マニアは5速MTの設定がなくなってしまったことに衝撃を受けているかもしれません。遅れてマイナーチェンジする予定のディーゼル車にはMTの設定が残っていますが、こちらも時間の問題です。
そういえばハイエースにもMTの設定はなくなっています。もはや、商用バンでMTを求める声がほとんどなくなったともいえ、たとえば営業バンの代名詞「トヨタ プロボックス」のラインナップにも、ハイブリッドにMT仕様がないのは当然として、ガソリン車もすべてCVTで、MTの設定はありません。乗用車の新車の99%はATといわれていますが、その流れは商用車にも及んでいるのです。
営業車がATなら就職のためにMT免許を取る必要はない
現在、新規に運転免許を取得する人の7割前後がAT限定免許を選択。日本のAT車比率の高さを考えると、それでも30%近くがMT免許を取得していることに驚きますが、MT免許を取得した人の多くは「仕事でMT車を運転する機会があるかもしれないから」という理由を挙げるのだとか。
免許がないという理由だけで(営業車を運転する可能性がある)就職先が閉ざされてしまうのはもったいない話で、万が一のことを考えてMT免許の取得を選ぶというのは間違った判断ではありません。
しかし、MTの牙城である商用1BOXのハイエースやキャラバンまでMTを廃止する流れを見ると、「AT限定免許だと営業車の選択肢が減って困る」という風潮も過去のものになりそうです。
「トヨタ タウンエース」「スズキ エブリイ」「ダイハツ ハイゼットカーゴ」といった商用1BOXにはまだMTの設定が残っていますが、そちらも主流はATです。たとえば2021年9月にマイナーチェンジしたエブリイの場合、ターボエンジン車からMTの設定がなくなりました。逆にいえば、AT限定免許だから困るというシチュエーションがどんどんなくなっているわけです。
ハイエースとキャラバンからMTが消えた2021年が節目に
世界はカーボンニュートラルを求めています。自動車の電動化は確実に進んでいくでしょう。そしてほとんどの電動車は構造からしてMTを設定することができません。電動化時代というのはMTが消える時代でもあるのです。
スポーツカーや旧車に乗りたいというマニアを除けば、あえてMTの運転できる免許を取る必要はほとんどありません。商用1BOXの二大巨頭であるハイエースとキャラバンからMTの設定が消えた2021年は、時代の節目として記憶されることにもなりそうです。
だからこそMTの運転が好きという方は、今のうちにMTのドライビングを存分に味わっておいて欲しいとも思います。筆者も先日新たにMTの商用車を購入したのですが、MTのニーズが少ないという理由で1か月足らずで納車されました。半導体不足で生産が滞っているという話ですが、希望車種に設定があれば、あえて少数派のMTを選ぶのは、納車の点でもアリかもしれません。
文:山本晋也(自動車コミュニケータ・コラムニスト)
※写真
1枚目:日産 キャラバン
2枚目:トヨタ ハイエース
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みんなのコメント
ATだと加速が鈍いし、坂道もまともに登れませんからね…
人が一人二人くらいならATでも普通に流れに乗れますが、それ以上になるとエンジンをガンガン回さないと厳しいと思います。