今やクラウンもよ!! ギャランスポーツに初代RVRもなの!? クロスオーバーはSUVだけじゃないのよ

　クロスオーバーSUVという言葉が、当たり前に飛び交い、クラウンやミニには「クロスオーバー」と名の付くグレードもある。車種を指し示す言葉として一般化されつつある「クロスオーバー」とは何なのか、改めて考えていこう。

文：佐々木　亘╱写真：トヨタ自動車、ベストカー編集部

■RVとSUVとクロスオーバーは同じなのか？

大人気のランクル70

　1980年頃から、アウトドアレジャーに向くクルマの人気が高まった。

　悪路に強く、舗装路以外でも走行できるクルマを「RV（レクリエーショナル・ビークル）」と呼び、RVが一大ムーブメントを起こす。

　次第に、RVの中でも本格的な未舗装路を走行できるクルマ（例：ランクル・パジェロ等）を、特別に「クロカン（クロスカントリー）」と呼ぶようになる。

　クロカンは、現代にも残る、特別なカテゴリーのクルマを指し示す言葉だ。

　RVのもう一方、舗装路と少しの未舗装路もOKというクルマは、SUVと呼称を変えていった。

　SUVはスポーツユーティリティビークルの略、日本語訳すると多目的スポーツ車となる。

　ステーションワゴンやミニバンも、多目的スポーツ車になるのだが、日本ではハリアーを代表格にした、舗装路を快適に走れる昔のRVっぽいクルマをSUVと呼んでいるのだ。

　さらに呼称は変わっていく。SUVの中でも、より街乗りに特化したクルマをクロスオーバーSUVなどと呼ぶようになってきた。

　こうなってくると、何がRVでSUVなのか、そしてクロスオーバーなのか、全く分からなくなってくる。

　そもそものクロスオーバーの意味を、確認していく必要がありそうだ。

■高級セダンとSUVの掛け合わせを指す言葉だった？

　クロスオーバー（CROSS OVER）とは、異なる要素がお互いの境界線を越えて交じり合うことを意味する言葉だ。

　ジャンル・分野・特性などが混じり合うことが、クロスオーバーなのである。

　音楽業界では、ジャズにラテン系やロック音楽がミックスされていくことをクロスオーバーと言った。

　自動車業界で使われるクロスオーバーの意味も、これに近い。

　クロスオーバーという言葉は、1990年代中盤には北米市場にあった。

　ただ、今ほどの大きなトレンドにはなっていない。

　それを、現代につながるクロスオーバームーブメントにまで引き上げたのは、レクサスRXだ。

　RXという車名は「Radiant Crossover」の略（Crossoverの部分は「X」で表現）である。

　この時、RXに融合されたのは、高級セダンの乗り心地・快適性とスポーツユーティリティビークルの使い勝手の良さだった。

　これが世界中で大ヒットする。すると、ジャンルの掛け合わせ、特にSUVと何かのかけ合わせが、自動車開発の主流になっていったのだ。

■クロスオーバーは派生車であり進化のカタチだ

まさにクロスオーバーなクラウンスポーツ

　クラウンもミニも、ベースとなるセダンや2BOXがあった上で、クロスオーバーが存在する。

　ベースの質感は残しつつ、より機能的に、より快適に使えるクルマがクロスオーバーなのだ。

　ヤリスクロス、カローラクロス、エクリプスクロスなどの、車名の後ろに「クロス」がつくクルマも、ベースとなるクルマがあってのクロスオーバーだ。

　それぞれ掛け合わされた要素はベース車の存在によって変わってくる。

　クロスオーバーが多すぎて選べないという人は、派生前のベース車を考えると、選択の軸が出来上がってくるだろう。

　同じクロスでも、車名の前につくクロスビーやクロストレックでは、クロスオーバーよりもクロスカントリーが意識されている。

　この辺りの使い分けも意識してみると、クロスオーバーへの理解は進みそうだ。

　クロスオーバーは、時代が作り上げた最先端のクルマのカタチである。

　是非、複数カテゴリーの融合を感じながら、クロスオーバーを堪能してほしい。

Comments

[tma********]

２シーターオープンスポーツカーにもクロスオーバーはありますよ。
コペンＸＰＬＡＹ。キャッチコピーは「クロスオーバーの異彩。」

[....]

クラウンは昔から2ドアクーペ、ワゴン、バン、ピックアップ(シングルキャブ、ダブルキャブ)等色んな形がありました。