巧みなパッケージレイアウト 軽量ボディで安定感ある走り
現在4社ある軽メーカーで、ベーシックなハッチバック(軽業界では〝セダン〞と呼ぶ)を用意するのはダイハツとスズキだけだ。
マイルドハイブリッドを新追加した軽ベーシックカーの雄!「スズキ・アルト」【最新軽自動車 車種別解説】
エクステリア
シンプルなエクステリアデザインだが、空力性能に考慮した設計を採用。樹脂製バックドアと一体成型されたルーフスポイラーとガーニッシュも空気の流れを整える効果をもたらす。最小回転半径は4.4m。先日フルモデルチェンジしたスズキ・アルトの最安グレードがデュアルカメラブレーキサポート付きで 94万3800円なのに対して、ミライースはスマートアシスト付きの「B〝SAIII〞」で92万6200円。アルトよりちょっと安い。しかも、ミライースにはSAIIIを省いた「B」もあり、その本体価格は86万200円。今現在、新車で買える乗用車で最も安価なのがミライースなのだ。
インストルメントパネル
ワイド感のある水平基調のインパネやシートに、黒とライトグレーのツートーンカラーを配置する。メーターは白色LEDの自発光式で視認性を確保する。エアコンは最上級仕様のみオートで、ほかはマニュアル。ナビは販売店オプション。背が低いとはいっても1.5mちょうどの全高はハッチバックとしては大きめだ。パッケージレイアウトも現代の軽らしく極限まで突き詰められているので、空間自体は大人4名でも余裕がある。ただ、1年に一度でも後席を使うなら、リヤヘッドレストは必須。ミライースのそれは上級2グレードでは標準装備、それ以外はオプションで装着可能だ。
居住性
後席前席セダン系らしい低めの着座位置が特徴。 軽量化が図られた新骨格構造の前席はシートサイズが大きく、座り心地も上々だ。 後席は一体可倒式で、クッションも背もたれもフラット構造。エンジンは自然吸気のみで、アルトのようなマイルドハイブリッドの用意もなく、パワートレーンは全車共通。フットワークははっきりと柔らかいが、軽くて低重心なので、走りは意外なほどパリッと安定して軽快。タイヤサイズは上級2グレードが14インチ、それ以外が13インチ。
うれしい装備
センターフロアトレーは、ボックスティッシュが収まる大きさで、一番下にスマホなども置ける。「G“SA III”」にのみ前席両側のシートヒーターを標準化する。冬や冷時でもすぐに身体を温めてくれる。メーターの TFT ディスプレイに、省燃費運転の目安になるアイドルストップ積算や燃費スコアを表示する。月間登録台数 4118台(21年8月~22年1月平均値)現行型発表 17年5月(一部改良 20年12月)WLTCモード燃費 25.0km/l ※FF車
ラゲッジルーム
通常時後列格納時後席は背もたれを前倒しする一体可倒式で、スライドもしない。3 名乗車での長尺物の積載や、4名乗車時に後席を前に出して奥行きを拡大したりすることはできない。樹脂製バックドアは軽く操作でき、地上開口高も抑えられている。高速ではわずかに14インチに分があるものの、街なかでは13インチの接地感が高く、乗り心地とのバランスもインチより好印象だ。
※本稿は、モーターファン別冊ニューモデル速報統括シリーズVol.140「2022年軽自動車のすべて」の再録です。
▶︎ http://motorfan-newmodel.com/integration/140/
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