2018年からディーゼル車を国内発売しているフォルクスワーゲン。シャランとゴルフシリーズにも追加されたTDIに試乗。(Motor Magazine 2019年11月号より)
確実に市民権を得たディーゼルエンジン
フォルクスワーゲンは、2015年の排出ガス不正問題によって日本へのディーゼルモデル導入が2018年まで遅れることになったが、今回試乗したシャランとゴルフを含めてTDIエンジン搭載車のラインアップは合計8モデルになった。いずれも好評ということで、もはやディーゼルは市民権を得たと言っていいだろう。
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さて、フォルクスワーゲンのディーゼルエンジンは、いずれも2Lターボとなるが、出力の違いで3タイプの設定がある。パサートに搭載される190ps/400Nm仕様、今回試乗したシャランやSUVのディグアンに搭載される177ps/380Nm仕様、そしてゴルフに搭載される150ps/340Nm仕様で、それぞれの車種の性格やサイズに合わせて最適化された。
まずはシャランを試乗した印象からお伝えしよう。アイドリングストップの状態からエンジンがかかる時が非常に滑らかで、かかってからもディーゼル特有の「ガラガラ」という音はほとんど聞こえてこない。
ここからアクセルペダルをゆるやかに踏み込むと、静々とスムーズに加速してくれる。もちろんゼロ発進からのフル加速時には「あっ、ディーゼルだったか」と我に返るが、高速道路などの巡航時には、エンジン音がほとんど室内に届いてこないといってもいいほど静かだ。
ちなみにレッドゾーンが始まる5000rpmまでとてもスムーズに吹け上がり、車両重量1900kgと重めのボディでもグイグイとスピードを乗せていってくれる。これならフル乗車7人であっても、加速性能に不満は出ないだろう。
そして乗り心地がとてもいい。路面が荒れている場所でも突き上げ感などがなく、これなら同乗者から文句が出ることはなさそう。また、クルマ酔いも少ないと思われる。多人数で乗車して、荷物満載で遠出するというシチュエーションが多いと想定されるミニバンだけに、ディーゼルの経済メリットは大きそうだ。
そしてゴルフのTDIモデルにも試乗した。こちらは150ps/340Nm仕様となるが、車両重量がシャランより470kgも軽いため、動力性能は互角かそれ以上に感じられる。フロントの重さは感じられるが、ゴルフの軽快感を損なうほどではない。ロングドライブにはピッタリだろう。(文:加藤英昭)
■フォルクスワーゲン シャランTDIハイライン主要諸元
●全長×全幅×全高=4855×1910×1765mm
●ホイールベース=2920mm
●車両重量=1900kg
●エンジン= 直4DOHCディーゼルターボ
●排気量=1968cc
●最高出力=177ps/3500-4000rpm
●最大トルク=380Nm/1700-3250rpm
●駆動方式=FF
●トランスミッション=6速DCT
●車両価格(税込)=529万6000円
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