居住性は二の次! 平べったいスタイルが当時は大ウケだった
現在、日本では不人気ジャンルの烙印を押されてしまっているセダン。しかし1980年代~90年代前半には全高の低いスタイリッシュなスペシャリティセダンが一大ブームとなっており、各メーカーこぞって同じコンセプトのセダンをリリースしていたのである。
【昔のスポーツカーのほうがカッコイイとの声続出!】低いロングノーズのクルマが消えたワケ
そこで今回は、その頃に各メーカーからリリースされたスペシャリティセダンをピックアップして振り返ってみたい。
1)トヨタ カリーナED
1985年に初代が登場したカリーナEDは、ST16#という型式からも分かるようにセリカの兄弟車であり、4ドアのボディを被ってはいるものの、中身はほぼセリカというスポーティなモデルだった。
とくにBピラーを廃したピラーレスハードトップと全高の低いスタイルは、セダン=熟年層というイメージを打破し、若いユーザーに支持される結果となったのである。
もちろん一般的なセダンに比べればルーフが低く、クーペのように傾斜した前後のピラーなど、セダンとして考えるのであれば不利な点も多かったが、若いユーザーにはそれが逆に新鮮に映ったということなのだろう。
日産もマツダもトヨタを追う!
2)日産 プレセア
スペイン語で宝石という意味を持つプレセアは、当時のサニー系のシャーシをベースにして誕生した4ドアハードトップモデル。当時のCMでは見返り美人をCMで表現するなど、和風なイメージを持ったモデルに仕上がっていた。
特徴的だったのは、インバースヘッドライトと呼ばれるくぼみのあるヘッドライトとグリルレスのフロントマスクで、内装も本革仕様のシートが用意されるなど、スペシャリティ感の強いモデルとなっていた。しかしライバルはカリーナEDということで、上級グレードにはシルビアなどにも採用されたSR20DE型エンジンが用意されており、MTの組み合わせではなかなかの俊足ぶりも見せていた。
3)マツダ ペルソナ
ライバル車と同様に低い全高を持つ4ドアハードトップとして誕生したペルソナだったが、ライバル車と同じことをしていても仕方がないと考えたのか、重きを置いたのは外装よりも内装となっていた。
当時としては異例とも言える灰皿とシガーライターをオプション設定とし、リヤシートはドアトリムと一体形状のラウンジ型ソファーシートを採用するなど、自動車の内装の概念を覆す意欲作だったのだ。当時のカタログでも内装の写真が先行して掲載され、外観の写真が出てくるのは13ページ目というのだから、その力の入れ具合も分かるというもの。
なお、翌年にはユーノスブランドから300という兄弟車が登場したが、こちらはややスポーティなキャラクターとなっており、フロントシートにはバケットタイプのものが採用されていた。
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みんなのコメント
しかも、マニュアル車。
3S-GE型エンジンも小気味良く回るエンジンだったなぁ。