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【ヒットの法則175】ジェッタは単なるゴルフのセダン版とは言えない、独自の魅力に満ちあふれていた

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【ヒットの法則175】ジェッタは単なるゴルフのセダン版とは言えない、独自の魅力に満ちあふれていた

2006年1月に日本に上陸したジェッタ。5代目ゴルフをベーストとしたスポーツセダンとして、ゴルフGTIと同じパワーユニットを搭載する「2.0T」が大きな注目を集めたが、ベースモデルの「2.0」はトランクの広さにとどまらない、スポーティで使い勝手のいいセダンだった。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2006年4月号より)

ボディサイズはもはやDセグメントに近い
ジェッタはゴルフVをベースに開発されており、メカニズムの多くを共有している。そのため、「ゴルフのセダン版」と表現されることが多い。しかし、ジェッタはジェッタであり、「ゴルフ・ジェッタ」ではなく、ましてや「ゴルフ・セダン」という名称ではない。「ゴルフのセダン版」という表現は実は正しくない。

【くるま問答】トヨタ2000GTのサイドにある四角い部分には、いったい何が入っているのか?

まずその堂々たるボディサイズからしてゴルフとはまるで違う。全長4565×全幅1785×全高1470mmというサイズは、実はメルセデス・ベンツCクラスの4535×1730×1425mm、BMW3シリーズの4525×1815×1425mm、アウディA4の4585×1770×1430mmに近いというか、むしろ上回る部分すらある。

また横置きFFということもあって、スペース効率も高く、トランクスペースにいたっては527Lという、いかにも使いやすそうな直方体の巨大なトランクを有する(ゴルフバッグを4つ積載できるのが自慢)。これを見れば、もはやDセグメントに近く、プレミアムセダンと呼んでもいいとさえ思う。つまりゴルフとはひとクラス違うということになる。

メルセデス・ベンツCクラス、BMW3シリーズ、アウディA4をライバルと仮定すると興味深い点が出てくる。ジェッタを含めたこの4車は、それぞれレイアウトコンセプトが異なるのだが、それがクルマのキャラクターによく出てくる。

メルセデス・ベンツCクラスはオーソドックスなFR。BMW3シリーズは特異なフロントミッドシップFR。アウディA4はフロントオーバーハングにエンジンを縦置きするFFと4WD。そして、ジェッタはフロントオーバーハングを大きくとった横置きFFだ。

それぞれがそのパッケージを構成する理由を持っており、どれが正解とは言えない。ジェッタに関していえば、できるだけフロントアクスル前方にエンジンを搭載してフロントにトラクションをかけて、それを軸にリアサスペンションを正確に機能させて、優れた走行性能を生み出している。巨大なトランクもこうしたアーキテクチャーから生まれている。ジェッタは軽快なFFセダンという性格だ。

リアタイヤの位置がやや前方にあるのが特徴だが、これはゴルフと同じホイールべースとしているためでもあり、それが独特のスタイリングを生み出すことにもつながっている。

走りはゴルフとはちょっと違ったフィーリングだ。リアに大きなトランクスペースを持つためか、ややシャープさに欠けるが、その反面セダンらしい落ち着いた動きを見せる。フォルクスワーゲンは走りの面でもひとクラス上のものを盛り込もうとしているようだ。150psの2.0FSIと車重1410kgの4ドアボディの組み合わせながら、効率のいい6速ATで、パワー不足を感じることはない。ジェッタ2.0Tはスポーツセダンと呼べるほどのエンジンレスポンスと硬い足を持つが、ジェッタ2.0はスポーティさを残しながら、Dセグメントを意識して、しっとり感をうまく出している。インテリアがゴルフとよく似ているのでとまどうかもしれないが、すぐにジェッタらしい走りと感じるはずだ。

インテリアの質感や精緻さは合理性や理性を感じさせるもので、このあたりのクルマ作りの真面目さはさすがにフォルクスワーゲンだ。ユーザーは安心してジェッタを選択することができるだろう。

そして、フォルクスワーゲンの品質・信頼性、2.0FSI+6速ATを搭載したDセグメントサイズのセダンであることなどを考えると、その車両価格は我然魅力的に映る。Cクラスや3シリーズの隠れたライバルとして、またゴルフや日本車からのステップアップとして注目されるところだ。(文:松本雅弘 /Motor Magazine 2006年4月号より)



フォルクスワーゲン ジェッタ2.0(2006年) 主要諸元
●全長×全幅×全高:4565×1785×1470mm
●ホイールベース:2575mm
●車両重量:1410kg
●エンジン:直4DOHC
●排気量:1984cc
●最高出力:150ps/6000rpm
●最大トルク:200Nm/3500pm
●トランスミッション:6速AT
●駆動方式:FF
●車両価格:289万円(2006年当時)

[ アルバム : フォルクスワーゲン ジェッタ2.0(2006年) はオリジナルサイトでご覧ください ]

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みんなのコメント

1件
  • これの1.4に10年乗って、まさに今月乗換えました。
    故障もなく14万km、通勤にゴルフに大活躍でしたね。
    キャディバッグは細めなら5本いけました。
    そもそも4人乗せてゴルフへ行けて、高速で安定して疲れなく、できうる限りコンパクトってことで購入しました。
    82年式のゴルフ1に乗ってたことがあり、VWの味付けというかしっかり感には好印象だったのも選んだ要因の一つですが、初代、2代目とカッコ悪っ!ダサィッ!っと思ってたジェッタが、5代目でなかなかカッコよくなって特にオシリがせくすぃで、、、買ってしまいました(笑
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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