現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 【最新モデル試乗】これぞ英国製サラブレッドの到達点。アストンマーティンDB12のほとばしるスーパーパフォーマンス!

ここから本文です

【最新モデル試乗】これぞ英国製サラブレッドの到達点。アストンマーティンDB12のほとばしるスーパーパフォーマンス!

掲載
【最新モデル試乗】これぞ英国製サラブレッドの到達点。アストンマーティンDB12のほとばしるスーパーパフォーマンス!

ブランド誕生110年の節目に主力モデル、DB12デビュー!

 アストンマーティンにとって2023年は特別な年である。今年はブランド誕生110周年であり、これまでブランドの中核を担ってきたGTカー、「DBシリーズ」の生誕75周年でもあるからだ。DB12は、そんな節目に自らを祝うべくデビューした主軸モデルである。

アストンマーティンの新世代DBシリーズの「DB12」にオープンモデルが登場

「DB」とはデイビット・ブラウンの頭文字。第2次世界大戦後にアストンマーティンとW.O.ベントレーを擁するラゴンダを買収し、ベントレーの関わった6気筒エンジンをアストンマーティンの新型モデルに載せることを思いついた人物である。彼こそが高価で高性能なGTメーカーという、ブランドイメージの基礎を築いたのだ。

 もっともDBシリーズはデイビット・ブラウンが経営から手を引いた1970年代にDB6の生産終了をもって一時途切れた。DBシリーズが再登場するのは1994年。当時フォード傘下になっていたアストンマーティンはDB7を発表する。その後、さらにブランド復興へと力が注がれ2004年にはDB9がデビューし大成功をもたらした。

 いまもDBシリーズがブランドの中核であることは、最新ラインアップを見れば一目瞭然だ。人気のスーパーSUVはDBXを名乗っているし、伝統的な2ドアGTモデルのDB11やDBSがアストンマーティンのアイコンとなっている。

 5月末、モナコ近郊で発表されたDB12は、もちろんDB11の後継モデルである。DB12は「スーパーGT」をコンセプトに開発された。そうスーパーGTである。単なるGTではない。開発陣は、スポーツカー性能にも徹底的にこだわったスーパーモデルを目標とした。

DB12は、伝統と革新が融合した生粋サラブレッド。滑らかでシャープ、圧倒的に速い

 ボディフォルムはDB11とさほど変わらない。リアからの眺めなどはほとんど同じ。そういう意味ではビッグマイナーチェンジだ。とはいえメーカーによると全体の80%程度がDB11とは互換性のない新設計という。なるほどルーフラインやリアセクションこそ同じだが、フロントマスクはライト類も含めていっそうアグレッシブになり、インテリアに至ってはDB11の面影など微塵もなくなった。

 さらにメルセデスAMG製の4リッター・V8パワートレーンは680ps/800Nmにパワーアップされ、ボディ&シャシーも鍛え抜かれたうえに、最新の制御テクノロジーを惜しみなく投入している。内容を考えればほぼフルチェンジと表現して差し支えない。

 実際に乗って、DB12のスーパーぶりを実感した。ドライブフィールはDB11とまるで異なる。その激変ぶりに南仏からの帰国後、そのままアストンマーティン東京に向かい、DB11に再試乗したほどだ。

 なにしろ、走り出した瞬間から「違い」を感じる。DB12は前輪がとてもしなやかに転がりはじめる。DB11にはもう少し突っ張ったところがあった。新たなダンピングシステムが功を奏しているのだろう、新型は滑らかに徹する。

 電動パワーステアリングの恩恵も大きい。ステアリングフィールにはまるで引っ掛かりがなく、実にスムーズ。少し走れば、もう自分と一体になっている。ミラーから見えるリアフェンダーが、勇ましい。ミラーそのもののデザインも凝っている。ウルトラモダンになったダッシュボードを眺めつつ、新たな発見を繰り返していくうちにDB12に引き込まれている自分がいた。

 空いたワインディングロードに差し掛かった。ドライブモードをスポーツ+にして一気に駆ける。ハンドリングは素晴らしくクイック。驚くほど先へ先へと曲がっていく。クルマが勝手に曲がっていくようにさえ感じる。しかもボディはつねに小さく感じられ、すべてがドライバーの手の内にあるように思わせる。コーナー出口でアクセルをワイドオープンすると、いままでとまったく別種のエンジンかと思うほどに鋭い加速をみせた。これほど走りが進化しては、もはやDB11オーナーも降参せざるを得まい。

 全開加速とアクセルオフ時のサウンドは、従来に比べて野卑たところがまるでない。それでいて力強さと官能性が感じられクルマ好きの心を揺さぶる。隣にすやすや眠るパッセンジャーがいなければ、さらに目を三角にしてスポーツカー性能を楽しんだことだろう。まさにスーパーGTの誕生である。

 ひととおりそのハイパフォーマンスを味わったあとは、驚くほど高い走りの完成度が余裕を生むのだろう。心とドライブモードをGTへと戻して、ゆったりまったりとクルージングを楽しもうという気分になった。英国の老舗ブランドの作るGTは実に奥が深い。金持ち喧嘩せず、の境地である。

 DB12のV8ツインターボエンジンはすでにDB11のV12ツインターボのスペックを上回り、なおかつ効率的だ。それゆえアストンマーティンは潔く12気筒を諦めることができたのだろう。ブランドのGT史を紐解けば、12気筒より8気筒、8気筒より6気筒がお似合いで、効率性と高性能化を求めながら先祖帰りしようと画策中なのかもしれない。だが、エンジンの官能性という点では、12気筒にアドバンテージがある。そこを失ったことだけが少し悔やまれる。とはいえ総合性能は格段に進化した。DB12は、まさにスーパーGTである。

アストンマーティンDB12主要諸元

モデル=DB12
価格=8SAT 2990万円
全長×全幅×全高=4725×1980×1295mm
ホイールベース=2805mm
車重=1788kg
エンジン=4リッター・V8DOHC32Vツインターボ
エンジン最高出力=500kW(680ps)/ 6000rpm
エンジン最大トルク=800Nm(82.5kgm)/2750~6000rpm
サスペンション=フロント:ダブルウィッシュボーン/リア:マルチリンク
ブレーキ=前後ベンチレーテッドディスク
タイヤサイズ=フロント:275/35ZR21/リア:325/30ZR21
駆動方式=FR
乗車定員=4名
0→100km/h加速=3.6秒
最高速度=325km/h
前後重量配分=48:52

こんな記事も読まれています

BMW『2シリーズ・アクティブツアラー』に新ディーゼル、燃費22.2km/リットル…7月欧州設定
BMW『2シリーズ・アクティブツアラー』に新ディーゼル、燃費22.2km/リットル…7月欧州設定
レスポンス
メルセデス・ベンツ唯一の3ボックスセダンEV「EQE」に特別仕様車! 「EQE 350プラス エレクトリックアート」は日本限定30台
メルセデス・ベンツ唯一の3ボックスセダンEV「EQE」に特別仕様車! 「EQE 350プラス エレクトリックアート」は日本限定30台
THE EV TIMES
歩道によく店の看板が置いてありますが、実は違法だと聞きました。通報していいですか? どうして取り締まらないのですか?
歩道によく店の看板が置いてありますが、実は違法だと聞きました。通報していいですか? どうして取り締まらないのですか?
くるまのニュース
デビュー2戦目のGAINER Z、予選トップ10も不運な異物侵入で初完走はならず。しかし2ヵ月後の次戦に向け「方向性は見えた」
デビュー2戦目のGAINER Z、予選トップ10も不運な異物侵入で初完走はならず。しかし2ヵ月後の次戦に向け「方向性は見えた」
motorsport.com 日本版
ロゴス × Afternoon Tea LIVING × PEANUTS トリプルコラボのアウトドアアイテム5種が7/10発売!
ロゴス × Afternoon Tea LIVING × PEANUTS トリプルコラボのアウトドアアイテム5種が7/10発売!
バイクブロス
梅雨時期のレインウェアの手入れに! ロゴスから「透湿雨衣専用防水スプレー」が登場(動画あり)
梅雨時期のレインウェアの手入れに! ロゴスから「透湿雨衣専用防水スプレー」が登場(動画あり)
バイクブロス
2024年5月期の新車販売 1桁台にまでマイナス幅が縮小 懸念材料は型式指定申請における不正
2024年5月期の新車販売 1桁台にまでマイナス幅が縮小 懸念材料は型式指定申請における不正
AUTOCAR JAPAN
阪神高速「車線増やしました」 大阪市街 湾岸ルートの“今後混みそうなところ”にピンポイント対策
阪神高速「車線増やしました」 大阪市街 湾岸ルートの“今後混みそうなところ”にピンポイント対策
乗りものニュース
松たか子さんとゆずがCM 初共演! 「日産サクラ」 新CMでは書き下ろし楽曲『Chururi』をコラボ歌唱
松たか子さんとゆずがCM 初共演! 「日産サクラ」 新CMでは書き下ろし楽曲『Chururi』をコラボ歌唱
月刊自家用車WEB
マツダ新型「CX-5」登場へ! 「“ロータリー”エンジン」搭載か!? マツダ製の斬新「ハイブリッド」どうなるのか
マツダ新型「CX-5」登場へ! 「“ロータリー”エンジン」搭載か!? マツダ製の斬新「ハイブリッド」どうなるのか
くるまのニュース
日本の「ガレーヂ伊太利屋」がオーダーした最後の「デルタHFインテグラーレ」とは? 250台限定のランチアの価値は3000万円以上!?
日本の「ガレーヂ伊太利屋」がオーダーした最後の「デルタHFインテグラーレ」とは? 250台限定のランチアの価値は3000万円以上!?
Auto Messe Web
ハイブリッドのコルベットE-RAYついに日本上陸! はやくも入手可能
ハイブリッドのコルベットE-RAYついに日本上陸! はやくも入手可能
AUTOCAR JAPAN
【名車の祭典】「コンコルソ デレガンツァ ヴィラ デステ2024」コモ湖で開催される最も伝統的でラグジュアリーなクラシックカーの祭典
【名車の祭典】「コンコルソ デレガンツァ ヴィラ デステ2024」コモ湖で開催される最も伝統的でラグジュアリーなクラシックカーの祭典
AutoBild Japan
"下請法違反” がいまだ継続? 日産が報道を受け緊急会見 パートナーシップ改革推進室も新設
"下請法違反” がいまだ継続? 日産が報道を受け緊急会見 パートナーシップ改革推進室も新設
AUTOCAR JAPAN
CAMSHOP.JP の「ハンターカブ T シャツ」が成田空港にて販売開始!
CAMSHOP.JP の「ハンターカブ T シャツ」が成田空港にて販売開始!
バイクブロス
BMWの新聖地「FREUDE by BMW」が東京・麻布台ヒルズにオープン! 人生に、駆けぬける歓びを。
BMWの新聖地「FREUDE by BMW」が東京・麻布台ヒルズにオープン! 人生に、駆けぬける歓びを。
くるくら
高い拭き取り機能が持続する! 四角形の撥水ワイパー「KIMBLADE」
高い拭き取り機能が持続する! 四角形の撥水ワイパー「KIMBLADE」
月刊自家用車WEB
「10年先でも最強のホイール」って? レイズから新たなる最強の4×4ホイール「VOLK RACING ZE40X」が登場
「10年先でも最強のホイール」って? レイズから新たなる最強の4×4ホイール「VOLK RACING ZE40X」が登場
くるまのニュース

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

2580.02870.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

1380.02990.0万円

中古車を検索
DB11の車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

2580.02870.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

1380.02990.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村