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「なぜ短命で終わった?」 一代限りで販売終了した惜しい国産車5選

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「なぜ短命で終わった?」 一代限りで販売終了した惜しい国産車5選

■たった一代限り。残念なクルマ5選

 クルマというのは、見る側の嗜好によって大きく評価が変わってしまうことがあります。尖ったコンセプトのため乗る人を選ぶクルマであったり、トレンドを追いかけすぎた結果、無難で特徴のないクルマとなって選ばれなかったりと、さまざまです。

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 そんななかから、たった一代限りで販売終了し、現在は消滅してしまったクルマを5台紹介します。

●ホンダ「ロゴ」

 国民車として販売数を伸ばしたホンダ「シビック」が上級クラスに移行したことで、1981年にホンダ「シティ」がデビューします。

 現在の軽自動車と比べ全長が短く、車重も軽いながら全高は高く、室内空間は広々とした使い勝手の良いコンパクト2BOXカーでした。

 その後継車種として、1996年に「ロゴ」が発売されました。

 日常生活での優れた使い勝手を実現するため、扱いやすいコンパクトなボディサイズと広く快適な居住空間を両立。

 搭載されるエンジンは最高出力66馬力を発揮する1.3リッター直列4気筒に3速AT、CVT、5速MTを組み合わせ、790kgから860kgと軽量な車体だったことと、市街地走行を考慮して常用域でトルクを発生させるエンジン特性で、ストレスなくキビキビと走れるクルマとなっていました。

 価格も3ドアの廉価グレード(5速MT)で77万円からと、ライバルに対してかなり戦略的な価格設定がされるなど優れたコストパフォーマンスを持ったロゴでしたが、インパクトに欠けるクルマだったために販売台数が低迷して2001年に生産が終了となりました。

 なお、ロゴの後継車は「フィット」です。シャシからエンジンまで新設計されたフィットはロゴと入れ替わるかたちで登場、大ヒットを記録したことはよく知られています。

●日産「スカイライン クロスオーバー」

 プリンス自動車時代の系譜を継ぐ「スカイライン」は、日本を代表するグランツーリスモです。

 ここ数年のアメリカ市場におけるJDM(Japan Domestic Market)流行によって「スカイラインGT-R」は海外への流出も増え、国内中古車相場も跳ね上がっているほどの人気車種です。

 そんなスポーティなイメージが強いスカイラインの名前を、SUVに冠してしまったクルマが「スカイライン クロスオーバー」。12代目スカイラインの派生車として2009年に登場したクルマです。

 ラグジュアリークーペとSUVの融合というコンセプトで、海外市場に投入されていたインフィニティ「EX37」としても開発。

 スカイラインセダンをイメージさせるフロント周りのデザインと、クーペスタイルのボディを持ち、330馬力を発揮する3.7リッターV型6気筒エンジンを搭載し、FRまたは4WDの駆動方式が設定されていました。

 当時の広告では「クロスオーバー。それは、異なる魅力が出会うことで生まれる、新たな価値」と謳われ、スカイラインオーナーたちの代替も狙っていたように見えます。

 しかし、以前からのスカイラインファンからは見向きもされずに2016年に生産を終了しました。

 日本国内での後継車はありませんが、海外ではインフィニティ「QX50」が、実質の後継車となっています。

●ダイハツ「ソニカ」

 自分らしさやふたりの時間を大切にする「フリースタイルカップルズ」をターゲットとし、従来の軽自動車とは違った走りの質感を高めたスペシャリティカーとして、2006年にダイハツ「ソニカ」が登場しました。

 最高出力64馬力を発揮する660cc直列3気筒ターボエンジンによる余裕の走行性能に、1470mmに抑えられた低い車高が安定感を演出。

 風切り音やロードノイズを低減させる技術による静粛性などだけではなく、電子カードキーを携帯していれば、ドアの解錠/施錠や、エンジンスイッチノブの操作によるエンジンの始動/停止が可能なキーフリーシステムを全車に標準装備するなど、軽自動車らしからぬ贅沢なクルマでした。

 ロー&ロングフォルムをテーマにデザインされたエクステリアは、爽快な走りをイメージさせる低く長く身構えた、流れるようなプロポーションで、低い車高でありながら、ロングホイールベースとコンパクトなエンジンルームによって、広々とした室内空間を実現。

 低く流れるプロポーションとスマートで艶やかなボディスタイル、上質な室内空間を演出するラウンドしたインパネ、ゆったりと座れるシートなどがデザインのポイントで、クオリティは高かったもののユーザーには評価されず、発売からわずか3年後の2009年に販売を終了しました。

■1代で終わったスバルのミニバンとは?

●マツダ「AZ-1」
 日本人のニーズに合わせて進化してきた軽自動車ですが、1980年代にターボ化が進むと各メーカーからスポーティモデルが続々と登場。

 現在でもスズキ「カプチーノ」やホンダ「ビート」などは根強いファンが多く存在しますが、そのハイパワー軽カーのなかでもとくに尖っていたのが、1992年に発売されたマツダ・オートザム「AZ-1」です。

 当時、マツダの5つの販売チャネルのひとつ、オートザム店から販売。

 スズキ「アルトワークス」と同じ、最高出力64馬力の660cc直列3気筒ターボエンジンをリアミッドシップに搭載し、ロック・トゥ・ロック2.2回転の超クイックステアリングを左右に振れば、まるでゴーカートを運転しているかのような俊敏な走りを楽しめました。

 AZ-1は外装に樹脂パネルを多用することで重量は720kgに抑えられており、その運転の楽しさももちろんですが、最大の特徴は左右に大きく開く「ガルウィングドア」です。

 カプチーノやビートのオーナーからも熱い視線を浴びせられることも多かったのですが、2シーターの狭いキャビンは実用性が低く、車両価格も高かったために購入を諦めてしまう人も多くいたほどです。

 現在、海外ではAZ-1が特殊なマイクロスポーツカーとして注目されていて、多くの中古車が輸出されてしまっています。

●スバル「エクシーガ クロスオーバー7」

「7シーターパノラマツーリング」をコンセプトに開発され、2008年に登場したミニバンがスバル「エクシーガ」です。

「レガシィツーリングワゴン」などで培ったワゴン造りのノウハウを活かして、3列シートで7人がしっかり乗れる高い居住性と、開放感あふれる室内空間を実現したミニバンでした。

 シャシやプラットフォームを含む部品の約50%を「レガシィ」と共有し、発売時はターボと自然吸気ともにスバル独自の2リッター水平対向4気筒エンジンを搭載。2009年には2.5リッターエンジン搭載車も追加ラインナップされました。

 SUV人気が高まっていた2015年には、ファッション性と本格SUVの要素を取り入れた内外装と全天候型AWDのパフォーマンス、開放感溢れた7人乗りのパッケージングを併せ持ったクロスオーバーモデルの「エクシーガクロスオーバー7」(H型エクシーガ)として再登場。

 都市型SUVには十分なロードクリアランスである170mmを確保した専用サスペンションが採用され、エンジンは2.5リッター水平対向4気筒エンジンを搭載、リニアトロニックCVTとシンメトリカルAWDを組み合わせました。

 さらに、大型フロントグリルやルーフレール、前後バンパーやホイールアーチなど、SUVらしさが表現されていましたが、2018年に販売を終了。スバルの3列シート車が国内市場から消滅しました。

※ ※ ※

 たった一代限りで終了してしまったクルマでも、ユーザーにたくさんの車種のなかから選ぶ楽しさを提供していたことから、当時はなくてはならない車種だったかもしれません。ラインアップ整理が進んだ現在からすれば、うらやましい限りです。

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みんなのコメント

35件
  • ホンダは走るラブホもあったよね
  • ホンダのロゴはコストダウンカーだったから街で見かけてもなんかビンボー臭さが全体から出てた。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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