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フィアット500ツインエアは「通好み」? 2気筒ターボで「元気ハツラツ」な走りっぷりを見せた【10年ひと昔の新車】

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フィアット500ツインエアは「通好み」? 2気筒ターボで「元気ハツラツ」な走りっぷりを見せた【10年ひと昔の新車】

「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、フィアット 500 ツインエアだ。

フィアット 500 ツインエア(2011年:車種追加)
1957年に登場して人気を集めた2代目フィアット500をオマージュして、その登場から50年後の2007年に登場した現代のフィアット500。その可愛らしいスタイルで登場以来、日本でも人気を集めている。

●【くるま問答】ガソリンの給油口は、なぜクルマによって右だったり左だったりするのか

そんなフィアット500に、革新的な2気筒エンジンを搭載した「ツインエア」が設定されて日本デビューを果たした。このエンジン、ツインエアという名前が示すとおりの2気筒で、排気量は875cc。それをターボで過給して、ノーマルモードで85ps/14.8kgmを発生する。

フォルクスワーゲンも小排気量+過給器で燃費を稼ぐというTSIエンジンを幅広いレンジで展開しているが、フィアットは排気量もさることながら気筒数も減らし、さらなる小型軽量化を図ってきた。

その目的は、何といっても燃費向上とCO2の削減にある。10・15モード燃費は21.2~21.8km/Lという、かなりの数値。もちろんこれにはシングルクラッチAMTの5速デュアロジックと、アイドリングストップ機能の恩恵もあるだろう。

フィアット500は、これまでのラインアップでは、69ps/10.4kgmを発生する1.2Lの直4 SOHCや、100psと13.4kgmを発生する1.4Lの直4 DOHCを搭載してきたが、これらとの走りっぷりはどう違うのか、なかなか気になるところだ。

コツさえつかめば、その走りはなかなか楽しい
さて、2気筒エンジンによる走りは、いったいどんなものなのだろうか? やはり気になるのは振動だ。振動を抑えるための逆回転バランサーシャフトなども盛り込まれているが、ヴィッツの3気筒 1Lや軽自動車の3気筒 660cc+ターボと比べても、かなり振動は大きいのは否めない。音も、静かとは言いがたいというのが正直なところだ。

また、CVTに慣れてしまった人たちがこのクルマを快適に走らせるには、ちょっとしたコツがいる。それはAMTのデュアロジックで、MTでシフトするように変速のタイミングで少しだけペダルを緩めるようなアクセルワークをすれば滑らかに変速してくれる。だがATモードに入れて、ただアクセルを踏んで走っていると、やはり変速時のショックが気になってしまう。

さらにアイドリングストップの再始動も、コンマ何秒というレベルだが若干遅く感じる。ヒルホールド制御が入っているとは言うのだが、急な坂道発進ではブレーキペダルから足を離してエンジンが再始動するまでに、クルマが少し下がってしまうこともある。このあたりは、それなりの割り切りが必要だ。

と、なんだかダメ出しばかりしてしまったようだが、元気の良さはさすがラテンのクルマらしさを感じさせてくれる。出力を抑えたエコモードに入れても、パワフル感にあまり変化がないと思えるのは、低回転域でマックスに達するトルクの太さの恩恵だろう。例えば、スズキが16年ぶりに開発した最新エンジンを搭載したMRワゴンでも、最大トルクの9.7kgmに達するのは3000rpmなのに、このツインエアは2000rpmで10.4kgmに到達する。

フィアット500 ツインエアは、MT感覚で上手に乗りこなせば、小さいからこその小気味良さを存分に味わえるだろう。まさに、ちょっと通好みな1台といえるかもしれない。

■フィアット500 ツインエア ラウンジ 主要諸元
●全長×全幅×全高:3545×1625×1515mm
●ホイールベース:2300mm
●車両重量:1040kg
●エンジン種類:直2 DOHCターボ
●排気量:875cc
●最高出力:63kW<85ps>/5500rpm
●最大トルク:145Nm<14.8kgm>/1900rpm(ノーマルモード)
●トランスミッション:5速AMT
●駆動方式:横置きFF
●10・15モード燃費:21.2km/L
●タイヤ:185/55R15
●当時の車両価格:245万円(税込)

[ アルバム : フィアット500 ツインエア はオリジナルサイトでご覧ください ]

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みんなのコメント

5件
  • 振動は大きいが、3気筒のような気持ち悪い振動では無い。
  • 体のホールドは良く考えてある形状かと。
    広々が好みならホカを当たった方がいいぜ!
    そんな感じに思える設計
    ディアロジックの自動変速は振動では無く次の速度域に切り替える為の儀式。
    切り替えては、さて行くぞ!と行った感じ。
    機械との対話が楽しめるクルマな感じ
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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