アウディの中でもヒットモデルのミドルサイズSUVのQ5。そのQ5のBEV版ともいえるのがQ6 eトロンである。新世代テクノロジーを搭載したQ6 eトロン プロトタイプに試乗した。(Motor Magazine2023年10月号より)
高い完成度のプロトタイプ。航続距離は600km以上
フェロー諸島に持ち込まれたアウディQ6 eトロンのプロトタイプは派手なカモフラージュを与えられているが、その下から覗く新しいデザインはこれまでのアウディらしさを継承した端正なもので、最新のアウディファミリーに共通なシルエットを持っている。
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しかしフロントは上下に分割された細長いデイタイムランニングライトとヘッドライト、さらにリアには車幅一杯に伸びた先進的なOLEDテールランプを装備するなど新しい要素も採用されている。
一方、ドアハンドルは空気抵抗の少ないフラッシュ式ではなく、相変わらず従来型の引き出し式を使用している。また、プロトタイプはクラシックなリアビューミラーで、Q8 eトロンのようにオプションでも電子ミラーは装備されない。BEVにとっては空力特性が航続距離を延ばす重要な要素のひとつのはずだが、アウディはこれに代わる解決方法でも見つけたのだろうか。
試乗に供されたのはQ6 eトロンとSQ6 eトロンで、ともにほぼ垂直なテールゲートを持つSUVタイプだったが、将来的にはスポーツバックも登場予定だ。
ボディサイズは全長4766mm、全幅1936mm、全高1681mmでQ5よりひと回り大きくなっている。今回試乗したプロトタイプのインテリアは厳重に隠されていたが新しいステアリングホイールをはじめ、ドライブセレクターなどのデザインは一新されていた。
Q6 eトロンの詳細なスペックはまだ公表されていないが、5つのドライブモードを持った2基の電気モーターのシステム最高出力はQ6 eトロンは400ps/295kW、SQ6 eトロンでは517ps/380kWのピークパワーを発生するはずである。
SQ6 eトロンの予想されるダイナミック性能は0→100km/h加速が4.5秒、最高速度は210km/hと語られている。
また搭載されるバッテリーはおよそ100kWhのエネルギー容量を持ちQ6 eトロンでは600km以上の航続距離を約束する。そして800Vのアーキテクチャーによって充電能力は最大で270kWとされている。
プレミアムBEV-SUVの資質を十分に持ち合わせたモデル
試乗したQ6 eトロンとSQ6 eトロンのプロトタイプのパワートレーンの完成度は高く、即座に得られる大トルクと優れたトラクションにより、スポーツモードではとくにスムーズでダイナミックな加速が得られた。ただし、2500kg以上の重量と、前述した課題の残る空気抵抗によってアウトバーンでのハイスピードクルージングは苦手だ。
一方で新しいパワートレーンは非常に洗練されており、快適なクルージングを可能にしている。サスペンションはフロントに新開発のダブルウイッシュボーン、リアはマルチリンクを採用している。またエアサスを装備したQ6 eトロンは素晴らしいボディコントロール性能を持っており、ロール、ダイブ、スクワットをすべて巧みに制御し、起伏に富んだ道路でも同様に常にフラットで快適な乗り心地を提供してくれた。
およそ丸1日の間、十分に試乗したQ6 eトロンの印象はプレミアムBEV-SUVとしてBMW iXやメルセデスEQS SUVなどのアッパークラスモデルに対しても十分に競争できる内容に仕上がっていると感じた。
さらに過去10年ほどの間でもっとも売れている同社のアッパーミドルクラスICE搭載のSUVモデル、Q5などに代わる未来の最良の選択肢となる性能を十分に備えている。
2024年には日本でも発売が始まる予定だが、日程や価格についての情報は8月中旬の現時点ではまだ発表が行われていない。(文:木村好宏/写真:キムラ・オフィス)
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みんなのコメント
テスラの充電規格NACSを採用してくれたらありがたい。自宅はV2Hを設置しているけど、テスラのパワーウオール設置すれば良いのだろうから、蓄電池込みで1200万かあ。社有車で買うかあ。来年までにこれ以上の魅力的な国産電気自動車は出そうもないし。