5月3日に行われた2024 AUTOBACS SUPER GT Round2 FUJI GT 3Hours RACEの予選。今回ポールポジションを獲得したのは17号車のAstemo CIVIC TYPE R-GTであった。GRスープラ勢の躍進が目立った開幕戦から一転、シビックがポールポジションを獲得したが、この展開の背景にHRCはどのような勝機を見出したのか。
文:西川昇吾/写真:HONDA
新車シビックがスーパーGT無双か!? 第2戦富士は17号車アステモが好発進!! GT500シビックのポテンシャルがスゴイ
■低ドラッグ化でも速さは変わらぬ!!
いぶし銀の走りでポールポジションをもぎ取った塚越広大選手
開幕前は「まだまだ発展途上」といった声が聞こえ、今シーズンは厳しい戦いが予感されたシビック勢。しかし、開幕から2戦目でポールポジション。しかも開幕戦で大きなクラッシュをした17号車がポールを獲得する結果になった。
この背景には今年シビックになったことで空力特性が大きく変化したことがあるそうだ。昨年までのNSXに比べて低ドラックでストレートスピードを高めやすいパッケージになったとのことだ。ただ、ドラッグが低下したことで、ダウンフォースが無くなりコーナリングスピードに影響を及ぼしている様子は無さそうだ。
実際にポールポジション会見でもQ1担当の太田格之進選手、Q2担当の塚越広大選手のドライバー陣もベストのセットはまだ見つけ切れていないとしながらも「グリップ感が良くて、全域で速さを感じている。シビックの強みを生かすのが楽しむ」と語っていた。
太田格之進選手は期待の若手だ
■HRC開発陣も手ごたえを感じる?
開幕戦で表彰台を獲得した100号車
開発陣もこの結果に手ごたえを感じているらしい。開幕前のテストでは他メーカーのマシンの方が速いストレートスピードとなっていたが、同じ狙いで開発を進めた結果、今回の予選でポールポジションを獲得することが出来た。
まだまだマシンの熟成度としても満足していない雰囲気であるそうだが、その中でもこの結果は大きいと言える。また、まだ第2戦でウエイトが少ないマシンが多い中での好成績、開幕戦を3位で終え、25kgのサクセスウエイトを乗せている100号車も6位のポジションで予選を終えた。このような背景からもシビックの戦闘力が高いことが伺える。
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開発陣としては低ドラックな特性を生かしつつ、レースで必要なダウンフォースを付けたのが現在の車両とのこと。ダウンフォース100Rや第3セクターでも大きな不満は出ていないそうだ。
決勝の戦略的にもシビックの特性は優位に働くと開発陣は予想している。低ドラックで最高速が伸びる場合、コースティングを活用した燃費走行がしやすくなる。バトルをしながらもコースティングを活用しやすい状況になるので、燃費への戦略が立てやすいそうだ。
高速サーキットでの1発の速さを見せたシビック勢。決勝での3時間の長丁場はどのような戦いを見せるのか注目したい。
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