■超高級スポーツカーメーカーが「激カワコンパクトカー」を売っていた!?
アストンマーティンは1913年に設立以来、洗練されたエクステリアに高品質なインテリア、強力なパワーユニットによる第一級の走行性能で知られる、英国の老舗高級スポーツカーメーカーです。
【画像】見かけたら「奇跡」!? 豪華内装がヤバイ激レア「超コンパクト高級車」を画像で見る(32枚)
ル・マンやF1を始めとしたモータースポーツでの活躍や、映画「007」シリーズで主人公が乗る「ボンドカー」としてのイメージなど、英国内の上流階級が愛用する高級スポーツカーのイメージが強い同社のクルマですが、実は「コンパクトカー」を販売していたことがありました。
アストンマーティン「シグネット」は2011年から2013年まで生産された、全長3078mm×全幅1680mmのコンパクトカーです。
エレガントでコンパクトという個性的なデザインでありながら、大人4人が乗車可能な実用性能も兼ね備えており、都市部のモビリティに対するラグジュアリーなソリューションとして設計されたと言います。
ベースは2008年11月にトヨタから発売された「iQ」。1.3リッターの直列4気筒エンジンや6速MTはiQに準じたものを搭載していますが、各部に遮音材の追加や、エンジンやミッションのマウントを変更することで静粛性を向上させていました。
なお生産は、アストンマーティン本社ゲイドンで行われています。
全長3mほどのコンパクトなボディに長いホイールベースはiQと共通するも、エクステリアはiQとは一部異なり、真のアストンマーティンとして設計・製造されたといいます。
アストンマーティンシリーズに特徴的な翼をモチーフにしたフロントグリルや、ボンネットとフロントフェンダーに設けられたダクト、専用デザインのテールなど各部がオリジナルとなり、アストンマーティンの系譜を受け継ぐデザインを採用。
さらに、インテリアは手縫いの本革素材を各トリムやシートにふんだんに使用。ルーフ素材も一部モデルでは人工皮革「アルカンターラ」を採用するなど、アストンマーティンの誇るクラフトマンシップによって豪華に仕上げられています。
外装色と内装色のコーディネートは、ユーザーの好みによって自由に組み合わせることが可能でした。
高級スポーツカー専門メーカーであるアストンマーティンが、空前絶後のコンパクトカーシグネットを販売した理由として、企業別平均燃費基準(通称:CAFE)をクリアする目的があったと言われています。
なおシグネットは日本にも正規輸入され、新車価格(消費税込)は475万円からに設定されていました。
iQの新車当時のベースグレード価格140万円に比べると3倍近い価格設定ですが、現在はその希少性が注目されているようで、新車時を上回る600万円超えの中古車も販売されているなど、プレミア価格がつく状態となっています。
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