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フォードの血が流れる2代目 フォルクスワーゲン・アマロックへ試乗 大手協働で一新 前編

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フォードの血が流れる2代目 フォルクスワーゲン・アマロックへ試乗 大手協働で一新 前編

フォードと手を結んだフォルクスワーゲン

格上の相手へ戦いを挑むなら、相応の準備や戦略が必要になる。思い切って胸を借りる場合もある。フォルクスワーゲンが不慣れなピックアップトラック市場へ改めて挑んだ今回も、そんな状況に近かったのかもしれない。

【画像】2代目へ一新 フォルクスワーゲン・アマロック 競合ピックアップと比較 初代も 全109枚

2代目となるアマロックは、初代よりひと回り大きく、能力が高められ、上級感を増している。そもそも、根本から初代とはまったく異なっている。

まずここで、フォルクスワーゲンのピックアップトラックを振り返ってみよう。初代アマロックが発売されのは2010年。ボディとフレームが別体になった従来的な構造を採用し、自社の多様なパワートレインを搭載することで、一定の支持を集めていた。

特に人気といえたのが、3.0L V6ディーゼルターボ・エンジンを積んだ仕様。競合モデルより運転しやすく車内は快適で、ブランド初となる本格的なピックアップトラックでありながら、仕上がりは悪くなかった。

しかし、2代目を自社で開発できるほどの台数はさばけなかった。アマロックの年間販売数は、最も好調だった年で約9万台。経験の長いフォードは、レンジャーをコンスタントに年間35万台前後販売している。英国の公道で出くわす回数の差も大きい。

世界の自動車メーカーは、協力関係を築くことでお互いを強化する流れにある。最大手に数えられるメーカーでも同様。そこで、フォルクスワーゲンはフォードへ協力を仰いだ。実際、角張ったスタイリングのアマロックを観察すれば、その事実を確認できる。

ボディの内側にあるのはフォード・レンジャー

ドアを開くと、ダッシュボードの中央で縦長のインフォテインメント用タッチモニターが存在感を示す。フォルクスワーゲンの他のモデルでは、目にしたことのないデザインだろう。シフトセレクターやドアハンドルも、同社では見慣れないカタチといえる。

ボンネットを開いて、フロントガラスの付け根にある刻印や補機部品の筐体を観察すると、FoMoCoという文字を発見できる。これは、フォード・モーター・カンパニーの頭文字だ。

2台目アマロックのボディパネルの内側にあるのは、先日AUTOCARでも試乗した新しいフォード・レンジャー。T6プラットフォームをベースとしている。

フォルクスワーゲンは、バッテリーEV(BEV)の急ピッチな開発へ重点的に投資を行っている。それと引き換えに、内燃エンジンを搭載する商用車の開発には、充分なリソースを回すことが難しくなっていた。生産台数の少ないピックアップトラックは特に。

他方のフォードは、大型のBEV用プラットフォームを開発しマスタング・マッハEを発売。BEVピックアップトラックのF-150 ライトニングもリリースしている。だが、コンパクトカーの分野では少々遅れを取っていた。

そんな世界を代表する2つの自動車メーカーは、ハードウエアやBEV技術を共有することにメリットを見出した。2代目アマロックは、その協力関係で生み出された最初の成果になる。

ほぼすべてのボディパネルはVW独自デザイン

アマロックの開発を主導したのは、レンジャーのアップデートを考えていたフォード。オーストリアで、2018年にスタートしている。ただしエンブレムを張り替えただけの、バッジ・エンジニアリング・モデルとは少々異なる。

外装で共有しているのは、ルーフパネルとドアミラーカバー、ドアハンドルだけ。それ以外のボディパネルは、アマロック独自のデザインとなる。インテリアも基礎構造は共有するものの、雰囲気はだいぶ差別化されている。

シャシーの開発でも、フォルクスワーゲンの技術者がフォードへ出向し、サスペンションや電動パワーステアリングを仕上げたという。求める品質や洗練性を得るために。

といっても、リア側はリーフスプリングとリジットアクスルという、質実剛健主義の設計ではある。エアサスペンションが支える、トゥアレグのような上質な乗り心地までには届いていない。リアが独立懸架式になる、レンジャー・ラプターとも違う。

ドライブトレインはフォード製。内燃エンジンは170psを発揮する2.0L直4と、204psの2.3L直4、240psの3.0L V6というディーゼルターボが選べる。今回試乗したのは3.0L V6だった。

ちなみに、V6エンジンの必要性はフォルクスワーゲンが主張したそうだ。それを受け、フォードはT6プラットフォームへ手を加え、搭載できるようにした。結果として新型レンジャー・ラプターでも、パワフルなV6ユニットが組み合わされるようになっている。

この続きは後編にて。

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