現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 【ヒットの法則359】プジョー207GTiは 207GTとは異なる「走る楽しさ」に溢れていた

ここから本文です

【ヒットの法則359】プジョー207GTiは 207GTとは異なる「走る楽しさ」に溢れていた

掲載 更新
【ヒットの法則359】プジョー207GTiは 207GTとは異なる「走る楽しさ」に溢れていた

2007年6月、プジョー207シリーズの最強モデル「207GTi」が登場した。モータースポーツのエッセンスを注ぎ込んだというモデルは、「207GT」とどこがどのように違うのだろうか。日本上陸後すぐに行われた国内試乗会の模様を振り返ってみよう。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2007年9月号より)

207GTが高速ツアラーなら、207GTiはまさにホットハッチ
プジョー207シリーズの最強モデルとされる207GTiだが、正直に言うと、このクルマの狙いが今ひとつ理解できていなかった。207シリーズのスポーツモデルとしてはすでに207GTがある。しかも、207GTiと207GTはともに、3ドア+5速MT+1.6L直噴ターボ。175psと150ps、そのパワー差25ps。320万円と264万円、その価格差56万円をどう理解すればいいのだろうか。

●【くるま問答】ガソリンの給油口、はて? 右か左か、車内からでも一発で見分ける方法教えます(2020.01.21)

もう少し詳しく207GTiと207GTの違いを見ておこう。

●エンジン。ともにBMWとの共同開発の下に誕生した1.6L直噴ターボをプジョーがチューンしたものだが、207GTi用のものは過給を上げて175psまでパワーアップされている。なお、水温が90度以上、エンジン回転が1600rpmから4500rpm、ギアが3速から5速、フルスロットルという条件を満たしたとき、過給圧が2.0バールまで(通常は最大1.8バール)上がり、260Nmの最大トルクを発揮するオーバーブースト機能もついている。

●ギア比。同じ5速MTながら、207GTiは1速をハイギアードとする一方、2速以上をローギアードとすることで加速性能を上げている。

●タイヤ。205/45R17とサイズは同じながら、207GTiはBSポテンザRE050Aを標準装着。207GTはピレリPゼロネロ。

●サスペンション。207GTiは専用のスプリング、ショックアブソーバーを装着。207GTiはフントアンチロールバー、リアトーションバーも強化されている。

●ブレーキ。207GTiに専用のフロントブレーキシステムを採用。ディスク径302mm、キャリパーのピストンは径57mm。

●207GTiにステアリングスタビリティプログラムを採用。これはESPと電動パワステの制御系を組み合わせたシステムで、左右車輪でミューが異なる路面でブレーキをかけたときなど、ステアリングに直進方向に戻す反力を与えて車両の動きを安定させるもの。

●エクステリア。特徴的なヘッドライトは207GTiではダーククローム加工のさらに精悍なものになり、ドアミラーにはサテンシルバー塗装が施されている。またエキゾーストパイプは207GTiではセンター2本出しとなり、リアバンパーも207GTi専用のものに変わる。また207GTiではルーフに大型リアスポイラーも装備される。

●インテリア。207GTiはサイドに本革、座面にアルカンタラを使用したフルバケットシートを採用、リアは2人掛けのフル4シーターとなる。メーターはクローム仕上げのブラックメーター、ステアリングはメタリック調リング付きの専用デザイン。

こういった違いを確認し、「プジョーのモータースポーツのエッセンスをすべて注ぎ込んだ」という謳い文句を聞けば、多くの人が過激で戦闘的なモデルと想像することだろう。

ところが、乗ってビックリ、ガチガチに固められた野蛮なクルマではなく、プジョーらしい気持ちのいいものだったのだ。パワーアップされたことによる気むずかしさはまったくなく、軽快そのもの。オーバーブースト機能を試すことはできなかったが、それでもこのパワー感は1260kgという車重には刺激的ですらある。

その走りは豪快というより痛快といったもので、クロス化されたギア比もあって気持ちのいい加速を見せる。タイトコーナーでは1速さえも使える愉しさで、2速以上も巧みにギアリングされていて、シフトすることが歓びになってくる。足まわりは基本的に硬めだが、しっとりとノーズが入る感じで、キュンキュンと曲がっていくのだ。

プジョーは細いタイヤを履いたベースグレードこそ面白いと思うが、これはこれでアリかもしれない。207GTが高速ツアラーなら、207GTiはまさにホットハッチ。207GTiのピリッとした味は、ゴルフGTIにも劣らぬものだと思う。(文:松本雅弘/Motor Magazine 2007年9月号より)



プジョー 207GTi 主要諸元
●全長×全幅×全高:4030×1750×1470mm
●ホイールベース:2540mm
●車両重量:1260kg
●エンジン:直4DOHCターボ
●排気量:1598cc
●最高出力:175ps/6000rpm
●最大トルク:240Nm/1600-4500rpm
●トランスミッション:5速MT
●駆動方式:FF
●車両価格:320万円(2007年)

[ アルバム : プジョー 207GTi はオリジナルサイトでご覧ください ]

こんな記事も読まれています

[ヤリスクロス]より爆安!! [初代アウトランダー]みたいなクルマを今こそ!!  230万円台で3列シートって!!  しかも三菱渾身の4WD技術でバカ安だった
[ヤリスクロス]より爆安!! [初代アウトランダー]みたいなクルマを今こそ!!  230万円台で3列シートって!!  しかも三菱渾身の4WD技術でバカ安だった
ベストカーWeb
「レンジローバー スポーツSV」はBMW M製V8ツインターボを搭載! エンジン屋「X5M/X6M」「M5」の強心臓とのマッチングはいかに
「レンジローバー スポーツSV」はBMW M製V8ツインターボを搭載! エンジン屋「X5M/X6M」「M5」の強心臓とのマッチングはいかに
Auto Messe Web
9年目の大アプデで一層楽しい! マツダ・ロードスターへ英国試乗 新LSDとトラック・モード獲得
9年目の大アプデで一層楽しい! マツダ・ロードスターへ英国試乗 新LSDとトラック・モード獲得
AUTOCAR JAPAN
幻の「ケンメリGT-Rレーシング」を「スカイライン」で再現! メインステージは「もちろん富士スピードウェイです」
幻の「ケンメリGT-Rレーシング」を「スカイライン」で再現! メインステージは「もちろん富士スピードウェイです」
Auto Messe Web
バニャイヤ、王者同士の激戦制し今季2勝目! マルケスがドゥカティ陣営移籍後初の表彰台獲得|MotoGPスペインGP決勝
バニャイヤ、王者同士の激戦制し今季2勝目! マルケスがドゥカティ陣営移籍後初の表彰台獲得|MotoGPスペインGP決勝
motorsport.com 日本版
はたらくクルマ図鑑「ヤマグチのレッカー車たち」2
はたらくクルマ図鑑「ヤマグチのレッカー車たち」2
グーネット
【動画】マツダが開くレーシングドライバーへの道! 「MAZDA SPIRIT RACING」筑波サーキットのドライバー選考会に潜入した
【動画】マツダが開くレーシングドライバーへの道! 「MAZDA SPIRIT RACING」筑波サーキットのドライバー選考会に潜入した
WEB CARTOP
平川亮が驚いたF1マシンの速さとブレーキ。マクラーレンでのテストにはWECやSFの経験が活きる部分も
平川亮が驚いたF1マシンの速さとブレーキ。マクラーレンでのテストにはWECやSFの経験が活きる部分も
AUTOSPORT web
2024年版 「速い+快適」な高級スーパースポーツカー 10選 日常使いもできる高性能モデル
2024年版 「速い+快適」な高級スーパースポーツカー 10選 日常使いもできる高性能モデル
AUTOCAR JAPAN
美しすぎるホイール「アンテラ」が復活!「ミラノデザインウィーク2024」でロベルト・バッジョ氏がブランド・アンバサダーに就任
美しすぎるホイール「アンテラ」が復活!「ミラノデザインウィーク2024」でロベルト・バッジョ氏がブランド・アンバサダーに就任
Auto Messe Web
もとはV12エンジンのGPマシン! ドライエ・タイプ145 シャプロン・ボディのスーパークーペ(2)
もとはV12エンジンのGPマシン! ドライエ・タイプ145 シャプロン・ボディのスーパークーペ(2)
AUTOCAR JAPAN
フェラーリに8年先行したロードカー ドライエ・タイプ145 シャプロン・ボディのスーパークーペ(1)
フェラーリに8年先行したロードカー ドライエ・タイプ145 シャプロン・ボディのスーパークーペ(1)
AUTOCAR JAPAN
全長4m級! 新型「200馬力超えハッチバック」公開!  誕生から“25周年”の「スポーツハッチ」! 迫力フェイスもカッコイイ「ポロGTI」発売
全長4m級! 新型「200馬力超えハッチバック」公開! 誕生から“25周年”の「スポーツハッチ」! 迫力フェイスもカッコイイ「ポロGTI」発売
くるまのニュース
大型トラックに休憩義務はあれどSA・PAは慢性的な駐車枠不足! 対策で出てきた「駐車有料案」はハッキリいって愚策そのもの!!
大型トラックに休憩義務はあれどSA・PAは慢性的な駐車枠不足! 対策で出てきた「駐車有料案」はハッキリいって愚策そのもの!!
WEB CARTOP
洗練&堅牢、モデリスタがトヨタ ランドクルーザー250 をカスタム
洗練&堅牢、モデリスタがトヨタ ランドクルーザー250 をカスタム
レスポンス
はたらくクルマ図鑑「ヤマグチのレッカー車たち」1
はたらくクルマ図鑑「ヤマグチのレッカー車たち」1
グーネット
Moto2スペイン決勝|フェルミン・アルデゲル、母国戦勝利! 小椋藍は追い上げ11ポジションアップの6位
Moto2スペイン決勝|フェルミン・アルデゲル、母国戦勝利! 小椋藍は追い上げ11ポジションアップの6位
motorsport.com 日本版
「小仏トンネルを先頭に渋滞」なぜなのか? 混みやすい原因が満載!? ほとんどトラップの数々
「小仏トンネルを先頭に渋滞」なぜなのか? 混みやすい原因が満載!? ほとんどトラップの数々
乗りものニュース

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

199.0260.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

20.0110.0万円

中古車を検索
207 (ハッチバック)の車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

199.0260.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

20.0110.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村