ドラマや映画で活躍する俳優・永山絢斗さんは、クルマ好きとしても知られている。そんな永山さんに憧れのクルマや愛車について訊いた。今回は前編。
憧れの“エボII”と感動の対面
「これが“エボII”ですか……」
はじめて見る、“ホンモノ”のメルセデス・ベンツ「190E2.5-16 エボリューションII」に目を輝かせるのは俳優・永山絢斗さんだ。2007年のデビュー以降、さまざまなドラマや映画に出演。最近では、ドラマ『俺の家の話』(TBS系列)で、主演を務めた長瀬智也さんの弟役を熱演、話題になった。
永山さんは、クルマ好きとしても知られている。世界500台限定の超希少車であるフォード「フォーカスRS500」を所有していることをメディアで述べ、注目を集めた。
そんな永山さんを取材するにあたり、「乗ってみたいクルマを教えてください」と訊いたところ、最新モデルではなく、今から約30年前に販売された190E2.5-16 エボリューションIIをリクエストしたのだ。
「今までウェブ上でしか見た経験がなかったので、実車と対面出来たのは感動です。左右非対称のドアミラーや特徴的なリアスポイラー、そして専用パーツを各部に使ったインテリアなどを、しっかり自分の目で見ることができ、大変嬉しいです」
190E2.5-16 エボリューションIIは、1990年に登場した世界限定500台の特別モデルだ。ドイツ・ツーリングカー選手権(DTM)に参戦するために開発されたホモロゲーション・モデルである。1982年に登場した「190E」をもとに、専用のフロントバンパーやアルミホイール、リアウィングを装備。搭載するエンジンはコスワース・チューンのツインカム4バルブヘッドを持つ2.5リッター直列4気筒ガソリンで、最高出力は235ps、最大トルクは245Nmを発揮した。組み合わされるトランスミッションはゲトラグ製の5MTだ。
永山さんが190E2.5-16 エボリューションIIに憧れたのは、ウェブ上で偶然、見つけたのがきっかけという。
「今所有しているフォーカスがトラブルによって長期間、工場入りを余儀なくされたため、クルマが必要になったんです。はじめは、予算などの条件におさまるクルマを中古車サイトで探していたのですが、なかなか見つからず、そのうち予算を考えずに検索し、気づいたら“エボII”にたどり着きました」
条件のひとつはマニュアル・トランスミッション車だった。「メルセデスでマニュアル車というと、ほとんどは1960年代ぐらいまでの古いモデルになるんです。それらのオールド・メルセデスとはちがい、 “エボII”は異彩を放っていました」
ノーマルの190Eとは異なる独特な雰囲気に「こんなにも個性的なメルセデスがあるとは!」と、一目惚れしたそうだ。
ドラマ『俺の家の話』の撮影時、共演者同士で、「もしお金に余裕があれば、どのクルマが欲しいか?」と話題になったときも、190E2.5-16 エボリューションIIを挙げたという。
「中古車市場にあっても、すぐに買えるような金額ではないんですけどね(笑)見れば見るほど個性的なリア・デザインや“2.5-16“のオリジナル・エンブレムに惹かれていきます。“希少価値”が高まっている点も魅力です。今はすっかり“エボII”の虜ですね」
極上の個体に衝撃
撮影のために用意した190E2.5-16 エボリューションII(1990年式)は、モータージャーナリスト/レーシングドライバーの桂伸一さんが新車から所有する“ワンオーナー・モデル”。
「買ったのはバブル崩壊直後でした。最初、購入を持ちかけられた個体は、諸般の事情で買えず、あらためて探した1台です」と、桂さんは話す。
詳しく訊くと、当初、別の人が奥様用に購入したものの、ご本人が「オートマチック・トランスミッションじゃないと運転出来ない」ということになって、オーダーをキャンセル。結果、桂さんの手元にやってきたという。
買ってから約29年を経たとはいえ、総走行距離は驚きの約2万5600km! おそらく、これほど状態のよい190E2.5-16 エボリューションIIは世界中探してもほとんどないはず。永山さんも「素晴らしいコンディションですね!」と、驚いていた。
インテリアも“極上”という言葉がぴったり。セパレートタイプのリアシートは使用された形跡がほぼない。撮影のため、永山さんにリアシートに座ってもらったとき、ヘッドレストの調整法を尋ねられた桂さんは、「どうするんだっけ? 後ろには乗らないから分からないや(笑)」。
ちなみに、桂さんの個体がもし市場に出されると、3000~4000万円はくだらない値がつく。永山さんは「夢のまた夢ですね……」。
撮影でクルマの位置を変えるとき、永山さんに190E2.5-16 エボリューションIIを動かしてもらった。普段からマニュアル・ギアボックスのクルマを愛用しているだけあって、スムーズに動かす。
「フォーカスよりクラッチが軽いですね! それに乗り心地も良さそう。スポーティかつラグジュアリーだから、どこへ行っても恥ずかしくないでしょうね」
今回、公道試乗が叶わなかったのは油圧調整式サスペンションの調子がいまひとつだったため。「実際の道で運転するとすごいんでしょうね」と、永山さん。桂さんは、「スピード感では現代のクルマに敵わないですが、高速域の安定感は抜群です」。永山さんは、うなずく。
後編では、永山さんの現在の愛車であるフォーカスRS500について尋ねる。
【プロフィール】
俳優・永山絢斗(ながやまけんと)
1989年3月7日生まれ。東京都出身。2007年『おじいさん先生』(日本テレビ系列)で俳優デビュー。連続テレビ小説『おひさま』や『べっぴんさん』(NHK総合)、『ドクターX~外科医・大門未知子~ 第5シリーズ』(テレビ朝日系列)、そして2021年には『俺の家の話』(TBS系列)に出演。映画では2010年の『ソフトボーイ』で第34回日本アカデミー賞・新人俳優賞を受賞。
2021年7月1日(木・映画サービスデー)には『峠 最後のサムライ』(配給:松竹、アスミック・エース)に出演する。原作は司馬遼太郎著の『峠』。幕末の風雲児と呼ばれた越後長岡藩家老・河井継之助を描いた作品で、1966年~68年まで『毎日新聞』に連載され、1968年に新潮社より上下巻で初版が刊行された。累計発行部数は284万部を超えるベストセラーとなっている。『峠』初の映像化作品が『峠 最後のサムライ』だ。
【撮影協力】
KOBOtect
熱と紫外線を遮断する高透明度フィルム「KOBOtect sun blockフィルム」を開発、販売する。このフィルムはクルマ以外にもオフィスビルやマンション、ホテル、ショッピングモールなど幅広い場所で使われている。
TEL : 045-507-7997(神奈川本社 〒224-0054 神奈川県横浜市都筑区佐江戸町290-1)
文・稲垣邦康(GQ) 写真・安井宏充(Weekend.) スタイリスト・Babymix ヘアメイク・新宮利彦 撮影協力・コボテクト
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