昨季は12月初旬に南米大陸で“シーズン3”を終えたワンメイク電動オフロード選手権『エクストリームE』が、新年度“シーズン4”のカレンダーを発表。サウジアラビアの砂漠地帯ジェッダで開幕したシーズンは、おなじみイタリア・サルディニア島でのダブルヘッダー連戦を含む全10戦が予定されている。
また同時に、チャンピオンシップの公式タイヤサプライヤーであり創設パートナーであるコンチネンタルとのパートナーシップ契約延長もアナウンスされ、引き続き専用タイヤの『エクストリームEクロスコンタクト』が供給される。
2025年導入エクストリームHの“水素燃料電池”搭載プロトタイプがシェイクダウン「予定より早い進捗」
サウジアラビア政府が国家プロジェクトとして推進する国際戦略地域“ネオム”近郊にて2月17~18日に開幕する新シーズンは、すでにFIA国際自動車連盟やF1との合同ワーキンググループを立ち上げ、2025年にも世界初の水素燃料モータースポーツ『エクストリームH』へと移行するプランを表明している選手権にとって、最後のBEVシリーズとなる公算が高まっている。
その全日程でダブルヘッダーが予定されるシーズンは、第3戦と第4戦が開催される7月13~14日を開催地未定の「欧州域内」とし、続く第5~8戦は地中海に浮かぶ定番のイベントで“連続ラウンド”が実施される。
このサルディニア島では翌年のラウンチに向け水素を動力としたプロトタイプの「デモンストレーションを実施する」計画も立てられており、最終戦は11月下旬にアリゾナ州フェニックスにて実施され、ピュアEV最後の1戦でシリーズ初の北米進出を果たすことになる。
「こうして新年度のカレンダーを発表できたことをうれしく思う。2024年のキャンペーンが最初の3年間のキャンペーンと同様であれば、ファンは特別なものを期待するだろう」と語るのは、シリーズ創設者兼CEOであるアレハンドロ・アガグ。
「我々も新シーズンの開幕戦でサウジアラビアに戻ることを楽しみにしている。 サウジアラビアはつねにスリリングなスペクタクルを提供しており、2月にはジェッダ近郊のエキサイティングな新しい場所にて、同様の興奮が期待されている。7月のヨーロッパでの開催地は間もなく発表される」と続けたアガグ。
「現在も新しいエクストリームH車両の専用テストプログラムを継続しているが、サルディニアはこの水素燃料電池搭載モデルのオフロード・レーストラックでの最初の競技の舞台となる可能性が高く、モータースポーツと水素エネルギーにとって歴史的な瞬間となるだろう」
■「理想的なプラットフォーム」コンチネンタルとのパートナシップ継続
「そしてシーズン最終戦で初めてアメリカ大陸へ向かうことは、我々のシリーズにとって重要なマイルストーンであり、年間の締めくくりにふさわしいものになる。ここは我々にとって重要な市場であり、もとよりオフロードレースに対する多くの情熱があるため、チャンピオンに対する敬意と熱狂がもたらされるはずだ。その点でもエクストリームEの北米デビューを楽しみにしている」
そんなシリーズ創設の2019年以来、一貫してワンメイクタイヤを供給してきたコンチネンタルは「持続可能なモータースポーツと世界の環境意識を前進させ続ける両者のコミットメントを強化する」との方針に従い、パートナーシップ継続を発表した。
このドイツ発のブランドは、初年度より要求の厳しいオフロードレースのニーズに応える超高性能タイヤを設計、製造し、専用ワンメイクEV車両『オデッセイ21』のパフォーマンスを脚元から支えてきた。
そのうえで、2023年には43%のリサイクル素材導入に踏み切り、農業廃棄物であるもみがらの灰から得られたシリカと、リサイクルされたペットボトルからのポリエステル繊維を含む「再生可能素材を誇る、最先端の『クロスコンタクト』を供給した」と強調する。
「ふたたびエクストリームEと協力し、エキサイティングなシーズンに突入することを楽しみにしている」と語るのは、同社のリプレイスタイヤEMEA地域マーケティングコミュニケーション責任者を務めるクラウディオ・トルディ。
「我々としても、レースがどこで開催されるかに関係なく参加チームがあらゆる種類の路面や課題で完璧なパフォーマンスを発揮することを保証している。この電動オフロードレーシングのチャンピオンシップは、乗用車部門向けの製品発表前に、新しいタイヤ技術や開発をテストするための理想的なプラットフォームなんだ」と続けたトルディ。
「たとえば、2022年には初めて“ContiRe.Tex”のテクノロジーをテストし、最新のタイヤは約43%のリサイクルおよび再生可能素材で構成されている。このように、我々としても持続可能なモータースポーツと環境意識の向上を積極的に形成し、貢献していきたいと考えている」
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