ファミリーカーとして人気のミニバン。数あるミニバンのなかで、2023年もっとも売れたミニバンは、トヨタ「ノア」でした。売れ筋カテゴリであることから、どのメーカーのミニバンも商品力が高く、魅力的に仕上がっていますが、そんな中でなぜノアが売れるのか!?? 圧倒的支持を得た理由を考察します。
文:吉川賢一
写真:TOYOTA
2023年最も売れたミニバンはノア!! 圧倒的支持を得た理由
やはり「顔」がポイントだった
まずは、ミニバンの2023年の年間登録台数を振り返りましょう。冒頭で触れたように、(ミニバンのなかで)もっとも売れたのはトヨタ「ノア」で95,181台。これは登録車全体においても、7位という高順位。その次に売れたのがノアの兄弟車である「ヴォクシー」(89,080台、全体8位)、そして日産「セレナ」(75,673台、全体11位)、トヨタ「アルファード」(53,086台、全体17位)、ホンダ「ステップワゴン」(44,157台、全体19位)、といった状況でした。
ノア/ヴォクシーは、2021年まで販売されていた先代では、ヴォクシーのほうが1.5倍以上も売れていました(2021年の年間登録台数は、ヴォクシー約7.0万台、ノア4.4万台)ので、現行に切り替わり、ノアがヴォクシーを見事に逆転したことになります。
ノア/ヴォクシーの現行モデルでの違いは、主に外観。パワートレインや搭載されている装備は基本的には同じです。現行モデルでは、ハイブリッド車もガソリン車も、(先代モデルから)出力と燃費のバランスを磨き直され、パワーアップと同時に、燃費(WLTCモード)はハイブリッド23.4km/L、ガソリン15.1km/Lと、先代から約15~25%も向上、先進運転支援技術も大幅に進化しています。こうした理由が、セレナやステップワゴンを大きく突き放す結果に繋がったと思われますが、基本的には同じノア/ヴォクシーで、先代まで劣勢だったノアが販売台数を伸ばしている理由は、やはり現行ノアの顔面がミニバンユーザーの需要にマッチした、ということにあるのでしょう。
ノアのエアロモデル。4695×1730×1895(全長×全幅×全高)mm、ホイールベースは2850mm。5ナンバーサイズの標準仕様は廃止となり、全車3ナンバー化した
ノアのリアスタイル。ボディ色は、ホワイトパールクリスタルシャインだ
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この結果は、すべてトヨタの「狙い通り」
ノアのほうが売れようと、ヴォクシーのほうが売れようと、両車で分け合っているぶんには、トヨタとしてはどちらでもいいことだと思われますが、実はこの結果はすべてトヨタの狙い通り。
現行ノア/ヴォクシーの開発責任者を務めたトヨタ車体 開発本部本部長の水間英紀チーフエンジニアによると、現行モデル開発の際には、ノアを「正統派ミニバン」として販売の中心におき、ヴォクシーは「尖ったミニバン」として新たな顧客獲得をしていく、というのを狙いとしたそう。
この手のミニバンは顔で選ぶ人が大半であり、そこを取りこぼさないために、ノアで、先代ヴォクシーで好評だった程よいギラギラフェイスを、ヴォクシーではさらに尖らせることでユーザーを刺激した、ということです。セレナやステップワゴンがつけ入る隙をつくらない、トヨタの戦略が見事的中したわけです。
「プレデター顔」ともいわれる、現行ヴォクシーの顔面。これまでにないほど振り切ったことで、ミドルクラスミニバンとは思えない迫力を得ることに成功
ただ、セレナもステップワゴンも、このまま負け続けるわけにはいかないはず
しかしながら、デザインのトレンドは日々変化していくもの。日産もホンダも、売れ筋であるミドルサイズミニバンで、このまま負け続けるわけにはいかず、命がけで改善に取り組んでくるはず。さらに激化することが予想されるミニバン市場、今後の動向が非常に楽しみです。
ノアの内装。インテリアはノア/ヴォクシーで基本的には同じだ
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